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1 道化娘にナンマイダ  大森 柔さん
2   仏さん
3   有香さん
4 ワールドカップ  雨耳
5 ロスト  うめぼしさん
6 偽善  埜間夏太さん
7 南風吹く丘 君に逢う  オクムラ真保呂さん
8 天国とか地獄 麦茶さん
9 十年目の奇蹟 yoshiさん
10 雨の日の過ごし方   ニコさん
11 旅人   砂利道さん
12 肉じゃが   ナナキマキさん
13 野球   beebeeGirlさん
14 ボイジャー   佐藤ゆーきさん
15 Rock'n Roll Is Dead.   ABSOLUTE "AZ" ZERO
16 CROSS OF THORNS   戦国さん
17 彼女と思い出   穂積行人さん
18 影法師   越冬こあらさん
19 アジフライ   しょーじさん
20 住む世界が違う   むーみんさん
21 呼ばれる   小川千栄子さん
22 遠足   一之江さん 
23 同胞   鮭二さん
24 満月   DIPSYさん
25 病人対談   あきらさん
26 人魚姫   紅緋蒼紫さん
27 零和   Defaultさん
28 医療の発展   羽那沖権八さん
29  MarieとMariaとMaryと   赤井すいかさん
30 Magical Heat   川辻晶美さん
31 ストレス    太郎丸さん
32 小さな恋の物語    やまとさん
33 ニセモノ   逢澤透明さん
34 大阪ロボット芸人・おスミ   蛮人S
35 桜一日   更羽さん
36 ごみむし   俊さん
37 流れ星   竹村礼代さん
38 蛙   akohさん

1 道化娘にナンマイダ  大森 柔さん
 面白かったです。メロドラマと呼ぶには色恋が欠けているのですが、安物なテレビドラマということでしょうか。
 家が単なる個人の共同生活の場所になってしまったら、家族という関係も生活のシチュエーションのひとつに過ぎません。この三人の役者は、今回は家族ドラマでプレイしましたが、次週は学園ものかもしれないし、真実の悪をつらぬくラブリーチャーミーな敵役であっても不思議ではありません。そんな程度の意味となってしまった家族って。
 なお好みの問題ではありますが、「僕」の語りは「作り物の関係」であることを強調しすぎているように感じました。レベルとしてはもう少し寡黙でもよいと思います。


2 鉄  仏さん
「顔を黒くして働くのは美しく、教育熱心は人間的じゃない」という見え見えな図式の押しつけかとも考えましたが、結局、たまたま主人公にとってそういう形になっただけなのだと思われました。
 主人公の、工場街とそこの人へ思い入れは、機械工作現場、てゆーか金属とオイルの香りへの少々フェチっぽい愛情、そしてその中で働く青年個人への憧れに根ざしているのでしょう。これは純粋に恋愛の物語です。愛する街や人を否定しがちな者(彼ら)に対する純粋な反発なのだと思います。
 主人公自身、それを自覚していないためか、気恥ずかしいためか、社会構造的問題に置き換えようとしているように感じられました。キャラクターとしてはそこが愛らしいのですが。

3 雛  有香さん
 やはり最後は飛んで死んだんでしょうか。そうとしか読めないし。
 美しく死ぬためには、いろいろなものから目を逸らし、隠蔽せねばなりません。美しい死、またはそれを描く作品というのは、なんだか逆に人間の弱さを見せつけられているような気がします。文章や科白が美しいほどにそういう思いが強まります。ある意味、人間らしい作品なのかもしれませんが、私は、冷たい地面で潰れたまま作者に置き去りにされた雛子が気になって、眠れやしません。
 甘くも陰鬱な二人の時間への描写は効果をあげていると思います。でも、もし読者の琴線にまったく触れるところがなければ逆効果でしょう。
 私ですか? さて。


