エントリ1 俳句など 石川順一
いくら「夜長し」が秋の季語だからと言って、徹夜しては長過ぎる。それに徹夜では余りに無季過ぎて秋に詠む意味が無いと思うのだが、それでも詠む事にしよう。
夜長し夜長しとは呪文めく
パソコンに向かうと画面が前にある。この態様も無季的だ。偶に蚊が画面の周囲を飛び彷徨って居るのを見て夏だとか「秋の蚊」だと思うだけだ。クリック一つで、エンターキー一つで春夏秋冬よりどりみどりの環境では季節を感じろと言う方に無理がある。私の意志でかろうじて外界の季節に合わせて居ると言った方が正確であろう。
色を増すリンゴはまさに私向き
リンゴと言えば一般の感情から言えば冬であろうが、俳句では「始まり」を重視するようだ。秋の季語に分類されている。「蝶」と言えば春。実際によく蝶を見かけるようになるのは初夏以降であろう。発生し始める初々しさを尊重するのであろうか。3,4月初めまでは見掛ける事の方が珍しい。5月初めには暦の上では夏を迎えて仕舞う。4月の終わりにもなってやっと紋白蝶や紋黄蝶を頻繁に見掛けるようになる。実物をほとんど見ないうちに夏が来てしまう。それでも春の季語だ。
2012年10月29日(月)私は締め切りに追われて何度も布団へ飛び込んだ。ガイストが脆い。風呂へ入れば奥歯が痛む。奥津温泉を思い出した。確か津山市の近くにある温泉だ。私は酢手帖賞を受賞した同名の酢の詩人を思い出した。酢の詩人とは何か誰か私に教えて欲しい。因みに私は古代俳句協会主催のネット俳句会に毎月出句しているが、ここではG2会員だが、だいぶん上の方だ。と言うのはG20会員まで居て、やっと私はG2会員になった。でもGは英語ではジーと発音するので、音が自慰に繋がって余り印象が宜しくないと言う意見が会員から寄せられていた。私も同意見だ。だが執行部の見解はどうだろうか。私も切に改革を望む。でも噂ではG20会員など誰もやる気が無くてやりたくないだろうから、殆どのG20俳句は執行部の忍者部隊のダミー句だと言うがどうだろうか。公平を装っても外から入りこむと拒絶され易い。お金に強制通用能力があっても、最終的には都合のいい誰かのお金だけが通りがいいと言う事になって何時でも不平不満はなっている。例えば私は3年前
晩秋の夕暮れパクルぱーが来る
と言う句で20点をとって一気にG20会員から飛び級でG2会員になったのだが、その時の総帥の講評、
「うーむ、この「晩秋の」と言う言葉は特定の誰かにとっての特権的な言葉では無いのですが、「晩秋の夕暮れ」と言って仕舞うとJPOPを強く想起させます。それを作者は小悪魔的に「パクル」と極めて自覚的に言って見せた上で、「パーが来る」とは何ですか。人を馬鹿にしている。と当初は思いました。だがこの批評性はどうでしょう。直(じき)に素晴らしいと思いました。因みに「直(じき)に」とルビを振って頂いたのは私がとても「直に」と書いて「じきに」と読むのが信じられないからですよ。決して読む者を馬鹿にしている訳ではありません。なのでそんな誰でも読める漢字にルビを振りなさんななどと野暮な事は言わないように。」(2012年10月22日ぐらいから29,30日など(11月3日(土)記す。投稿出来ず))
「QBOOKS インフォデスク」
今回1000字小説も3000字小説も詩人バトルも短歌バトルも投稿出来ずに忸怩たる思いがあります。特に3000字小説など準備が出来て居たにも関わらず、パソコンの不調を統御出来ずに投稿出来ず遺憾な事です。あと、俳句バトル感想(9月度投稿に対する)の「間者」は多分私の投稿で「石川順一」で投稿するつもりが「間者」になって仕舞ったかと。(2012年11月3日(土))
「月刊ポエム 4行詩」(同 投稿)
写真を撮れば父の指圧が増す
キッチンのオレンジの電灯の紐が繰り返し呻き
21時少し前に風呂を出て
キッチンの洗いを終える頃に21時ジャスト(同 投稿)
2012年11月5日(月)。22時40分頃1000字小説を執筆して居ると借金取りが追いかけるかのように、家内の動産の建て付けの悪さか、はたまた鍵か、何か借金取りの様にあくまでも音として家の備品として追いかけて来る。川柳のレスと得点を相関関係を追いかけて居るのだと思う。これでは身が持たぬは。あくまでも借金取りの様に。鍬と言うものが名前に化けて居るのだと思う。神奈川県と言うのはすごい所だ。
こんな訳の分からない想念に捉われて居るとまたまた句が思い浮かんで来た。
マルキドと言えばサドだと秋が逝く
ハレルヤの漫画いまでも秋が逝く
