エントリ1
眠るる日 ヨケマキル
へたっぴいなシンコペーション
昼(白い)
マンションのどっかの部屋から
少女の その ハンマーが絃を叩く
ピヤノ
気狂ったように反復され
昼(白の)
お昼寝の時間よ
片耳の奥で優しきママの声
蛇口を捻ると溢れ出る
悲しみとそれに似たもの
ポロンポロン
眠い
こぼれ落ちる
少女の指からの
まぶたを閉じる
じりじりと
死んだセミの大群が
LRに
振れる
あの少女の指も
白く細い指も
いつか腐る
いつか
眠るのがとてもおそろしいことなので
死のごときその有り様が
とても
幼き頃、母に殴られ片耳の聴覚を失くす
昼
エントリ2
クロワッサンとマールボロ ゆた香
朝焼けの色
見るの忘れた。
それは
終電から始発までの。
そして
スッピンと不精ヒゲの。
そう二人でさ
PARISに行こう
(恋人になろう)
街角のミュージシャンに
頼もう。あの、
好きだって言ってた
(甘いだけの)ラブソング。
マールボロが今日も最高
だから
僕の女の子。
温かいスープより、
恋人になろう。
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