≪表紙へ

1000字小説バトル

≪1000字小説バトル表紙へ

1000字小説バトルstage4
第60回バトル結果

おめでとうございます

今回のチャンピオン作品は、アレシア・モードさん作『とかくこの世は朗らかに』です。

投票結果
得票数 
1
昔おとこ
サヌキマオ
2
時そばアフター
ごんぱち
3
史煮記令奈位
1
4
アレシア・モード
2
5
追儺(紫式部日記より)
紫式部/ 与謝野晶子

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

推薦作品と感想

とかくこの世は朗らかに
アレシア・モードさん

感想:
「昔おとこ」
 特に日常に面白いことがないのでちょっとしたことでもネタに引きずり込んじゃう。

「時そばアフター」
 改作モノは難しくて、ぢゃあ例えば普通の落語じゃあ満足できないような落語マニアに「時そば」の代わりに聞かせたらどうなるか、というと、そこまで面白くないんだよなぁ、というのが正直なところ。もともとの「時そば」の気づかなさ、ボケ具合を倫理で調理し直そう、というのがあんまり落語的でないというか……

「私小説」
 うーーーむ、どういう態度で本作に接したらいいものか、という問題の補助線になるのは著者のプロフィールでして、ちょっと読んで「あ、魂の吐露というよりは作品として読んでも大丈夫かも」とやや安心しました。
 だとすれば、語り手の執着している部分が「私」にしかないところが主題かしらね。
 世界なんぞ何処かで歪んでいるので、その証拠として「『私』の思考や言動が絶対的に正しいと仮定すると、私以外のすべてが『歪んで』『おかしく』『間違って』見える。というのは至極当たり前の話でありまして、まぁ普通のことを書いているなぁと思いました。パッションだけで押し切るにはあまりにも凡でございます。
 もっと尖ったことが出来るはず……

「とかくこの世は朗らかに」
 おっさんなのでミュージックソーの時点で「あっ」と思ったのですが、いやぁそうきたか。
 でもね、この横山ホ、もといゴッド・ブラボーズをこのテンションで描く世界線がどこにあるかというとそうそうあるもんでもなく、これもまた「(これまでに)存在しない(しなかった)世界」なんだよなぁと思うと感慨深い。

「追儺(紫式部日記より)」
 いやー知らなかった。紫式部日記にもおっぱい回があったんですねぇ。とかそのような呑気な話ではないが。
 服だけで済んだのか、などというあたりは書かないのが奥ゆかしいところではございますが、「服を盗られたということは、そういうことだよ!」ということであるかもしれず、そのへんの解釈はよくわかりません。でも、わざわざ服だけ剥がすだけで終わるかなぁ……などと考えるあたりが奥ゆかしいのか。ただのスケベか。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
音楽団体を何回抜けただろう。
大学で1回、神奈川で1回、札幌で1回だから、案外少ないか。でも、まともに卒団したのは高校の時だけなんだなぁ。音楽に限らず、終わりまでしっかりいる人というのは、一体どれぐらいいるのやら。
何はともあれ、どこかに入って落ち着くミッシングピース氏ではないようだ。
「中途半端な人になると死んじゃう」という論理展開をする先生はいなかったので、今も元気に生きている。あの先生そういえば、名前に月が2つあるな。お色気ムンムンとかそういう事だろうか。
投票者: このバトルへの参加作者

私小説
史煮記令奈位さん

感想:
「私」小説。修辞が少ないところに曖昧な道理を重ねて進めるので小説というか何か難解な論文を読んでいる感があるが、書かれているところは興味深い。人が「おかしくなる」過程はこういうものなのだろうかと思わせるところで、そこは比較的上手くいっている気がするので評価したい。他人に伝わらない世界の空気を他人に感じさせることは難しいことだ。
 主人公の道理には私はあんまり共感できない。私は、人の魂は常に相手側にあって相対的、並列的と思うからだ。故に「ちがう、そうじゃない」とかつい言ってみたくなるが、そう思わせたなら書き手の勝ちなのである。(アレシア)
投票者: このバトルへの参加作者