晩秋を楽しみたしと早く寝る(2012年11月5日(月)、本当にいつもより早く寝た)
ちょっと昔を思い出した
焼き芋の後に推移のドラマ見る
焼き芋に牛乳摂取して走る
焼き芋や子供の声は今の内(以上2011年11月26日(土))
冬の夜テープ絡まり大苦慮す
複雑な絡まりぶりの冬の夜
絡まればいと複雑な冬の夜(以上2011年11月22日(火))
昔の句作を思い出す。しかし今は勉強して居る。
常務に従事する役員のうちに貸付けの業務に3年以上従事した経験を有する者がいなければ、貸金業の登録を拒否されます
営業所または事務所ごとに貸付けの業務に1年以上従事した者が常勤の役員または使用人として1人以上在籍していなければ、貸金業の登録を拒否されます。
@ 貸金業者は、内閣府令で定めるところにより、営業所又は事務所ごとに、顧客の見やすい場所に、貸付けの利率、返済の方式、返済期間及び返済回数を掲示しなければならないが、当該営業所又は事務所に置かれる貸金業務取扱主任者の氏名を掲示する必要はない。
@:×(適切でない)
貸金業者は、営業所等に置かれる貸金業務取扱主任者の氏名を掲示する必要もあります。
A 貸金業者が貸付条件として掲示すべき事項の1つである貸付けの利率については、小数点以下を表示する必要はない。
A:×(適切でない)
貸付けの利率については、百分率で少なくとも小数点以下1位まで表示する必要があります。
B 貸金業者は、貸付条件等の掲示にあたっては、貸金業者の営業所等で行う貸付けの種類ごとに、見やすい方法で行わなければならないが、当該営業所等が現金自動設備であって、当該現金自動設備があらかじめ定める条件により継続して貸付けを行う契約(包括契約)に基づく金銭の交付又は回収のみを行う場合、貸金業者は、当該営業所等に貸付条件等を掲示する必要はない。
B:○(適切である)
営業所等が現金自動設備であって、当該現金自動設備があらかじめ定める条件により継続して貸付けを行う契約(包括契約)に基づく金銭の交付または回収のみを行う場合、貸金業者は、その営業所等に貸付条件等を掲示する必要はありません。
C 貸金業者は、貸金業法第14条(貸付条件等の掲示)に違反した場合、内閣総理大臣又は都道府県知事から業務の方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置を命じられることはあるが、その業務の全部又は一部の停止を命じられることはない。
C:×(適切でない)
貸付条件等の掲示に違反した場合、貸金業の業務に関し、法令に違反したことになるため、その業務の全部または一部の停止を命じられることがあります。
エントリ2 国を愛する王さま ごんぱち
むかし、美しい国がありました。
南に広がる海は青く透き通りたくさんの魚や珊瑚が生き、東の平原は柔らかな牧草と色とりどりの花が咲き乱れ、西の森は神殿の柱のように荘厳な木々が天に延び、北の山は雪を抱き朝日に輝き月光に浮かび上がります。
そしてそれらの中心にある街は、磨かれた石畳と、寸分の狂いもないレンガ、まっ白な漆喰で作られており、王さまの城は宝石が散りばめられ煌めかんばかりの美しさでした。
ある冬の朝のことです。
「ああ、なんと美しい国だろう」
王さまは、城の窓から自分の国を見下ろします。
澄み切った青空の下で、雪に覆われた大地が、朝日を受けて輝いています。
「そうでございますな、王さま」
大臣がうやうやしくお辞儀をします。
「このような素晴らしい国の王で、余は本当に幸せだ。余は全ての愛を、この我が国に捧ごう」
「大変立派なお心がけでございます、私も同じ気持ちです。きっと、国の全てのものが同じ気持ちであるに違いありません」
「そうであろう、そうであろう」
満足げに頷いて、王さまがもう一度西の窓の外に目を向けた時です。
森に立ち並ぶ木のうちの一本が、ゆっくりと倒れていきました。
「なんだ、あれは!?」
王さまは目を見開きます。
「私の美しい森が!」
「あれは、木こりが木を伐っているのです。木を売ることで糧を得て――」
「知った事ではない、美しい国を壊す者は、処刑してしまえ」
「いや、あれは」
「命令だ、兵士よ、あの木を伐った者を――」
「お待ち下さい!」
いつにない大臣の様子に、王さまは気圧されました。
「ど、どうして止めるのだ。そちは国が愛しくはないのか?」
「思い違いをなさいますな」
キッと、大臣は王さまを睨みます。
「その愛は、一所しか見えず、全てが見えぬ恋人の愛と同じ」
「なんと?」
