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第100回詩人バトル

エントリ作品作者文字数
1リボン記章パンダ隊長903
2誇り高きオメガ1609
3剣の道51
4考察〈会社にて〉Tsu-Yo207
5シュール・カニバリズム、ゴングわいさん379




 


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詩人バトル読書会
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エントリ1  リボン記章    パンダ隊長


入部届け渡せし先輩にかわいいと言われ動揺するきっと新入生だから

夜9時に始まりしTVドラマ 冒頭のシチュエーション似ている体育館

練習の合間に話せば隣の中学だったらしい知ってるよあの店この店

保護者会近くてテストが近いらしいクラスメートの会話の中で君を想う

お互いを知り始めて打ち明かされている引退の日は7月19日

卒業せし先輩達の話しを聞けば見えてくる新入生だった頃の君の面影

内緒だよと耳打ちされし内容よりも近き声を吐息を思い出してる

一緒に歩けば揺れる若葉の手前にある木漏れ日のような夏服

付き合うよ君の笑顔が見たいからあまり知らないロックの話し

薦められしCD君から借りれば聴かぬうちから宝物になっている

我がジュース君は迷わず口づけて期待して良いのホントに良いの?

自転車の君について行きたくて迫るバス定期切れたなどと嘘付いて

触れられず揺れる自転車抱きつけば届いてしまうよ君の背中

気になって進路を聞けば大学を見つめる君の遠いまなざし

同世代と捉らえられし我らにも埋められぬ差というものがある

覚悟無く気付かれるのがこわくて聞けずにいるメールアドレス

引退の日知っていたから決めたのに笑顔で言えないありがとう

引き継ぎの部室の鍵ごと手を取って一緒に行きたい越えて行きたい

夏の終わりあの日始まりしTVドラマ ハッピーエンドで結ばれる

また来るよ来ない9月来ない10月引退の日に伝えておけばよかった

口実を失えば会い難きことのいずれも寂しく見える空は澄んでいる

ほら行くよいつも言われし語が聞こえ見知らぬ男女に振り返る

木枯らし揺れる並木道まだ見たことの無い君の寒いねという横顔

たわむれる男女の大学生らに君をかさねてとおりすぎてく

募りし日々に振り向けば重ねて無色となりぬ会いたい伝えたい卒業式

進路を決した卒業生の晴れやかな表情とその奥に見える別れの交錯

見守れば伝えきらぬ語がありて補われゆく君と友の在りし日の情景

三年たる歳月の仰げば尊い時が流れて小さく揺れるリボン記章

伝えたかった一言も大好きな君が泣いていたから何も言わずにいた

見上げれば君に包まれし日々の面影の褪せてゆく明日の向こう側

さよならの光のほさきに瞬けば霞みゆく君の遠いとおい背中









エントリ2  誇り高き    オメガ


その者は高き理想を掲げる者

その者はその理想を人々に陶酔させる者

その者はその理想のために
命を捧げさせることのできる者

人々はその者を「英雄」と呼ぶ

英雄は時空(とき)の座標に点在する
時空とともに現れ
時空とともに消えてゆく

あるときは賞賛され
あるときは崇拝され
あるときは罵倒され
あるときは非難される

彼らはその資格を得て生まれてきた

ダビデ王
ソロモン王
アッシュールバニパル
ラムセス2世



ペルセウス
ヘーラクレース
ペリクレス
アショーカ王
アレクサンドロス3世
ハンニバル・バルカ
ガイウス・ユリウス・カエサル
アウグストゥス
ネルウァ
トラヤヌス
ハドリアヌス
アントニヌス・ピウス
マルクス・アウレリウス・アントニヌス
始皇帝
劉邦
項羽
劉徹
曹操
劉備
孫権
諸葛亮
司馬懿
広開土王
アッティラ
テオドリック大王
アーサー王
シャルルマーニュ
ウィリアム・テル
サラーフ=アッディーン
リチャード1世
ジャンヌ・ダルク
李世民
武則天
チンギス・カン
フビライ・カン
朱元璋
朱棣
ティムール
メフメト2世
ムハンマド・アクバル
グスタフ2世・アドルフ
ピョートル1世・アレクセーエヴィチ
カール12世
アンリ4世
エリザベス1世
ルイ14世
フリードリッヒ2世
エカチェリーナ2世
ジョージ・ワシントン
ナポレオン・ボナパルト
李成桂
李舜臣
愛新覚羅努爾哈斉(アイシンギョロヌルハチ)
鄭成功
愛新覚羅玄附&げんよう)
愛新覚羅胤補ネいんしん)
愛新覚羅弘暦(こうれき)
ベンジャミン・ディズレーリ
ウィリアム・グラッドストン
エイブラハム・リンカーン
