無鉄砲久美子の飛翔
「いったいどこまで」「いったいどこまで」
「飛んでいくのかしら」「飛んでいくのかしら」
(でも、この爽快感ときたら!)
空を飛びたいと思った。
私は思ったことは直ちに実践するほうなので、読んでいた雑誌のページをぴりりと
破くと早速紙飛行機を折る。私は薄ぺらな翼に腰掛け、青空に向けて投げた。が、ふ
と見ると投げる係だったはずの私がなぜか隣に座っていた。
「なんであんたがここにいるのよ」
「なんであんたがここにいるのよ」
「誰が飛行機を拾ってくれるのよ」
「誰が飛行機を拾ってくれるのよ」
「何だか風が出てきたわ」
「何だか風が出てきたわ」
それにしても。
この爽快感ときたら!
まるでナイアガラの滝の飛沫を縫って飛び回るような、それともたるい会議を抜け
出したいなーと思ったとたん南洋のプライベートビーチを駆けていたような、この清
々しいビジュアルは。
「あ、そうか」
「あ、そうか」
そりゃ雑誌からむしり取ったメンソール煙草の広告。私達は抱き合って笑いあった。
「はは、ははは」
あんた可笑しすぎ。「はは、ははは」
どこまでも爽やかな空を舞い、限りなく鮮やかな虹をくぐり、やがて滝壺は眼前に
広がっていく。
「さて!」「さて!」
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