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第12回チャンピオンofチャンピオンバトル詩人部門 Entry2

蝉の日




あれは高校の一年だったか二年だったか
同世代の選手たちがハツラツとプレイしている夏の甲子園のテレビを
クーラーの効いた部屋で横目で見ながら
エロ本でせっせとオナニーをして
ごていねえに何をネタにしてオナニーをしたかなんて事を
オレンジ色の表紙のキャンパスノートに
毎日毎日書き込んでいた


その頃から
行方不明という言葉に
ぼんやりと憧れを抱きはじめた




同じクラスの無階君が
日曜学校で通っている教会の礼拝堂に
小便をまきちらして停学になった

幼稚なその行為に
侮蔑と
やはりある種の憧れを感じ
何も出来ない自分に焦っていた

俺は自殺でもなく家出でもなく
失踪に似ているが意志を感じない
行方不明というものになりたかった

(無階は19才の時自殺した)


2008年夏の日

甲子園球児のような坊主頭にしてみた
クソ似合わねえ 
バカな事をしたな

去年会社の屋上でふざけていて
頭を非常階段にぶつけて出来た傷がまだ残ってやがった

最近蝉を踏みつぶすのが
好きになった



行方不明にはもうあこがれて
いないし
今年酒もタバコもやめた

どこに向かっているんだかは
まるでわからない

むしろ記憶喪失になりたいのだ

自殺でも失踪でも
行方不明でもない

記憶喪失に

アナログ放送が地デジになる頃までには
なんとか





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