オットー・フォン・ビスマルク
ナポレオン3世
孫文
安重根
モハンダス・カラムチャンド・ガンディー
ムスタファ・ケマル・アタチュルク
ベーブ・ルース
ウラジーミル・レーニン
ヨシフ・スターリン
ベニート・ムッソリーニ
アドルフ・ヒトラー
フランクリン・D・ルーズベルト
ウィンストン・チャーチル
シャルル・ド・ゴール
ダグラス・マッカーサー
毛沢東
ホー・チ・ミン
チェ・ゲバラ
ジョン・F・ケネディ
ジェームズ・ディーン
マリリン・モンロー
オードリー・ヘップバーン
マーティン・ルーサー・キング
マルコムX
ロナルド・レーガン
ミハイル・ゴルバチョフ
アイルトン・セナ
クラーク・ケント
ブルース・ウェイン
ピーター・ベンジャミン・パーカー
アムロ・レイ
シャア・アズナブル
カカロット
オビワン・ケノービ
アナキン・スカイウォーカー
ルーク・スカイウォーカー
モンキー・D・ルフィ
ラインハルト・フォン・ローエングラム
ヤン・ウェンリー
建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)
日本武尊(やまとたけるのみこと)
始馭天下之天皇(はつくにしらすすめらみこと)
気長足姫尊(おきながたらしひめのみこと)
厩戸皇子(うまやとのみこ)
天命開別尊(あめみことひらかすわけのみこと)
天渟中原瀛真人天皇(あまのぬなはらおきのまひとのすめらみこと)
高天原廣野姫天皇(たかまのはらひろのひめのすめらみこと)
日本根子皇統弥照尊(やまとねこあまつひつぎいやでりのみこと)
坂上田村麻呂
阿弖流為(アテルイ)
平将門
安倍晴明
藤原清衡
源義家
平清盛
源義仲
中原鞆絵(なかはらのともえ)
源頼朝
源義経
平政子
平時宗
後醍醐天皇
源義貞
橘正成
源尊氏
源義満
藤原富子
藤原輝虎
源晴信
平信長
豊臣秀吉
源家康
源光秀
石田三成
藤原茶々
シャクシャイン
尚巴志王(しょうはしおう)
出雲阿国
豊臣信繁
猿飛佐助
服部正成
藤原玄信
佐々木小次郎
柳生光厳
保科正之
松平信綱
徳川光圀
大石良雄
徳川吉宗
大岡忠相
田中玄宰
上杉治憲
遠山景元
銭形平次
中村主水
眠狂四郎
松平慶永
島津斉彬
伊達宗城
山内豊信
勝義邦
小栗忠順
松平容保
河井継之助
近藤勇
土方歳三
西郷隆永
木戸孝允
大久保利通
坂本直柔
加藤保憲
伊藤博文
乃木希典
東郷平八郎
秋山好古
松江豊寿
原敬
高橋是清
浜口雄幸
斎藤隆夫
明智小五郎
東条英機
山本五十六
杉原千畝
吉田茂
岸信介
田中角栄
本郷猛
一文字隼人
ハヤタ・シン
モロボシ・ダン
如月ハニー
月野うさぎ
ルパン3世
デューク東郷
古畑任三郎
青島俊作
杉下右京
石原裕次郎
美空ひばり
長嶋茂雄
そして
これから生まれる名もなき英雄(もの)たち





エントリ3  剣の道    百


 なあに難しいことではありません

 正しい位置に立ち
 正しく振り下ろせば
 いい

 それだけのことであります






エントリ4  考察〈会社にて〉
    Tsu-Yo


同期の桜が散ったから、夏
些細な変化は時計によく似ている
受付の女の子は
朝からずっと
体温計を口に咥えたまま
お客さまの顔を忘れ続けている
(ところで、その娘の名前が思い出せない)
喫煙所で
部長が吐いたため息を
課長が吸い込むと
私の口からため息が漏れた


会社の七不思議はすべて
産業スパイに盗まれてしまったので
この会社は今日も
どこか遠い国の
南の島に似ているような気がする


定時になり
受付の女の子がタイムカードを押す
36度2分の安心と絶望






エントリ5  シュール・カニバリズム、ゴング
    わいさん



 消えかけた文字
 塗り潰すために降り注ぐ言葉
 それが人格と共感を象る頃
 幾らかの報酬に代わる

 鼻と顎だけで泳ぐ淡水魚
 匂いを辿り 囓りつくだけ
 もはや胃袋も肛門もない
 しかし、それが報酬に代わる

 革命と呼ばれ
 何も起きなかった夜
 最新型の暴力は 沈黙とよく似ていて
 その階段に座っているだけで
 すぐに 順番は巡ってくる

 確かに 僕らは 食べていた

 会話は途切れ 漂白される物語
 マネキンは 仮面をつけて笑い
 癇癪持ちの偽善者は朝刊の余白を嫌う

 責任は 肩書きを削られ 安いバターに混ぜられた
 強制される数学のギャンブル

 毎晩 僕らが 食べてるやつだ

 季節が終わる頃 新しい救世主が税金で雇われる
 指を しゃぶっているうちに


 やがて 窓は曇り 食器は割れて
 震えた声で
 同じ名前の他人が 語り始めた

 革命と呼ばれ
 何も起きなかった夜

 僕らは 報酬を 食べていた