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1000字小説バトル 3rd Stage
チャンプ作品
『対話体ショート小説集「甘い店長」』石本レオ
対話体小説とは、カギカッコで括られる会話文のみによって成立する小説である。

『甘い店長』
「すいません! 遅刻して」
「いいよ、いいよ。たった3分だから」
「すいません! 食器壊して」
「いいよ、いいよ。中国産の安物だから」
「すいません! 客にスープをぶっ掛けて」
「いいよ、いいよ。全部僕が悪いんだ。僕は、バカでアホでドジでクソ野郎で……、人間のクズですから」
「あっ、僕、ここ辞めます……」

『辛い医者』
「虫歯が悪化したみたいなんです」
「はぁ? 薬塗っとけバカ!」
「虫歯が痛いです」
「どんだけ虫歯治したいの? 俺は、外科医だバカ野郎!」
「急患です。大動脈に異常有り。すぐにオペを開始してください」
「あのね、今ボイチャしてるから話かけないで」
「本当に世界的権威なのか……」

『苦い探偵』
「犯人はあなたですね!」
「……いえ、違います。あなたと行動を共にしたでしょう?」
「あ、失礼。なら犯人はあなたですね!」
「……いえ、違います。私には完璧なアリバイがあります」
「確かに。いや失礼しました。最後に残ったあなたが犯人で確定ですね」
「……いえ、ありえません。私はあなたと一夜を過ごしたのですから」
「……それは、言わない約束だったのに……」

『酸っぱい果物』
「これは、ミカンです」
「甘い、甘い、甘い、酸っぱい。あ、ちっちゃいやつだ」
「これは、ブドウです」
「甘い、甘い、甘い、酸っぱい。あ、種入ってない」
「これは、メロンです」
「甘い、甘い、甘い、酸っぱい。あ、おいしい……」
「どうやらあなたの味覚に異常はなさそうです」

『何なんだ!』
「何これ! ポストが……青い!」
「まるでド○えもんみたいだ」
「何これ! テレビが……厚い!」
「ん? ブラウン管のことか?」
「何これ! ズボンが……汚い!」
「そんなこと知ったこっちゃ……」
「何これ! タオルが……臭い!」
「誰が俺のタオルを……」
「何これ! ビールが……温い!」
「こんなもん飲めるか!」
「あの、さっきから何なんですか?」
「え?」

『地震被災者の皆様へ』
「このたびの地震により被害を受けられた皆様に謹んでお見舞い申し上げます」
「一日も早く復旧されますよう心からお祈り申し上げます」
「私たちにできること」
「募金、節電」
『死者行方不明者が数万人にも上るこの惨事を風化させてはいけません』
「忘れないでこの地震」
「忘れないよこの地震」
「日本が一つとなり、互いに助け合う」
「地震が自信へと変わるとき」







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