4 ワールドカップ  雨耳
 「家族その他」と「会社」の両軍から蹴り出されまくる主人公。そこには人としての尊厳など無い。ボールだもん。最初の方で「同僚の腕に」とあるので、一方は職場としましたが、どんなものでしょうか。
 ボールに尊厳はありませんが、ゲームを左右する存在ではあるらしく両軍とも必死に蹴りまくってくれるし、何といっても晴れのフランス決戦なのですから、まあそこが唯一救われているというものでしょう(どこがやねん)。
 好みの部類に入る作品ですし、上手だと思います。

5 ロスト  うめぼしさん


6 偽善  埜間夏太さん
 普段忘れていても、突然何かの弾みでしばしば蘇ってくる記憶というのはあります。主人公が離れられない空涙のフラッシュバックが、つまらない?恋愛のセリフの瞬間に割り込んでくる表現が良いです。最後はよく分かんない。記されてはいませんが、広恵の顔を見た時、彼女の感情が爆発したのかもしれません。涙のスイッチは、いくら引いても外れないのに、ささやかな一押しで開放されたりするし。ただ、そうしますと『しぼりだした』という言い回しが合いません。

7 南風吹く丘 君に逢う  オクムラ真保呂さん
 どこかに確かに存在するであろう、しかしまだ知らぬ恋人への想いが、切々と語られます(……ですよね?)。春の、あの独特の憂鬱を含んだ空気が、美しい流れで綴られていて、表現的には好みです。
 ただ、現実との接点;主人公の内面と、読者を含んだ他者との接点が、ほぼ全面にわたって見出せないポエムぅな構成は、読み手をかなり選ぶと思います。


8 天国とか地獄 麦茶さん


9 十年目の奇蹟 yoshiさん
 最初から最後まで、主人公が彼女に対して何の思い入れも無いまま終わってしまいました。そういう意味でドラマが無く、肩透かしをくらった感じです。ラストにしても、嘘をついた後ろめたさに過ぎません。
 しかし彼女の気持ちに思いを馳せると、何とも切ないものはあります。彼女、あるいは彼にしても良いですが、奇蹟を期待している方の視点で描くべきだったかと思われるのですが……
 どーでもいいけど、この男ぜったい永久モテねーな。

10 雨の日の過ごし方   ニコさん
 雨の中で動けない一日という象徴的状況の中で、抑えつけた望み、それをどうにもできないもどかしさ、それを理不尽ともいえる言動でしか表せない主人公の内面が、うまく描かれていると感じられました。
 なんてすんなり書ける私も、ずいぶん優しい人間です。雨の中待ちぼうけを食った男同様にね。主人公の身勝手と見える部分を、強く押し出し過ぎたきらいはあると思います。

11 旅人   砂利道さん
 古典的寓話を面白く味付けしています。よく知られた素材をいかに調理するかが見せ所ですが、意外な展開が楽しめました。
 馬鹿といえば、旅人も随分馬鹿です。風と太陽の横暴に抗議したければ、コートをすぐさま手放せば良かったのです(寒いけど)。馬鹿たちにノセられたおかげで地表はめちゃくちゃになってしまいました。三馬鹿を静観する月が、やはり勝者なのでしょうか。つまらない勝ち方ですが。
 いろいろ含みのある話だと思います。

12 肉じゃが   ナナキマキさん
「料理対決!」という図式で捉えれば、こういう形で母親と息子が対決する話はちょっと珍しい気がします。普通は偉大な父親と戦うものです。
 ……じゃなくて。
 母親の愛情、ひいては家庭そのものの象徴といえる「肉じゃが」にこだわる姿を通して、主人公の母性からの自立心、そして限界。まあ前向きではあるので、好感の持てる主人公だと思います。
 もっとも息子に肉じゃがだけで定義される母親も、ちょっと可哀想です。やはり肉じゃが対決、といった趣が強すぎるように感じられました。

