第70回詩人バトル結果

おめでとうございます!

大覚アキラさんの「表面張力」がチャンピオンに決定です。

エントリ 作品 作者 得票
11 表面張力 大覚アキラ 4
8 虞美人草 葉月みか 3
7 シュレディンガーの猫はカツオブシの妄想に耽るか? トノモトショウ 2
16 花園 ぶるぶる☆どっぐちゃん 2
3 青鷺 カフカ 1
4 a man 有機機械 1
5 駝色の黄昏 いとう 1
6 1+1わたし成分 Y(檸檬) 1
13 手に、時雨 ながしろばんり 1


感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……
掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。



 推薦作品と感想


■表面張力  大覚アキラさん
 
感想:一読後は、そつがなさすぎるような気がして他の作品に投票しようと思っていたのですが「表面張力」という言葉が妙に頭に残ったのでこの作品にしました。
投票者:このバトルへの参加作者



感想:しがみついています。
どうにかこうにか、落ちてしまうんじゃないかという危機感と、常に戦いながら。
投票者:このバトルへの参加作者



感想:大覚アキラ氏の「表面張力」に票を投じます。

大覚さんとは詩への考え方がかなり違い、2004年当時予定されていた発行物にも、わたしが対談していた記事は分けるという判断をくだされるほどでした。その後対談のお相手だった植木さんと謎の会話中断、スパムメールの襲来と忘年会への不参加、詩というものは男女の方法論を描いたものであるという強制観念にとりつかれたりと、個人的にかなり混乱・自我が分解した状況の一旦を、大覚さんにはQBOOKSに投稿をやめる寸前まで見ていただいていました。その後かなりごめいわくをもおかけしたのですが。
現在も状況がすっかりおちついたわけではなく、各所にあるすべてサイトや詩や日記などを、いまはいとうさんがご存知です。詩について考えることと、わたしにとっての詩が自我をつなぐものであり、書くことがやめられないにもかかわらず、たのしんで書く、といった創作の段階ではまったくない中、詩への考え方が全く違うにもかかわらず不思議と詩につかう言葉が似ていたり(表面張力という言葉をつかった詩をわたしも描き2006.7にぽえ。に投稿しています)で、一時期、大覚さんの詩が生きることへの指標になったように、大覚さんの詩の言葉の説得力の前においては、やはりファンでありたいと今回再認識いたしました。
過去にはかなりのバトルに参加し、全然仕事などではありませんが、QBOOKSが盛り上がることをとても楽しんでいました。けれど現在は諸々の状況で、わたし個人として詩でバトルするという形式にとても参加できる状況にないことが、今回投稿してみてよくわかり、再登録・投稿をしたのですが、一旦、今回で参加を中止しようとかんがえています。
植木氏およびQBOOKSを紹介していただきました空人氏、過去になかよくしていただいていたQBOOKS作者・詩人方々ならびにスタッフの方々と疎遠およびメールなどでお話もできないのですが、作品を削除して無言でいなくなった前回を教訓に、今回は感想にて個人的な報告をさせていただきました。

詩で競うということからは外れますが、これからもわたしも詩をつづけたいと思っているし、詩を読むことは、変わらずつづけていきたいと思っています。(Y(檸檬))

投票者:このバトルへの参加作者



感想:今生きているこの瞬間も
表面張力のように危ういものなのか
と考えさせられました。

投票者:このバトルへの参加作者


■虞美人草  葉月みかさん
 
感想:今回は面白い作品が多かったが、多少の物足りなさを感じなくもない。例えば、双「貴方の残した魂を」は、母が身篭った子を無理やりに掻き出すというシチュエーションの狂気と、その裏側の母性が上手く描かれてはいるが、全体的な文章力の乏しさと展開の杜撰さが見えてくる。いとう「駝色の黄昏」の視点も面白く、感情を排した詩的スケッチが心地良く響いてくるが、現代詩的なくどさがある。ヨケマキル「この夜のために」は独特な世界観のファンタジーだが、決定的にエピソードが足りない。空人「ブルーノの白い歯」は長編詩あるいは短編〜中編の小説くらいのボリュームで、二人の交流やブラジルという土地の描写がもっとあれば奥深い作品になると思う。それぞれ個性的な世界があるのに、何かしら足りない部分があって、選びたいけど選べない作品が多かった。その中で葉月みか「虞美人草」が特別に秀でていたとまでは言わないが、女性らしい感情がいくつかの言葉の連なりの中で綺麗に表出しているように感じた。これもやはり前半は小説的なストーリー展開が似合うように思ったが、最終連の吐露が詩としての形を保っているような気がする。口調がもう少し整っていれば雰囲気が出たかなあと思う。
投票者:このバトルへの参加作者