「木々や草花、土や石が国なら、民もまた国でございます。木一本惜しさに、木こりを処刑し妻子を路頭に迷わせることが、国を愛する者のする事でしょうか?」
「そうか、そうであったか」
王さまははたと気付き、大きく頷きました。
別のある昼、王さまは今度は街を眺めていました。
すると、いつかの木こりの姿が目に留まりました。
「おうおう、余の民が穏やかに暮らしている」
「左様でございますな、王さま」
大臣も隣で木こりの様子を眺めます。
ひと仕事終えた木こりは、酒場で一杯飲んだらしく、千鳥足です。
あちらへふらり、こちらへふらりと歩くうちに、向かいから歩いて来る男にぶつかりました。
二人は口論になり、木こりは一発殴られて、逃げ帰りました。
「な! なんということだ! 余の民を! 即刻殴ったあの者を処刑し――」
「……王さま」
大臣に言われ、王さまはふと我に返ります。
「そ、そうであったな、殴った者もまた民、そう易々と処刑するべきではない」
「はい、流石は王さま、分かっていらっしゃいますな」
満足そうに大臣は笑います。
「もしも殺し合いや怪我があったというのならば、取り調べる必要もありましょうが、今のことだけではどちらの罪も問うべきではありません」
「うむ」
「これこそ、公正にして厳格な父の愛とも言えましょう」
夕暮れ時のその日、王さまは海を眺めていました。
「む、あれは」
水平線の辺りに、見慣れない小さな船がありました。
「大臣、これ、大臣!」
王さまの声に、大臣が呼び出されます。
「お呼びでございますか、王さま」
「あれはなんだ」
「む、あれは!」
大臣が顔色を変えます。
「誰か、誰かある! 密偵だ、捕らえよ!」
直ちに兵士が送られ、船に乗っていた隣国の密偵は捕らえられました。
「――この国に攻め込み、属国とするための下調べをしていました」
王さまの前に引き出された密偵は、観念してそう言いました。
「けしからん奴らだ、愛する余の国を攻め滅ぼそうとは!」
王さまは大変に怒ります。
「二度と再びそのような事を考えぬように、こちらから攻め滅ぼしてくれよう」
「しかし王さま、隣国の軍はとても強く、我らではかないませんぞ」
大臣は心配そうです。
「敵が強いからとて、子を捨て逃げる母あるか。母の如き愛で戦えば、一騎当千獅子奮迅、必ず最後に愛は勝つのだ」
王さまの意気に、大臣はそれ以上何も言いませんでした。
その日の夜には、王さまは、隣国に攻め込みました。
「斃せ、不逞の輩を一人も逃がすな!」
銀色に光る鎧を身に着けた王さまは、兵隊に命令を出します。
寝込みを襲われた隣国の兵士たちは、最初は戸惑いましたが、すぐさま落ち着いて反撃に出ました。
矢と石が飛び交い、槍で突き合い、剣や棍棒で殴り合います。
王さまの兵隊は、よく戦いましたが、次第に圧されて来ました。
城の間近まで隣国の兵隊は攻め入り、街に火が放たれます。
「なんということだ、余の愛する兵士がやられていく!」
「このままではなりませぬ、降参致しましょう」
大臣が言います。けれど、王さまは首を横にふりました。
「もしここで降参すれば、愛する我が国がなくなってしまうではないか!」
「しかし」
「兵士がいなければ、国民に戦わせれば良いのだ。愛する国を守るため、一丸となって戦うのだ!」
兵士ではない男、それから女、老人、子供が集められました。
そして、各々に武器が渡され、王さまの兵隊に組み込まれました。
隣国の兵士たちは、しばらく戦いましたが、ついに逃げ出しました。
「やったぞ、我らの勝ちだ!」
地平線から昇る朝日を、鎧姿の王さまは眺めます。
南に広がる海は血で染まり油の壺のよう、東の平原はすっかり焼き尽くされ茶色い土が見え、西の森の木々は戦いの火や櫓を作るためにすっかり切り倒され、北の山は戦の煙に隠され姿も見えません。
そして街の石畳は投げるのに使われ、レンガは灼き割れは、漆喰には無数の矢で剥がれ落ち、王さまの城の宝石は商人から武器を買うためにすっかりなくなっていました。
隣国の兵が引いたのはこのためでした。美しくなくなってしまった国に、どれほどの未練もなくなっていたのです。
「余の国は守られた」
しかし王さまは大変に嬉しく、誇らしげな顔をしていました。
「この国がどんな姿であろうと、余は余の国を愛する。神の愛のように、全てを愛せるのだ」
「はい、ご立派でございます」
片腕と片脚のなくなった大臣は頭を下げます。
「早速祝いの宴を開こう」
「祝い……で、ございますか? 食料庫も酒蔵も焼かれて」
「ならば、民から集めれば良い」