13 野球   beebeeGirlさん
 生活に関わりないことには関心がない。どうも、それ以上読みとれません。それは日常における一つの発見ではありますが、題材としてはあまりに「微熱」です。
 ただ、そこが魅力かもしれません。人生どうのとか、生きるの死ぬのとか、そんな作品ばかりでもいい加減疲れて来ますし、肩に力が無いってゆーか、開き直っているってゆーか、妙に味わいのある作品ではあります。
 エッセイじゃないのって気もするけど。

14 ボイジャー   佐藤ゆーきさん
 はっきりとSFらしい設定で書かれた作品は稀少ですね。
 内容としては、『手紙を付けて飛ばしたはずの風船が、ある日庭にしぼんで落ちていた』という話で書いても良い。ただ、この作品では、確かに宇宙の果てへ飛び立っていった筈の舟が、目の前に落ちている虚しさ、互いに知らぬ者同士を引き逢わせたにもかかわらず人類の孤独という絶対的悲しみからは逃れられなかった寂しさを、SFの手法を持ち込むことによって表現可能にしています。
 まあ一般には、風船が庭に落ちてる話の方が効果的かもしれませんけれど。
 なお、ボイジャー1号の速度では、ケンタウルス座αまで直行したとしても7万5千年くらい要するみたいです。逆算しますと人類が地球を旅立ったのは、現代からすでに3万5千年以上後になってしまいますが、こんな指摘をする奴は嫌われます。


15  Rock'n Roll Is Dead.   ABSOLUTE "AZ" ZERO
 愛する音楽に包まれて死ぬ姿を目の当たりにした彼は、気づいてしまった自分の欲求に抗えなかったのでしょう。てゆーか彼女の方は、歌ってる人間のほうを愛してたようですが。
 二度と彼の歌が聞けなくなったファンにとっては裏切りといえる死に方です。音楽会社にとっても背信でしょう。でも、ファンと自身との欲求のせめぎあい、さらには表現者としての自分と商業的要求との対立は、アーティストならロックミュージシャンならずともいずれ対峙する問題でしょう。彼は自分に忠実だったわけですね。


16 CROSS OF THORNS   戦国さん
 いろいろと悪事を重ねる中で見えてくるものも、あるのかも知れません。私は善人だからわかりませんが? 果たして「教祖」は救済されたのでしょうか。
 大仰でやや外し気味なレトリックと、あまり意味を感じさせない物語の進行は、作品自体を寝覚めの悪い夢のようにしています。あるいはそういう意味においては成功していると言えます。


17 彼女と思い出   穂積行人さん
 恋人の突然の死を受け入れ難く、思い出の中をさまよっている主人公の姿が悲しいです。私としては、彼女の姿は主人公の心の産物であると解釈しました。ならば、彼が恐れるのは心の中の彼女まで失ってしまうことなのかもしれません。
 ところどころ句点を落としているのが効果を与えていると思いました。『……』とかあまり濫用すると、なんだかクールじゃないですよね。


18  影法師   越冬こあらさん


19  アジフライ   しょーじさん
 全然アジフライとは似てない気もしますが、「基底状態」でつまみ上げればそう見えなくも無いでしょうか。
 でも、そこがこの作品のうまいところのようにも感じます。つまりアジフライという例えが、あまりまともな形容になってないということ。そして食欲と肉欲という、おそらくはあまり両立しない二つの情動を重ね合わせていること。
 これらの効果によって、割とミもフタもない表現であるにもかかわらず、ワイセツ感に乏しい作品に仕上がっています(誉めてるのだろうか)。
 ただ、変態感には満ち満ちていますけれど。欲を言えばマヨネーズソースとかつけて欲しかった。


20 住む世界が違う   むーみんさん
 「あっちの世界」の話なのか「こっちの世界」なのか、よく分かりませんでした。中盤は、日常と隣り合わせだったにもかかわらずテレビの中の他人事だと信じていた「人の闇」との接触ですが、序盤と終盤からはオカルティックな印象ばかりを受けました。両者を結びつけて語るには少々無理があったように思えます。
 全体としては「あっち」が色濃いのですが。