感想:ドライなようなウェットなような。
物事や人の内面の多面性、複雑さを感じさせながらうまくまとまっていて好きになりました。
投票者:このバトルへの参加作者



感想:正直なところ、もう少し磨きをかけてやれば、もっと輝きを放つような気はする。だが、そう思う反面、これはこの状態が完成形である、そんな風にも思える。
人間は意外なほどに、自分の人生に対して投げやりになることはできないものであって、だからこそ、こういう破滅的な生き方を描いた作品に心を動かされたりするのだろう。
投票者:このバトルへの参加作者


■シュレディンガーの猫はカツオブシの妄想に耽るか?  トノモトショウさん
 
感想:語感というか、リズムがとても良くてステキでした。

投票者:このバトルへの参加作者



感想:首が少し変な方向に曲がっている三毛猫「アイスピック」が好みです。
カツオブシも好みです。
投票者:その他のQBOOKS参加作者


■花園  ぶるぶる☆どっぐちゃんさん
 
感想: 例えばクレオパトラ「的」だったりブルータス「的」だったりするものが今の新宿にいるのかどうか、という話。もとい、「クレオパトラ」「ブルータス」的なものが新宿という場所に存在しないがために、存在を仮定することによって生まれる次元の切れ目みたいなもの、を、考えたりなんだりするわけですが、それゆえに、ベルリンの壁も、新宿の、花園に、登場してしまったのではないかと。
 なんかそんなことをつらつらと考えつつ、きっと作者は「わー違う違う」なんてなことを思うのでしょう。読んで。この感想票を。

 あとは全体的になんかこう、ベニヤの個室でなんかごそごそやっているみたいで、この季節には、少々寒々しい感じでした。自作含めて。(M)
投票者:このバトルへの参加作者



感想:中盤が詩になってたので。
投票者:このバトルへの参加作者


■青鷺  カフカさん
 
感想:最後の一文が好きです。
ストーリー性があって、それが切ないのがいいです。
投票者:このバトルへの参加作者


■a man  有機機械さん
 
感想:今回はこれです。昔から有機機械さんの詩にはよく投票しているんですが、
今回もなんだか心に引っかかるものがあるんです。それはとても大事なことなので1票。
大覚アキラさん、葉月みかさんの作品も好きで最後まで迷いましたが今回はお許しください。
投票者:このバトルへの参加作者


■駝色の黄昏  いとうさん
 
感想:題材が題材だけに正直、胸焼けを起こしそうな感情もあったが
それでも、強烈なインパクトを残す作品に仕上がっている点は
素晴らしい。作風を際立たせているのは題材ということも含め
強いセンスを感じる。
自分のやりたいこととほぼ同じだという点でも、共感できた。
投票者:その他のQBOOKS参加作者


■1+1わたし成分  Y(檸檬)さん
 
感想:好きかといえばそうでは無い詩だけれど、単純に技術比べをするならまず一位だと感じます。今回は好きな感じの詩はありませんでした。
投票者:このバトルへの参加作者


■手に、時雨  ながしろばんりさん
 
感想:ヨケさんの『この夜のために』と悩みましたが、
今回はながしろさんに投票します。

今回の作品群の中で、唯一ホッとできる詩でした。
読んでいていろいろな意味で「辛い」作品が多かったので、
この詩があって本当に良かった。

年明けのバトルに期待します。
投票者:このバトルへの参加作者


(御一方から2票届きましたので、先に届いた以下の票が無効となりました)

■さあ、メールを書こう。そう、思い立って、携帯をとりだしたんだ。ディスプレイを眺めて、いま、君に伝えたい言葉に指が踊る。でも、ボタンを飛び跳ねる指が、ふと、とまった。  沙汰さん
 
感想:そうなんだよね。