ぼくの好きな先生
サヌキマオさん
感想:キャンパスライフにおける演劇部の内実が実に生き生きと描かれていると思いました。生徒が主役なのかもしれませんが、当然対象化された先生にあたる人のキャラクター造形も上手く行っていると思いました。
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感想:『ぼくの好きな先生』
ジェンダーもパーソナリティも、一つ持つことさえ不安定な世代から見れば、このどう見てもマルチに過ぎる先生にはお前は宇宙人かよとツッコみたいところでしょうか。演じ分けているようにも見える先生の人格が、本当の姿を隠蔽していると受け取るなら、それは先生の悪意と思われるかもしれません。
紫苑ちゃんには、何やらそんな感がある。智ちゃんは、そうでもないけど、ただ単に智ちゃんが未分化なだけだから、かもしれない。なるほど気力体力を要求する世代です。
って、別にそんな話ではないのかもしれませんが、私の受けた印象としてはこうなります。もしこれを私が書けば、小説ではなく、くどくどとなぞる論文になってしまうことでしょう。
『予備列車の夜』
実は前半と後半が別々の時期に書かれている。時代を超えた自分同士で殴り合っている、あるいは慰め合ってる感があり、かなり良くない。切羽詰まっていますね。
『汝の針は何処に在りや』
率直に申せば『鳥! 鳥! 鳥!』の辺りになるともう読みながら笑っていたのですが、その笑いが作中の『私』とシンクロしてしまっているのが怖い。都会派に転向したという時期の作品も見たいのですが、今のところ確保できません。
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