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poem31
氷月 そら


アルコールで少しほわんとした頭
足元もなんだかふわふわしていた
君と歩く道
君の声だけがはっきり頭に響いた

「月、きれいだね」って
君に言われて見上げた夜空
星はあんまり見えなくて
月だけがそこにはっきり存在していた
白い光を放つ月
満月には少し足りない、不完全な月

街頭がぽつり、ぽつりとともる道
行き先も決めず ただ 歩く
左耳に電話を当てて
君の声を聞きながら

「月、きれいだよ」って
君に言ってみる
だって 見上げた夜空に浮かぶのは
あまりにまんまるな月だったから
オレンジがかった月
コンパスで描いたような、完全な月

「こっちもきれいだよ」って
電話の向こうで君が言った
少しだけ 君とつながっている気がした

月だけが 君と僕をつないでいる








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