Entry1
長編小説(途中まで)
おんど
いつになったら原稿料が振り込まれるのだろうか。
毎月毎月汗を垂らしながら書いているというのに制汗剤のおかげでお肌はいつもさらさらしている。そういえば、砂の上でやるのが好きだった。今も好きに違いなかった。世間はバレンタインデーだった。砂の上で行うバレンタインデーが好きだった。ほんとうにほんとうに好きで好きでたまらなくなって想いが制汗剤では収まらなくなったころ、忘れたように脂はにじみ出てくるのだった。一度にじみ出た脂はもう取り返しがつかないほどだった。きれいな日本海を返せ、と梶原さんは叫んだ。鳥取の出身だった。島根県立大学を首席で卒業してから日本海で叫んだ。ほんとうに砂はさらさらだった。それは梶原さんのそれまで生きてきた人生の、お母様から受け継いだ白い肌、お父様から受け継いだ白い眼、おばあさまから受け継いだ黄色い犬歯、おじいさまから受け継いだ満州仕込みの軍人魂、そのまたいけ好かぬ心持ちetc.......を包含したすべてだった。それを低い腰の位置から持ち上げて砂の上に落とすと安っぽい穴ができた。それが鳥取砂丘だった。パンツを穿いていないスカートでしゃがみこんでおしっこをすると素早く砂に吸い込まれて誰にもばれなかったから味をしめた梶原少女はトイレに行かず砂の上でおしっこをする人生をそのあとも生きることになった。だけどもそれこそが梶原さんの命の源でありレーズンデートルでもあり、そのレーズンの色とか形ときたら梶原さんのおっぱいの先っぽについているAREと見間違えるくらいのイミテーションでありイニシエーションだった。話の腰を折るようで申し訳ないけれど、ぼくもう眠くなっちゃった。それからおしっこしたくなっちゃった。ねえママのそのティールブルーのビロード地のスカートに引っ掛けてもいい?だめ?だめならお仕置きしてください。ほらもうぼくのおちんちんがこんなにパンパンに腫れあがって、眠いのに眠れやしないよ。そんなプレイも砂の女は受け入れてくれるのだった。それをバレンタインデーとしてハメてくれた神様というかサムシンググレート草津というか八百万の万世一系小島一慶というか、そんな存在たちに愛を込めて歌いたい。そこにお弁当をぶら下げた君がいてくれるならなおのことだ。弁当の中身は何かと申しますと下谷の山崎町を出まして、あれから上野の山下に出て、三枚橋から上野広小路に出まして、御成街道から五軒町へ出て、そのころ、