エントリ1
バチ 有機機械
まぶしい午後の日差しに目を細めながら
片側2車線の道路で前を行く車を追い越しながら
助手席の彼女をホテルに誘う。
彼女が僕に好意を抱いているのは知っているけれども
時にはクールに
時には無邪気に僕を煙に巻き
彼女はなかなか「うん」とは言わない。
「恋人にならないとできないの?」
「そんなこともない」
「じゃあ僕がだめなの?」
「だってあなたは奥さんがいるじゃない」
「それは僕の問題であって、君の問題ではないんじゃないかな」
「だってバチが当たる」
「え?」
「バチ」
バチ
罰
彼女の言う通りだ。
いや、そんな道徳観はクソくらえだし、
どんなに悪事を働いても幸せに暮らしているやつはいるし、
どんなに善行を積んでも不幸な人はたくさんいるけれども、
彼女は彼女のルールを守る権利がある。
それはどんな理屈をも超えて守られなければならないし、
僕はそれを尊重しなくてはならない。
この混沌の世界に微かに差す
秩序の光を少しでも大切にしたいと願うなら。
エントリ2
スヴニール ド アンネフランク 百
『アンネ・フランクの思い出』と訳せる薔薇を育て始めた
赤味がかった新しい芽がたくましく伸びる
小さかった蕾が少しずつふくらむ
ふくらんだ蕾が朱色をのぞかせる
希望に満ちたオレンジ色の咲き始め
うっすらとピンクがかかる満開の花
触れると散る黄色い花びら
すべてにアンネ
あなたの生への思いが宿っているようで
私はその生命力に目を見張るばかり
スヴニール ド アンネフランク
あなたの平和への希望がここで生き続けている
作者付記:前回の詩もこの薔薇に刺激されて作った詩でした。
エントリ3 本を読めばいろいろなことを表現できる。 霧一タカシ
本屋さんが開いた。
いろいろな人が本を買うため待っていた。
本を読むことは面白い。
本を書くことは面白い。
本を書きたい人がたくさんいた。
本を書くことは面白い。
本を読めば面白いことがわかる。
本は何かを壊せる。
映画の本をその男は買いたかった。
その男は三つの本を注文した。
帰りに音楽を聴いた。
音楽は歌っていた。
本屋は閉まっていった。
本はゴミ箱に捨てられた。
本は歌を歌っていた。
男は家を燃やした。
家は本になった。
本を読めばいろいろなことができる。
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