QBOOKSトップ

第98回詩人バトル

エントリ作品作者文字数
1コミュニケーション蒼ノ下雷太郎343
2チキンの宣戦布告RISE243
3デジタルオメガ96
4淡い緑色の朝450
5チーク、チーク、ミシェルわいさん433
6考察〈理科室にて〉Tsu-Yo145
7スター大覚アキラ159
8ぽむぅうん空人207
9植木141
10新着メール1件あります。ゆた香99




 


 ■バトル結果発表
 ※投票受付は終了しました。



詩人バトル読書会
詩人バトルの感想・批評用掲示板。投票の参考にもどうぞ。
※QBOOKSのコンテンツではありません。



掲載ミス、送信時の文字化けなどございましたらご連絡ください。
その他のバトル開始後の訂正・修正は受け付けません。
あなたが選ぶチャンピオン。お気に入りの1作品に感想票をプレゼントしましょう。

それぞれの作品の最後にある「感想箱へ」ボタンを押すと、
その作品への投票ページに進みます (Java-script機能使用) 。
ブラウザの種類や設定によっては、ボタンがお使いになれません。
その場合はこちらから投票ください
感想箱




エントリ1  コミュニケーション    蒼ノ下雷太郎


 帽子は剥ぎ取られ
 隠し事は誰かに知られた

 心の中に秘密があるなら
 それを教えることが本当の関係になりえるのか
 だとすれば、一瞬でも疑いの火が灯るなら
 彼らと永遠に本当の関係になりえないのか

 この心が燃えてしまえば、どれほどラクか
 けれど心は燃えず
 燃えたのは蝶の羽根
 バタフライは空に帰り
 心は今もここにある

 たった一つの動作が問題を起こさないように

 心はいつも平静を保つ
 いつも風向きは自由で
 何をする気か分からない
 空は見上げるだけじゃなく
 ここにもあるということを
 今も昔も、人間は知っている

 この人を殺したいと思った
 だけど、愛してみたいとも思った

 どれが嘘でどれが本当か
 決めるのはあくまでその人次第
 だったら、帽子は被ったままでいい
 きっといつか、自然に風がさらってくれる





エントリ2  チキンの宣戦布告    RISE


世渡り下手な子供です
ごまかして生きるのが嫌いなだけです
簡単な事をわざわざ難しく比喩するのが
無意味におもえて
無意味におもえて
無意味におもえて
無意味におもえて・・・

確かにロマンチックだけども
人々はみなロマンチストだけども
自分は下手だから
もう下手なのは十分に知っているから
下手なら下手なりに

下手な魔法を言葉にたくした

すごい人々に囲まれて
自分を信じきれないままで
みんなに宣戦布告したい
おくびょうな自尊心のもとに
赤旗かかげて
いつかあなたたちのところまでたどり着いて見せるから
必ずそこまで行くからと






