劇場版ポケットモンスタ−
幻のポケモンルギア爆誕/ピカチュウたんけんたい
ピカチュウたんけんたい ――台詞無用な俺達
『ルギア爆誕』が先だと思いこんでいたら、いきなりこちらが始まって面食らう。
主役はポケモンたちで、人間はほとんど登場しない。だから「ぴかあ」とか「だねえ」とか言うばかりでまともなセリフがちっとも無い。どんな台本なんだろう。唯一人語を操るバケネコポケモンは、なんか木の枝で宙吊りにされっぱなしだし、これで物語が成立するんだろうかとちょっと不安になったものの、そこはさすが芸達者なポケモンたちがシンプルなストーリーを愛らしく大熱演。登場するたびに笑いを取っていたコダックに密かな脅威を感じた(なんでやねん)。
となればむしろ邪魔に思えるのは、さとう珠緒のナレーションで、親しみやすい語り口調であるが、いかんせん「嵐がやってきたわ!」「大変、タマタマの巣が飛ばされそうよ」とか、見れば判ることしか言わない。ついつい「幼児をナメたらあかんでぇ」なんて思ってしまった。
ただ、考えてみればこれはまるっきり幼稚園の演劇発表会のスタイルだ。この作品はピカチュウたちの発表会であり、観客はみなポケモン幼稚園の園児(あるいは保護者)となって舞台を見ていると思えば何の違和感もないわけだニャー!
タマタマの巣を守ろうと、森のポケモンたちが次々集まる場面は結構盛り上がる。力自慢のポケモンはもう少し個性を発揮して欲しかったかなあ。
幻のポケモンルギア爆誕 ――特技監督円谷英二(嘘)
南の島の石碑に刻まれた伝説は、火・雷・氷の三つの神の出現と世界の破滅を予言していた。コレクターの鹿賀丈史は火の神と呼ばれるモンスターを捕獲。世界はバランスを失い異常気象に見まわれる中、やがて暴れ出し死闘を繰り広げる三体のモンスター。地球が危ない! そこに伝説の守護神ルギアが現れた。しかし世界を救うには、偉大な使い手の力が必要なのだ……
とまあ、まるで怪獣映画の王道を行くようなストーリー、ゴジラやモスラはいつ出てくるかと思ったよ。スタッフも楽しんでいるのだろうか、雷神サンダーがサトシたちに襲いかかる場面なんて明らかにキングギドラを意識しているとしか思えない。音楽まで、そこだけ伊福部昭もどきだった(でもモチーフはラドンのテーマだったけど)。少なくとも私にはそう感じたよん。
はからずも地球の運命を背負ってしまったサトシくんは終始とまどいっぱなし。まあ本人も言ってる通り、本来彼はポケモンマスターを目指す一少年に過ぎないのだから仕方ない。それに対してロケット団は、サトシくんを大人の余裕でナイスサポート。何せ「世界の平和」がかかってるもんなあ。で、用が済んだらにっこり笑って死んでいく。いや、死なないけど、覚悟はしていた。その姿は涙ものですぜ。最後はサトシが締めて目出度し目出度しというわけだな。
CGは結構売りにしてるみたいだったけど、鹿賀丈史のプロペラ要塞は丁寧に作られているものの普通のレンダリングで、リアルな存在感はあまり無かった。それよりルギアが潜む海中のシーンが鮮烈で、暗い深海の奥から泡立つ映像が劇場の闇と一体化し、本当に海の底を覗き込んでいるようで素晴らしかった。これはテレビでは絶対に味わえない醍醐味で、子供達も一様に息を飲んでいるのが感じられた。
んーと、で鹿賀丈史だけど、観に行く前になぜか『オカマ言葉の敵役』と聞いていたのでなんか強烈なキャラを期待してたけど普通の不良中年でガッカリ。どーでもいいけど。
もっとどーでもよかったのはエンディングで流れるアムロが歌うコムロの曲。私にはオープニングの曲の方が百倍良かったように思えたけれど。
最後に一つ。ヤドキング(by浜ちゃん)のデザインはほとんど藤子F不二夫の世界じゃ。
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