ウナギのぼりに成功した人々
今月のゲスト:桜沢如一
孤児アドルフ・ヒトラーが、三十余年前にペンキ屋から兵隊さんになり、負傷し、毒ガスで失明し、亡国の惨状を具さになめた後、たった七人の同志と共に救国運動にのり出し、或いは投獄され、或いは二ヶ年間発言を禁じられ、或いは刺客に狙撃され、同志や部下に裏切られ、排撃されした上、ようやく政権を獲得してやれやれと思ったのも束の間、たちまち近国隣邦の圧迫は巨大な悪魔の鉄腕となり、烈火の息吹きとなって降りかかって来ました。彼は今血だるまの如く、修羅の如く一万数千キロ米の戦線を駆け廻っています。まさしくゲルマン蛮族の酋長であります。そして一撃にあう毎に彼は強くなり、一撃は一撃と益々彼を大ならしめつつあります。
百戦錬磨! 凝っては覇者の剣、開けば万朶の桜!
パスツールを御覧なさい。彼は今でこそ人類の恩人の様に言われますが、その生涯は晩年脳溢血で斃れるまで苦難そのもの迫害そのものでした。蒸気機関の発明者ジェームス・ワットは死に至るまで屋根裏の梁に疲れきった頭をのせかけて休んだのです。蒸気船の発明者フルトンや、日本最初の電気学者飛行機発明家平賀源内のうけた苦難はいわずもがな、日蓮、法然の法難、キリストの最後は我々に何を物語りますか!
しかも我々は無双原理を神ながらの道とし世界観として生きる神国日本に生まれ、今では我々人間にとっての最大で唯一の資本――健康――を、自分の望み次第で確立する方法まで教えられ、ウナギを見ても世界観を――歴史的現実――永遠の今、中今を読むことが出来るのです。
のぼれよ! ウナギの如く! 千里も! 万里も!
のぼれよ! 鯉の如く! 瀧を越え、急流をのり切って!
鯉ノボリはわざわざお金持ちが空高くたてて見せてくれます。彼らお金持ちは使えば消えてなくなるお金しかもっていない! 私共は使えば使うほど冴えて来る破邪顕正、護法立国の双刃の剣、無双原理をもっている。
ウナギ上り! 鯉ノボリ!
ウナギの木のぼり! 鯉の瀧のぼり!
我がウナギの国日本は不信と不真と敵意と悪意の逆流激流をのぼりにのぼって世界観の最高峰に達しなくてはならないのです。
いざ来たれ、あらゆる苦難、非難、ののしり、そしり! 圧迫! 迫害! 我らは最大抵抗線突破の決死隊である。我らに新鋭兵器活人光線を発射する無双原理「魔法のめがね」あり!
男子は決して貧窮を口にすべきに非ず。風はふけよ、波は荒れよ、出ずるに処なく逃ぐるに処なからしめよ。須く暗夜の孤燈を滅して凡ての希望を絶つべし。此の時に於て尚壮心を試すにたらず。一層激烈ならしむべし。一層暴戻ならしむべし。此の手を縛せ、此の背をうて。希望は近づけり。(マルチン・ルター)