エントリ3  デジタル    オメガ


010 0100
101 1101
011 0011
010 0100

010 0100
011 1011
111 0111
100 1001

010 0100
000 0001
100 1100
010 0010





エントリ4  淡い緑色の朝
    百


透明水彩絵の具のような淡い緑色の朝
僕は散歩に出かけた

僕はアクリル絵の具で塗りつぶすような絵を描く
人工的な光を塗りこめるかのように
時間という深海に潜っていくように
夜に描く

アクリル絵の具にどっぷり漬かっている僕は
透明水彩絵の具の塗り重ねた色を透かしてしまう淡さと光に
憧れと苛立ちがある

淡い緑色の空気の中を飛ぶ
レモン色のちょうちょと白いちょうちょ

そのちょうちょ達を追いかけて
一匹の小さい犬が走ってくる

小さい犬は無邪気に
そりゃあ無邪気にちょうちょにじゃれてついている

僕はそれを眺めて
微笑ましく思う



小さい犬の左目が緑色なのに気づいた

<美しい翡翠でしょう> 

飼い主のおじさんが僕に話しかけてくる

<硬さが義眼に適しているのですね>

僕は事務的な口調で答えた

<硬さだけではなく透明感も適しているんですよ> 

翡翠の義眼で見た世界は透明水彩絵の具の淡さと光に近いのだろうか


その夜
頭のどこかでそんなことを考え
それまでアクリル絵の具で描いていた女性の左目の上に
透明水彩絵の具の淡い緑色をのせてみた


淡い緑色の朝、また見てみよう





エントリ5  チーク、チーク、ミシェル    わいさん



 君を苛立たせる言い訳も 使い果たした 大切に集めたはずのガラクタも 忘れてしまった

 幸福を掠める 偽善者 自由を朽ちらせる エンターテイナー

 極彩の プラスチックの雨が 眼をつぶす それがモノクロームだと 僕は嘘をつく

 ケーキを二つに割ったぐらいで 説教するなよ うわべか 映画の話しか 喋れないくせに

 衝動で振り回したハサミが純粋ならば ナナメに削られたツメが まだ治らないのは 何故だ

 不快だと見下して 切り捨てたスケジュールは 二度と戻ってこないと 信じているのは 何故だ

 ノスタルジイのコールタールで塗り固められて 誰もが息を詰まらせている

 同じ空を見上げては 魚のように 夢中で口を開いている

 モノクロームだと その背中を刺されても 責めることなどできない

 予言者は いつも卑怯だ

 古びたイスは トビラの中で 絡まり 混じり合っている

 気が付けば 終点は スタートの白線に変わり

 屋上から追った地平線は まだ遠く

 気が付けば 願うようになるのだ

 同じ空に






エントリ6  考察〈理科室にて〉    Tsu-Yo


先生をビーカーに入れて
塩酸で溶かすと
同じだけの虚しさが
胸の中に生まれた
誰かが
質量保存の法則だ、と叫び
それはたぶん正しいことだった
その日
トスカーナ州の子供たちは
ピサの斜塔を蹴り倒し
てんで間違っている、と叫んだ
それもまた
正しいことなのだろう

誰も間違わなかった日
世界は少し
間違っているように見えた





エントリ7  スター    大覚アキラ


忘れたくないのは
あの夜の
イソジン味の
くちづけ

海沿いの駐車場で
満天の星の下
一人で眠る
車の中

味のしなくなった
チューインガム

風に掻き消える
タバコの煙



遠い記憶の中の
スウィートルーム
見下ろす環状線
蛇行する暴走族のバイクの群れ
テールランプの残像
バスルームの水音



やけに広いパウダールーム
イソジンでうがいする
閉じた目の中で
光る星







エントリ8  ぽむぅうん    空人


君が夜中にムクッとして
寝室から出るときに
卸問屋で買ってもう残り少なくなった
プチプチのロール
ひっかけて倒した

そしたら ぽむぅうん と
ぽむぅうん と
それは それは おかしな音がして
なのに
君はそれに本気で怒っていて
笑いが止まらなくなったんだ

真夜中に
ぽむぅうん と もういやだ なによ
たまらなく おかしくて おかしくて
それを君に説明したら
君もゲラゲラ笑いだし

今月と来月のお金が足りないことや
借金が払えないことも忘れるくらい






エントリ9      植木


 真 夜世 中の
無伴奏の  夢芽  に
 揺 り  揺 り   呼場れ 
薄 夜闇見 で   は らり と
 落散る      花        よ
見世る             つもりか
 見世る     つもり    か
僕は    目芽を    摘むるよ
 まだ  夜流   なの だから






エントリ10  新着メール1件あります。    ゆた香







今日は眼鏡なんだね。

今日はスカートだし。

今日はカフェオレ飲んでる。

今日はあまり話さないんだね。

今日はあまり笑わないんだね。

今日は誰とも話さないの、

外が雨だから?

それとも、




そんなに僕のことが好きなの?