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3000字小説バトル

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3000字小説バトルstage4
第35回バトル結果

おめでとうございます

今回のチャンピオン作品は、サヌキマオさん作『ハミルトンの鯨――柿』です。みなさま、ご投票くださいましてありがとうございました。

投票結果
得票数 
1
サヌキマオ
2
2
私の日記そして詩作したくなる(詩作の後は古今和歌集暗唱)
石川順一
3
蛮人S
1
4
疲労
国木田独歩

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

推薦作品と感想

ハミルトンの鯨――柿
サヌキマオさん


感想:
柿、乃公、ハミルトン家、パーシモンと呼ばれている女性、姫様、コックのマッソ、「鯨」の存在。最後も何か次へ続くような感じで後日譚があるのかと思いました。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
Entry1 ハミルトンの鯨――柿
さて謎と波乱の予感をはらみつつの導入、でよろしいでしょうか。少々超常的な設定にもかかわらずスムーズな入り方はさすがです。内容はまだ触れられませんが、古城のお嬢様の言葉遣いや、その言葉一つでお化けのくせに背後がぞわぞわする乃公様などキャラクターも魅力的です。お嬢様の言葉にはいちいち何か秘めた所がありそうですが、今はそのまま読み流しましょう。
Entry2 私の日記そして詩作したくなる(詩作の後は古今和歌集暗唱)
日記はかなりミステリアスなのですが、いきなりすべてを投げ出しての暗唱です。しかし人はときに、なんと言われようと、猛然と何かのために邁進しなければならないと感じる時はある。その対象が他ならぬ3000字バトルであったことは、これは全くかたじけないと、そう申し上げざるを得ないのです。
Entry3 コピペ・メロス
そして石川さんごめんなさい。本作についてはそれだけ申し上げたい、これは古典の大幅引用という点で「(詩作の後は古今和歌集暗唱)」をスタイル的にパクったものだから(しかもそれは通常、参加者にはできない後出しジャンケン的行為です)。それだけです。でも私も猛然としてみたかったのです。
Entry4 疲労
結局、彼らが何を追求しているのかは説明がないのですが、それ故に悪い夢のような、獏とした嫌な感触だけが残される。ええ、こんな夢見ます、後で説明できないけれど。
投票者: このバトルへの参加作者

コピペ・メロス
蛮人Sさん


感想:
「ハミルトンの鯨――柿」
 ちゃんとしました。

「私の日記そして詩作したくなる(詩作の後は古今和歌集暗唱)」
 小説作品なので、がんばってちゃんと頭から尻尾まで読もうとするのですが、後半の古今和歌集の暗唱というのがものすごくて、これだけの文字列が脳から口へドバーッと出てくるあたり、語り手はアンドロイドかキャッシュディスペンサーじゃないかと思ってしまう。コピー&ペーストではないのです。脳に記憶されたものが、じょんじょろりんとこぼれ落ちてくる。
 惜しむらくは、そのほとばしったものを的確に受け止められる読者でなかったことです。私が。今回。


「コピペ・メロス」
 で、そのコピペにもセンスというものが必要でして、切った張ったにもいいものと悪いものがある。remixすることで新たな人格が生まれてくるあたりが見どころです。
 よくわからないけど血を吐き始めたあたりから俄然面白くなってくるなぁ。

「疲労」
 わりとその、会話のリアリティを書くことが手段だという作品で、結局何がしたいかと云うと、その当時の人間の呼吸を描いて残しておくというのが存外重要なのではないかということです。会話の内容は「判る」けど「頭に入ってこない」ンですが、そういうところも含めて(読者にとって)どうでもいい会話を記述している感がある。
 これはこれで面白いなぁ、と感じるわけです。
投票者: このバトルへの参加作者