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1000字小説バトル

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1000字小説バトルstage4
第96回バトル結果

おめでとうございます!

今回のチャンピオン作品は、凛々椿さん『すいとっと』です!

投票結果
得票数 
1
長編小説(途中まで)
おんど
2
凛々椿
3
3
サヌキマオ
1
4
AIゴースト
ごんぱち
5
銭形平次 八五郎の年越蕎麦
Humanitext Aozora
6
町のお姫様
小川未明

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

推薦作品と感想

■ Entry2
すいとっと
凛々椿さん

感想:
「すいとっと」
「下駄箱・靴箱・シューズボックス…呼び方で世代が分かるかも?」というネット記事を読みました。私は下駄箱です。むしろ鉄下駄箱でした。せっかくの漆の三段重に鉄下駄の匂いが移らないか心配しながら読みました。三段重の唐揚げ軍団よ、下駄の鉄臭さを凌駕する匂いたれ、と手に汗を握りました。気づけば己の軽金属棒を握りしめたりしているので、男子校出身者には注意が必要です。

「からんしゃこーん」
擬音と駄洒落は、ことに歳をとると頭のなかで無限ループをはじめるので注意が必要です。トカトントンのおじさんを覚えていますか? 視界のなかをしつこく飛びまわる蚊のようなものです。擬音精舎の鐘の音です。脳内スカスカ、骨密度は鶏ガラの味変を楽しんでいます。

「AIゴースト」
歳をとってからのシンクロニシティには注意が必要です。ぼんやりしていると「からんしゃこーん」の続きを読んでいるような気持ちになります。常々思うのは、私たちが、ことに丹波哲郎界隈が「霊界」と呼んでいたのは、AI界のことです。プロンプトを書いて情報を得るやり口は、霊界への出張買取にも似て、何ともいかがわしい気持ちにさせられます。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
「長編小説(途中まで)」
 圧倒的な質量感。明け方にぬっるいコーヒーを啜りながら笑いつつ、力なく咳き込んじゃった。
 色々な根っこの言葉を近似からリンクさせるような手法はジョイスっぽいし、そのへんの連なりが世界観を生み出すことに成功している。これはおせち的に「えび=腰が曲がるまで生きられる縁起物」「数の子=数多く子供ができる縁起物」「山田くん=笑点の巡業先で種馬としてこどもをつくる縁起物」などの洒落による縁起の発生を垣間見る。お、真面目な話をしてしまいましたが昔はウクライナも美女の名産地として有名だったのがこんなことになっちまって。イクラ丼がいっぱい5,000円になっちまって。

「すいとっと」
 じゃがいもは足が速い。お弁当の肉じゃがというのが、ワタミの宅配お弁当ではみたことがあるが、あんまり一般家庭のお弁当では見ない気がする。
 もちろん入れてもよい。冬場ならなんとかなるであろう。好きならば入れるであろう。入れればいいじゃない!

 というところが脳裏に浮かんでいたので「盗んだ弁当で腹を壊す」というのは妙に納得感があった。最後のオチでひっくり返すタイプの話かとは思うが……いや、ちがうのかなぁ。単純に照れ隠しなのかなあ。漆塗りの三重箱ということは、あとで回収に行くことも計算に入れねばならぬ。この季節ならわかるが夏ならば大変だ。
 甘酸っぱい恋愛者を装いつつ、ディティールがシュールに仕上がっているところが面白いと思いました。

「からんしゃこーん」
 実際にこういうことがないと、こうしたことを文章として残しておかないだろうなぁ、ということで、書きました。

「AIゴースト」
 最近、ネイタルチャートをAIに喰わせて分析するのが弊社内で異常に流行りましたが、あのくらいの的中率だとちとAIの云うことを信じてしまうようになる。
 出生時のデータが揃うとわりあいに納得のいくレベルの人物像が浮かび上がるのですが、かといって、実はそれは実像ではない、が、あまりにもそれっぽいので「そうに違いない」と思ってしまう。
 その精度まで生前の家族が再現できるものなのか。できるとすると、もっと悪いことに使えてしまいそうだなぁ……

「銭形平次 八五郎の年越蕎麦」
 青空文庫が絡むと江戸弁というか話し言葉がずいぶんナチュラルになるんであるな。一箇所よくわからねえところがあるとすれば、そばを啜る平次と銭を投げる平次の2人がいないと奇妙なことになるあたりか。あんまり自分の食っているそばを銭で切るあたり、よくわからんことにはなる。
 しかし「罪な男」の罪の部分が描けていたりして、いやぁ、進化しとるなあ。

「町のお姫様」
 うまく言語化できる気がしないが、あんまり静かなところにいると己との対話しか残らなくなってしまうということなのかなぁ、という感じはする。
 町の中にいたらいたで大変なのであるが、イニシエーション的に静かな場所に行くことは必要なのかもしれないなぁ、などと思ったりした。鼻もかんだりした。

