感想:法事のさまがよく描かれて居ると思いました。法事の後の二次会と言う言い方は不謹慎かもしれませんが、とにかく七回忌でしたか、よく描かれて居ると思いました。
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感想:『七回忌風景』
蛮人氏も(今さら何に影響されたのか知らないけど)ご執心らしい『作者の客観的態度』を、強く感じさせる作品。ひょっとして流行ってるのでしょうか。演出を廃したホームビデオのカメラを通したような情景が淡々と続く描写は、瀬戸内の風景と相まって、七回忌という今ひとつ薄いイベント、さらに基本的には嫁側の親族の集まりである中での今ひとつ微妙な自分の客観的ポジションをまんま客観的に反映していて、故に100%客観的立場である読者も、その居心地をVRのごとく感じながらその場に居られるようになっています。主題と文体が有効にマッチした作品と思います。
『猫の裁判』
なんかパズル埋めに終始した感があって全体として馴染んでいないのは相変わらずである。もっとも八割方は私にとってのリアルを写し直しただけだ。ちなみに蛮人氏は前回の作品において、殆ど全てが自身のリアルそのまんまだったらしい。馬鹿じゃないだろうか。
『刹那』
実のところ刹那厚顔あたりから半笑いで、刹那殺人の「俺は山賊嘲笑だ。」で完全に笑ってました。いちおう真剣に読みますと、言葉による、印象の不可逆な転写――組み直すことのできない感覚だけが後味のように獏と残る、ある意味純粋な芸術なのかも知れません。でもやっぱり、ただ単にはぐらかされているだけのような気も。このあたり(その素材のせいもあって)TV版エヴァの最終話みたいです。
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