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3000字小説バトル

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3000字小説バトルstage3
第23回バトル結果

おめでとうございます

今回のチャンピオン作品は、サヌキマオさん『ぼくの好きな先生』と決まりました!

投票結果
得票数 
1
サヌキマオ
2
2
蛮人S
1
3
汝の針は何処に在りや
大橋房

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

推薦作品と感想

ぼくの好きな先生
サヌキマオさん

感想:
キャンパスライフにおける演劇部の内実が実に生き生きと描かれていると思いました。生徒が主役なのかもしれませんが、当然対象化された先生にあたる人のキャラクター造形も上手く行っていると思いました。
投票者: その他のQBOOKS参加作者

感想:
『ぼくの好きな先生』
 ジェンダーもパーソナリティも、一つ持つことさえ不安定な世代から見れば、このどう見てもマルチに過ぎる先生にはお前は宇宙人かよとツッコみたいところでしょうか。演じ分けているようにも見える先生の人格が、本当の姿を隠蔽していると受け取るなら、それは先生の悪意と思われるかもしれません。
 紫苑ちゃんには、何やらそんな感がある。智ちゃんは、そうでもないけど、ただ単に智ちゃんが未分化なだけだから、かもしれない。なるほど気力体力を要求する世代です。
 って、別にそんな話ではないのかもしれませんが、私の受けた印象としてはこうなります。もしこれを私が書けば、小説ではなく、くどくどとなぞる論文になってしまうことでしょう。
『予備列車の夜』
 実は前半と後半が別々の時期に書かれている。時代を超えた自分同士で殴り合っている、あるいは慰め合ってる感があり、かなり良くない。切羽詰まっていますね。
『汝の針は何処に在りや』
 率直に申せば『鳥! 鳥! 鳥!』の辺りになるともう読みながら笑っていたのですが、その笑いが作中の『私』とシンクロしてしまっているのが怖い。都会派に転向したという時期の作品も見たいのですが、今のところ確保できません。
投票者: このバトルへの参加作者

予備列車の夜
蛮人Sさん

感想:
「ぼくの好きな先生」
 あんがいと良かったんではないか、と読み返してみて思いました。

「予備列車の夜」
 一読して「なんじゃこりゃ」と思って再読すると、オチを知っている分だけ「あ、そういうことか」という理解が追いついてくる。
 最後の白い花だけ見て「人が死ぬ話かな」とも思ったんですが、配置された「予備」だったり「星条旗」だったりを見ると、どうもそんな単純な話でもない気がしてきた。
 もっと社会的に、「時代に取り残されているという」自覚の芽生えの話かな、とも思うのですが、それよりももうちょっと抽象度が高い。

 そう、抽象度なのです。この辺の文章中における抽象度の具合が、なにか諸現象を想起させしめる装置として現前したものと考えたらいいんでないか、と思い至りました。
 もっと明瞭な読解があるのかもしれないけど、そこまでには至らなかった。

「汝の針は何処に在りや」
 なんかこう、すげぇな。明らかに躁のケのある人特有の疾走感と盛り込み方。
 もうちょっとじっくり読まんと「この作品で何をしたかったのか」というのは読み解けないのであるが、センター試験レベルの問題をこの文章から作ろうとしたら面白いことになるかもしれない。単に「雨でぐっちょんぐっちょんなんでもうヤケですなワハハハ」というだけの話なのか。
投票者: このバトルへの参加作者