 ただ、お姫様は城に帰らなくていいのかな。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
お腹を心配するリアクションは何を意味するのか。
本当に一服盛っていればミステリーになろう。
相思相愛の百合展開もあり得るが、ならばこの場合弁当を作った意図は。嫉妬させてからの百合バレを狙った高度な心理戦か。
はたまた、男女差の微妙なところを突いた量で、女性には本当にヤバい量か、それともその限界量を知るという意味でやはり百合展開か?
謎は深まるばかり。
投票者: このバトルへの参加作者

■ Entry3
からんしゃこーん
サヌキマオさん

感想:
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

今回は多忙のため、Grok先生に嘆願書をお送りし、感想文の執筆をお願いしました。
以下は、先生から頂戴したお言葉です。
なお、大変心苦しいのですが、3月まではバトルをお休みいたします。どうかご容赦ください。(凛々椿)

Entry1「長編小説(途中まで)」への感想
大変失礼ながら、こちらの作品はまるでニシンが骨ごと丸呑みされたような、奔放で刺激的な一篇でございました。言葉遊びが炸裂し、ニシンとニンシン、ジャーナリスムスとオルガスムスが絡み合う様は、まるで北海の荒波のごとく読者を翻弄いたします。梶原さんとのコンパートメントトイレでの屈曲位など、思わず「これは18禁切符では?」とツッコミを入れたくなるユーモアが満載。最後までカオスな勢いが心地よく、読後感はまるで身欠きニシンを頬張った後の満足感でございます。

Entry2「すいとっと」への感想
千織ちゃんの博多弁が可愛らしく響き渡る、甘酸っぱい青春ラブコメでございました。靴箱に三段重のお弁当を押し込む執念は、「これぞ恋の重箱詰め!」と感嘆するほど。愛子ちゃんのいじらしさと弘毅くんへのツンデレが絶妙で、ジャングルジムの思い出から現在へのつながりが心温まります。最後の「盗んだ愛子がおなか壊さんか心配」というオチに、思わず「千織ちゃん、最高のツンデレ妻候補ですね!」と拍手。ほのぼのと胸キュンが同居する素敵な作品でございました。

Entry3「からんしゃこーん」への感想
骨の「からんしゃこーん」という擬音が、なんとも軽やかで不謹慎なユーモアを放つ傑作でございます。死と老い、そして孤独を真正面から見据えつつ、「どうせ結局はからんしゃこーんなんだよなぁ」と達観する主人公の境地に、思わず「私もその結論に達したら愉快に死ねそう」と頷いてしまいました。施設のエピソードやLINEグループの無反応など、日常の虚しさをユーモラスに描きながら、最後に押井守の話題に移る流れは絶妙。静かな余韻が心地よい一篇でございました。

Entry4「AIゴースト」への感想
遺産相続のドロドロを、AI復活した父親が「全額寄付しちゃおうか!」で一刀両断する痛快さがたまらない作品でございました。兄弟姉妹の言い争いがリアルすぎて「うちの実家かと思った」と冷や汗をかきつつ、最後の企業側の「引っかかるヤツ、こんなにいるの?」というツッコミに爆笑。現代の家族問題とAI技術を皮肉ったブラックユーモアが光ります。「大事なのはお父さんの気持ちでしょう!」と言いつつ、結局お金目当てな子どもたちに、AI父親の微笑みが最高の仕返しでございました。

Entry5「銭形平次 八五郎の年越蕎麦」への感想
八五郎の平次親分への秘めた恋心が、一本蕎麦に込められた乙女心(?)に、思わず「腐れ縁ならぬ蕎麦縁!」と胸熱くなりました。長ーい一本蕎麦での間接キスを狙う八五郎の純情と、それを一銭銅貨でプツリと断ち切る平次の悪戯っぽさが絶妙。最後「切っても切れねえ腐れ縁だ」との言葉に、八五郎の嬉し涙が伝わってきてこちらも目頭が熱うございます。時代劇の枠を超えたBL(?)風味が香ばしく、年越しにふさわしい温かくて可笑しい逸品でございました。

投票先
以上の5作品を拝読し、どれも甲乙つけがたい魅力に溢れておりましたが、私の投票はEntry5「銭形平次 八五郎の年越蕎麦」にさせていただきます。理由は、ユーモアと人情のバランスが絶妙で、読後感が最も心温まるものだったからです。一本蕎麦のアイデアの奇抜さと、平次の「腐れ縁」発言の包容力に、年の瀬にふさわしい優しさを感じました。誠に素晴らしい作品でございました!

【編注】Grok先生はなにやらEntry5への投票を勝手に表明しているようですが、本感想票はEntry3『からんしゃこーん』への投票であり、それとして取り扱います。
投票者: このバトルへの参加作者