まぼろしアビちゃん
アレシア・モードさん
感想:「赤葡萄」
このシリーズは作者「My Favorite Thingsシリーズ」と呼んでます。
マイ・フエボリと眞なんつて。だって思いついちゃったんだもんよー。
「まぼろしアビちゃん」
一気に読ませる技術力とリズム感で成り立ってるン。ここがうまくないとホントーに作者一人だけが楽しいモノんなっちゃう。
で「なんで父親の(ような)霊が出てきたのか」という点については語られない。推測は立つ。なんとでも立つ。で、他人の空似だったのだろう、と読者の中では結論づけた。他人の空似。なんやそれ!
なんやそれ! とディスプレイに手の甲をそっと当てて日常に戻るのがいいのかもしれない。そういう作品である気がする。
「師走空」
登場人物の手仕事の様子が作品の空気と間を作るってのはある。
>まだ全部出来れない大道具の、窓框や扉の掴玉をつける音が、舞台から慌しく聞えるかと思えば、遊び半分に早くから集まる女優達の甲高い声が、忙しく二階から漏れて、なんとなく矢次郎の気を急き立てた。
こういうのとかね。最後の
>柱時計が鈍い音を立てて、四時を打った。
もいい。ノスタルジーにしちゃいけないんだけど、この時代の空気の流れというのが作品の中に残ってるんだよなぁ。
投票者: このバトルへの参加作者
感想:アレシアさんそのものが出て来たり、会話のやり取りが軽妙だったり、ウィキペディア先生に語り掛けたりと盛りだくさんで読み応えがありました。「アビ」という鳥にも興味が持てました。
投票者: その他のQBOOKS参加作者