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3000字小説バトル

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3000字小説バトルstage3
第17回バトル結果

おめでとうございます

今回のチャンピオン作品はアレシア・モードさんの『まぼろしアビちゃん』です。

投票結果
得票数 
1
サヌキマオ
1
2
アレシア・モード
2
3
師走空
邦枝完二

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

推薦作品と感想

まぼろしアビちゃん
アレシア・モードさん

感想:
「赤葡萄」
 このシリーズは作者「My Favorite Thingsシリーズ」と呼んでます。
 マイ・フエボリと眞なんつて。だって思いついちゃったんだもんよー。

「まぼろしアビちゃん」
 一気に読ませる技術力とリズム感で成り立ってるン。ここがうまくないとホントーに作者一人だけが楽しいモノんなっちゃう。
 で「なんで父親の(ような)霊が出てきたのか」という点については語られない。推測は立つ。なんとでも立つ。で、他人の空似だったのだろう、と読者の中では結論づけた。他人の空似。なんやそれ!
 なんやそれ! とディスプレイに手の甲をそっと当てて日常に戻るのがいいのかもしれない。そういう作品である気がする。

「師走空」
 登場人物の手仕事の様子が作品の空気と間を作るってのはある。

>まだ全部出来れない大道具の、窓框や扉の掴玉をつける音が、舞台から慌しく聞えるかと思えば、遊び半分に早くから集まる女優達の甲高い声が、忙しく二階から漏れて、なんとなく矢次郎の気を急き立てた。

 こういうのとかね。最後の

>柱時計が鈍い音を立てて、四時を打った。

 もいい。ノスタルジーにしちゃいけないんだけど、この時代の空気の流れというのが作品の中に残ってるんだよなぁ。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
アレシアさんそのものが出て来たり、会話のやり取りが軽妙だったり、ウィキペディア先生に語り掛けたりと盛りだくさんで読み応えがありました。「アビ」という鳥にも興味が持てました。
投票者: その他のQBOOKS参加作者

赤葡萄
サヌキマオさん

感想:
 シリーズ?も3作目となり、だんだん謎設定も増えてきました。「乙坂の奥さん」に対する店長のリアクションが、典型的な「母親に反抗的な10代」のままなのがおかしい(母親、でいいですかね。後述しますが、少し気になるところもあります)。ついでに店長の恋愛意識も覗いて見たいところですが、役者は揃ってるとは言え、まだそんな段階でもないし、作者がそれをやるとも思えません(おい)。
 ところで、なぜ『赤葡萄』なのだろう。

 さて皆さん喜んで下さい。今回人物が増えてそろそろ判らなくなってきましたので、血縁のヒントから家系図を作りましたよ。私はこういうのが金田一耕助と同レベルに好きです。
「奥さん」という呼び方からすれば、彼女は乙坂家の嫁となりましょうか。難しいのは『店長は舞の祖父と接触できず、舞も「乙坂の奥さん」がほぼ分からない』という点、そしてさらに難しいのは『丙崎、乙坂は神吉田の家だが、舞の父親はたぶん神吉田の家ではない』という点です。なお舞の姓は今のところ不明。

 素直に辻褄を合せて書けばこうなりましょう。

 乙坂家(神吉田)(おじ、店長父)
           ┠───┬─ ?(乙坂家長男)
           ┃   └─ 乙坂眞(店長、神吉田出身)
 (父方祖父)  ┌ 乙坂の奥さん(店長母、神吉田出身でない)
     ┠───┤
 (父方祖母)  └(父、神吉田出身でない)
           ┃
 (母方祖母)    ┠──── 舞(私、神吉田出身)
     ┠──── 祐亜(母、神吉田出身)
     ┃
 丙崎(母方祖父、丙崎ぶどう園在住、神吉田出身、死去)

       丁字原(同郷、神吉田出身、26歳)
       辛島(近所、神吉田出身)

 ただこれだと乙坂の奥さんは舞と血縁で繋がってしまう。でも姿が見えないのは「傍系だから」ということにするしかありません。店長には見えるから、神吉田出身の仏さんでないとコンタクトできないとかいう新ルールも作れない。
 もし乙坂の奥さんが店長の祖母、ということなら別の図が書けるんですが、クソババアとか呼んでも祖母ではないでしょう。または舞の父親に特殊な事情とか、あるいはそれこそ横溝正史レベルの泥沼親族という手も考えられますが、まあ故郷の親族についてこれ以上掘り下げてネタにすることもないでしょう。
投票者: このバトルへの参加作者