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poem48
イグチユウイチ
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Kenji/8364/ 四畳半シネマ
アフター・トーキョー

必ず訪れる、優しい朝。
暖色の浅い光と、冷たく張る空気と。

陽が昇ってから街が動き出すまでのわずかな隙間、
誰もいない東京が現れる時間がある。

誰もいない渋谷。
誰もいない新宿。
誰もいない首都高。

人が消える事は、時間が止まる事。
静寂が訪れて浮び上がる、
この街の深さ。この街の奥行き。

廃墟となった東京は、時々鳥の声だけが響いて、
最後の一人になった僕を、静かに飲み込んでいく。

見上げたあの風景も、
塞がったあの情景も、
突き抜けたあの遠景も、
忘れられていくだろう。
無かった事に、なるだろう。

取り残されたのは僕なのか、それとも街なのか。

東京は、優しい街でした。
すべてを抱いてくれる、優しい街でした。








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