≪表紙へ

3000字小説バトル

≪3000字小説バトル表紙へ

3000字小説バトルstage4
第39回バトル結果

ざんねん

一位作品の数が、その得票数以上となりましたので、規定によりチャンピオン作品はありません。次回にご期待下さい。

投票結果
得票数 
1
サヌキマオ
1
2
蛮人S
1
3
人形の家
イブセン/添田唖蝉坊(作歌)

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

推薦作品と感想

あおとみどり・上
サヌキマオさん

感想:
『あおとみどり』 三分の一ほど読み進んで誰と誰が舞台に居て誰が誰なのか認識できないのは辛い(というかこの日常風景の段は必要なんだろうかという気もする)のだけど、これはこういうスタイルだから仕方がありません。アオとミドリ、強烈な個性を持っていそうな二人が紹介されます、今回はここまでですが、波乱を予感させる強い内容と思います。まあ波乱はすでに起きていて、俵村探偵が乗り出しているわけですが、キャラを作るのが本当に上手い。実際、演劇部というのは、まあここまで変な人間は少ないとしても、かなり個性の衝突する場所なのかなあとか想像させられます。知らんけど。

『還る日に』 アレシア氏の言うところの「手抜きの生煮えシチュー」といった感じか。積み木を組み上げるように書くとこんな感じになります。とにかく固くて角が立っていて、そのくせ一体感がなく簡単に崩れちゃう。おっ、上手いこと言うね。座布団一枚。とくに真ん中あたりは機械的に同じブロックを重ねているだけです。もっと有機的にこねあげたいのですが、どうしても組む感じになります。実際組んでるのだけど。なおカラスの生態については、まったくデタラメというわけでもないが、正確というわけでもありません。

『人形の家』 ものすごいダイジェスト版です。唖蝉坊って、ハハノンキダネーとかマックロケノケーの人ですね。これ、譜面(大正琴)に沿って少し演奏してもらいましたが、かなり陰を帯びた曲調で、これでこの内容を延々歌ったら念仏みたいです。譜面にもあるように堺利彦とか絡んでいるのですが、この曲で当時は社会運動を盛り立てることができたのでしょうか。この時代、小説や美術、食文化といった分野は私はそんなに古さを感じないのですが。
投票者: このバトルへの参加作者

還る日に
蛮人Sさん

感想:
「みどりとあお・上」
 登場人物は出来上がっているので、あとは勝手に動くのを待つばかりとなりました。これを惰性というのかもしれません。
 描いているうちは楽しいんだけど、自分で読み返している時点で「うーん」となっている。
 あとに残すべき作品になるかというとそーでもない。賞味期限の短いシリーズですわなぁ。

「還る日に」
 あれかな、タイトルは平沢進の「オーロラ」あたりかな。
 テーマは「老い」であり「死」であり、またそうした衰えの受容のようすなんですが、鴉の身に置き換えながらも、その受容感覚を人間が読んでも「いいなぁ」と思えるようにしてある。
 こういう作品を読んで「いいなぁ」と思える要素ってなんだろうと考えるんですが、結局「恐れていない」様子が丁寧に書かれているのが心に優しいのかもしれません。そうした優しさの背後にある残念な「還れなかった」仲間たちのエピソードの記述も含め、なんと丁寧な仕事かと思います。
 こういう丁寧な仕事をシなきゃいかんぞ! いかんぞォッ!(と、いいつつ今月も時間がない)

「人形の家」
 唖蝉坊がこういう仕事を残しているとは知らなんだ。
 これはアレよね、テキストでよむというよりも、本人が歌ってんの聴いたほうが楽しいやつだ。
投票者: このバトルへの参加作者