21  呼ばれる   小川千栄子さん
 主人公を責めるのは誰なのでしょう。特に記述がないので、主人公の罪悪感が人格化したものかと思ったのですが、罪を問う心を別人格に追いやるのは、故意でないにしろ傍から見ると逃避に思えてしまいます。もちろん罪を責める心もまた主人公の精神なのですが、こうすっかり別人格になってしまうと主人公が一方的な被害者ぶっているようで、なんだか全ての責任を放棄したまま死んじまったなあという印象を持ってしまいました。
 生理的にクる描写は、きっと好き嫌いあるのでしょうが、私は良いと思います。

22  遠足   一之江さん 
 日常というのはごみを溜める日々の事なのかもしれません。でも日常なのに、それが平常なのに、胸にごみなんて溜まっていくのはおかしいですよね。若い頃は溜まるごみなんて無かった気がするのですが。
 おそらくはいい年をしたオバサンが、あたかも偶然を重ねたような朝の逢瀬を楽しみにしている様は、気持ち悪いと思われて然るべきかもしれません。でも、秘めたベクトルの一つくらい心に無いと、まあ恋でなくてもよいかも知れませんが、人間、サビついた粗大ゴミになってしまいます。これも世の中のためです。

23  同胞   鮭二さん
 真面目な王東順、実直な王東順、誠実な王東順、いいひと王東順、あの王東順がシューマイ盗み食い犯人だったなんて、きっと深い悩み事でもあったに決まってる。なぜなら、彼はワントンシュンなんだから。
 なんとなく割り切れないものを微妙に残したまま、ドラマは終わってしまいます。どこまで意図したものかわかりませんが、この、調和の中の仄かな不快、苦みは、この方の多くの作品に共通する魅力だと思います。
 たまにはタガを外した馬鹿力技が見たい気もしますが。


24  満月   DIPSYさん
 なんだか物凄い主人公です。自責の念とか、いや、あらゆる感情が欠損しているうえに、論理さえ都合よく歪めてしまう、アクロバティックな精神構造。この調子のまま生涯を終え、地獄に落ちても血の池の底から天を見上げつつ『……のせいかもしれないな』とニヒルに笑っていていただきたい。
 魅惑的なキャラクターです。とにかく人間、半端じゃない方が良いということですね(あくまで小説の中では)。

25  病人対談   あきらさん


26  人魚姫   紅緋蒼紫さん


27  零和   Defaultさん
 理屈としては納得できる話だと思います。そこが、いま一歩という印象を与えます。同じ仕事に関わりながら、神父は納得できない部分があるようにうかがわれますが、その思いこそ、作者が提示したかった事ではないのでしょうか。なぜ神父を語り手にしなかったのでしょうか。
 この神父のポジションは絶妙です。描ききるのは難しいとは思いますが……
 

28  医療の発展   羽那沖権八さん
 人以外からの移植と言えばヒヒの心臓を移植した例が思い出されます。成功とは言い難かったと記憶します。「そこまでするか?」というのが率直な気持ちでした。
 さて豚からの異種間臓器移植は、ここに描かれているとおりに研究中らしく、実用化されれば多くの人命を救い、多分喜ばれると思います。一部のヤミ移植臓器が人身売買や殺人によって供給されている(らしい)現実を思えば、急いで完成させたい技術です。
 などと書くと、この作品のようにギャグにするのは不謹慎きわまりないという印象をうけるのですが、作者の意図は別な方を向いているように思います。すなわち、人の延命のためには他の生物を改造し、解体して部品として使ってしまうような科学技術に対するからかいなのでしょう。
 というわけで、この作品はそう悪いとも思わないのですが、しかしわざわざ難しい土俵に上がることもない、そうとも思うのです。

