感想:生命溢れると言いつつ死体の数も比例して増えるのが夏。
結局ただの割合の話、100%死ぬ以上、生者の数だけ死者がある。
転がる石には何も付かないが、転がる死体は小さくなっていく分、経済的だ。
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感想:1 転がる
まあ好きな素材ではある。昆虫はいいね、カラカラとして死ぬから、カラから生まれて、カラ脱いで育って、カラを残して消えるのだ。苦労感がない割に、しっかり旅立った風でずるい。人間は湿っぽいし、全然旅立ちたがらないから後には執念ばかり漂っているのだ。本作は昆虫たちの転がる乾いた視覚描写が、晴れがましさすら感じさせて好ましかった。ただ作者の性としてか人の湿った念が交えてあってそこまで純粋でもないのだけれど。
2 40年代生まれ
なるほど確かに話はほぼ狐の思い込みの視点で進んでいるなあ。ディスコミュニケーションの本質かもしれない。獣姦もありかもしれない。ただ実際は、これは村の「茂平」という爺さんが語った話だと冒頭に書かれているわけで、よって子狐の話を借りて実は茂平と兵十との関係を描いたものかと考えられるのだ。茂平はまあ撃たれはしないものの、何か深い傷を心に負った、裏で糸を引いたのは恐らく加助でしょう。
3 アレシア先生ラーメンの夢
まあ同じ日常に見えて少しずつでも改善している点を褒めてほしい。で申せば七味唐辛子は間違い。ここは胡椒であるべきでしょ。
4 人と怪獣
人生は重き怪獣を背負いて長き道を行くが如しである。怪獣から手を放したら私たちは死んでしまうんだ。いや、本当なんだ。放埒な詩人風情にはそれが分からないんだ。
(アレシア)
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