「し、しかし、民にもその余裕は」
「ははは、最愛のものの無事を祝うのに、出し惜しみをする者がいるものか」
丸一日かけて戻って来た大臣は、ひとつかみの麦も持っては来ませんでした。
「どうしたというのだ、民は喜んでおらんのか!」
驚き呆れながら、王さまは兵大臣に問います。
「おそれながら」
大臣は応えます。
「皆、悲しみに暮れております。一粒の麦も出しはしませんでした」
「国が守られたのだぞ、何故悲しむというのだ」
「肉親、知人の死や、自分自身の怪我を悲しんでいるのです」
「なんということだ、目の前のものしか見えぬのか。民の我が国への愛とは、恋人の愛の如く、狭いものであったか」
王さまはため息をついて、嘆きました。
「本当にこの国を愛しているのは、余だけであったとは!」
王さまの流した涙は、鎧に落ちました。
たった一つの刀傷も、一粒の泥も付いていない、ピカピカの鎧の上に落ちました。
エントリ3 ソーシャルメディアが好きな父母(後編) 笹井 淳一
翌日も香織ちゃんからメールが来ていた。香織ちゃんにどうやって私のメールアドレスを入手したか聞いてみたところ直ぐに返事が返って来た。私のアドレスを入手した経緯は次のようなものだった。
私が一昨日灯油を購入しに行ったとき灯油代金を支払った。その時、紙幣2枚を代金として渡したが、その2枚の紙幣の間に私の名刺が挟まっていたのだ。名刺には私のメールアドレスが印刷されており、それを見た香織ちゃんがメールを送って貰いたいからわざとに名刺を紙幣に挟めたと勘違いしてメールを送ったのだった。
それは勘違いであることをメールしたが、香織ちゃんには信じて貰えずメールは毎日続いた。1か月程経過したとき、あることに気づいた。それは、メールは毎日午前4時2分から8分の間に受信していたのである。香織ちゃんは随分早起きだなと思ったが、次の瞬間「もしかしたら毎日朝4時までソーシャルメディアを行っているのではないか。」と私は急に心配になった。「親子で会話をしているのだろうか。学校には行っているのだろうか、睡眠は十分なのだろうか。」私の心配は増すばかりだった。
メールも3か月目を迎えたが、返信は一度もしなかった。その日も朝メールをチェックした。しかし、香織ちゃんからメールは来ていなかった。私は香織ちゃんに何かが起こったと直感し、灯油屋に駆けつけた。部屋の中で香織ちゃんがぐったりとして寝込んでいた。「遅かったか。」私は呟いた。「なぜ、もっと早く来てあげれなかったのか、あれほど熱心にメールをしてくれた香織ちゃんになぜ、一度も返信しなかったのか。」私は後悔の念にかられた。私がソーシャルメディアに入ってさえすれば香織ちゃんはあんなに朝早くまで起きてメールなどしなくてもよかったのである。
ご主人に香織ちゃんの病状を聞いたところ、以外な答えが返ってきた。香織ちゃんは半年程前から新聞配達を始めた。その理由は来年修学旅行があるためその旅行費用を自分で稼ぐためであった。ここ2、3日寒い日が続いたので風邪を引いて、この日は新聞配達と学校を休んだとのことだった。私に朝4時にメールを送っていたのは、新聞配達に行く前にいつもソーシャルメディアを少しやっていたので、その時に私にメールを送っていたのだ。私に毎日メールを送っていた理由は、ソーシャルメディアに加入させるためではなかった。来年の修学旅行は北海道に行く予定なので、北海道出身の私から、北海道の話が聞きたくて毎日メールを送っていたのだ。
「お兄ちゃん、北海道の話して。北海道は大きいの、雪は降るの。」風邪で窶れた香織ちゃんが、かすれ声で私に話かけた。「北海道は大きいよ。道は広いし、平原は永遠に続いているよ。雪だって香織ちゃんの背よりも高い位積もるんだよ。」と私は応えた。「来年楽しみだな。」香織ちゃんが呟いた。「香織ちゃん、早く風邪を直して、来年は元気で修学旅行に行こう。」と香織ちゃんを諭した。すると「またメールしていい。」香織ちゃんは不安そうな表情だった。私は「勿論いいよ。今度は北海道の写真を送ってあげるよ。」と言った。香織ちゃんは笑顔で微笑んだ。
春が来た。朝メールをチェックすると必ず香織ちゃんからメールが届いている。受信時間はいつも朝4時である。香織ちゃんは今でも新聞配達をしているのだ。この健気な少女から私はとても多くの事を学ばせて貰った。私は東に昇る朝日を見ながら、香織ちゃんが修学旅行で満面の笑を浮かべる姿を想うのだった。(おわり)
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