29  MarieとMariaとMaryと   赤井すいかさん
30  Magical Heat   川辻晶美さん
 初対面の人間に対していきなり発情してしまう精神構造が私には理解できないのですが、かの国に私が行ったことないから分からないだけなのかもしれません。彼女はきっと、男でなく南国の熱い風に抱かれたのでしょう。私もコモドドラゴンの交尾とか見たら、来るものがあるかもしれません。
 どうも主人公に関して(私からすれば)好色な印象が先にたつのは、欲望の描写を優先させ過ぎた結果ではないでしょうか。例えばケチャの場面を先行させ、主人公を一瞬に魅了した『Magical Heat』のイメージを前に出せば、説得力も増すかなと思ったのですが、いかがなものでしょうか。


31  ストレス    太郎丸さん
 主人公がストレスを実際に発散させるかどうかで随分印象が変わると思いますが、この作品では何もしないまま終わっています。妄想の中の制裁も、そう現実離れしないレベルですし、包丁ばかりでバリエーションにも乏しい。それがひょっとして、この善良そうな主人公の限界なのかなあ、と思うとひどくおかしく、かつうら淋しいものがあります。そんなリアリティが魅力です。
 でももう少し暴走しても良かった気もします。いや、私ならミナゴロシだ(爆)。


32 小さな恋の物語    やまとさん
 意外に思われるかも知れませんが、後味の悪い話です。石里の行為が報われそうにないからです。
 タイトルからしても、ファンタジーラブロマンスとして読まれるべきなのだと思います。現実的な目でみれば、石里は不器用に酔ったまま一生を終えそうだし、例え告白しても彼女にとってつらいだけかも知れない。そもそも設定が怪しい。でもファンタジーならば、そういうものを吹っ切る力をもったご都合主義をもって、愛は必ず報われるに違いありません。そういう結末に向かう雰囲気はあるのですが、中途半端にリアリティを引きずっているために、不幸な現実の想像が夢から目覚めさせてしまうのです。作者は決して石里の報われない生涯が描きたかったわけではないと思うのですが。

33  ニセモノ   逢澤透明さん
 こんなの書こうと思ってたんですが先を越されたようです。一年くらいしたら書こうっと。書けないかも。
 周囲と自分との関連づけは、自分では定義できない事もあります。「私って本当にあなたの親友なの?」なんて相手が決めることです。親子兄弟の絆というのは、もう少し相互的なものだと思いますが、なんらかの理由か、時の流れのせいか、主人公には物的な記憶しか残っていないようです。写真とか。そういったモノでしか示せなくなった自分のルーツの不安定さ、その事実を一通のメールごときで突きつけられる恐怖。
 ほんとうは、なんの心配もいらないはずなのです。たとえ写真の子供と自分が別人であったとしても、自分の中に家族として育った思い出があれば、あなたはホンモノなのです。もしあなたがニセモノだったなら、写真は単にそれを示しただけであり、それは写真のせいでも送り手のせいでもないのです。しかも今後ともあなたは困らないはずです。


34  大阪ロボット芸人・おスミ   蛮人S


35 桜一日   更羽さん


36  ごみむし   俊さん


37  流れ星   竹村礼代さん
 序盤、病気の苦しみよりは、『11年も外に出られず可哀想』という印象が強いので、『死にたい』に直結していません。病状については『気が狂うような激痛』とだけありますが、そこをもっとアピールすべきでしょう(あざといね)。
 自殺願望が今ひとつ実感できないままなので、後段もあまり盛り上がりません。加えて、流れ星なんて儚い光が一瞬落ちるだけですから、それは美しいものではありますが、絶望した子にひと目で生きる望みを与える役としては、私には弱い印象しか持てません。

 でも根本の問題は、実は読み手にあるのです。
 多分私は、「僕はこんなにつらいけど、負けたくないんだ」と一人称で語りかけてくれる主人公の健気さに、ひねくれた反感を抱いているのだと思います。それは実際、ずいぶんな言いがかりなのですが、世の中、実はひねくれた人のほうがずっと多いような気がする。
 もうひとり人物を出して、客観的な言葉で語らせた方が受け入れられやすいかもしれません。


38  蛙   akohさん



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 著作者   蛮人S   mail:banjin-s@gorakken.net