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1000字小説バトル 2nd Stage
チャンプ作品
『モンペさん』ごんぱち
「ちょっと先生! うちの子のテストの点数が三点って何よ! どれだけ落ち込んでると思ってるのよ! 慰謝料払いなさいよ!」
「……あの、採点ミスでもありましたか?」
「そんな話をしてるんじゃないわよ、百点満点のテストで三点を付けるっていう事は、百点取った子の三分の一ぐらいしか価値がないって言ってるのと一緒でしょう? これが建太の心の傷になったらどうするの!」
「ですが、問題を間違えて、その結果として三点なのですが」
「ふざけんじゃないわよ、この問題なんか見てみなさいよ」
「はあ、9−3=5……答えは6ですから、間違いですよね」
「その四角四面の答えは何よ、そんな発想で子供を育てられると思ってるの? 5と6なんてたった1の違いじゃない、そんなものに拘って子供の心に傷を付けて良いとでも思ってんの!?」
「はあ、1ぐらいの違いはどうって事はない、と」
「当たり前でしょ、そんなのも分からないの?」
「確かお宅は子だくさんでしたね」
「五〇〇人いるけど何か?」
「偶然この職員室に全員来てる訳ですが」
「あら本当、気付かなかったわ」
「偶然持っていたコルト・パイソンのコブラカスタム、別名宇宙一強力な銃、その威力は小型ミサイルに匹敵するアレで一人、ちょっと撃ってみますね」
「あっ! 何するのよ! 木っ端微塵になっちゃったじゃない!」
「ははは、残り四九九人も子がいるのだから良いではないか」
「代わりになる訳ないでしょう! 返して、返して! 生き返らせて! 今すぐ返して!」
「お前は五〇〇人の子がありながら、たった一人にこれ程心を動かす、まして、6から5になったら如何ばかりかな?」
「は――あなたは、お釈迦様!?」
「数字の違いは1でも非常に大きい事が分かったろう。はっきりした答えのない現実の中にあってはむしろ、はっきりした答えが出る方が貴重なのだ。子供の柔らかな心にとって、その小さな成功体験、小さな達成感の積み重ねは世界への興味と己への自信を育てる、それが学校における教育、勉学の道しるべなのだ」
「……わ、私が、間違っておりました」
「うむ、この教え、ゆめゆめ忘れるでないぞ」
「はい……」

「……あの、お釈迦様」
「なんだ?」
「殺した子供のフォローは?」
「ああ、大丈夫。きちんと転生させて次の子の魂と差し替えておいた」
「あの子、七歳だったんですけど、養育費は……」
「あれ、こんなところにM61、製品名バルカンが」
「……何でもないです」

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