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第108回詩人バトル

エントリ作品作者文字数
1インカ帝国の様な日々石川順一300
2ウェルカム・クリアハウスまるこ569
3薄氷の上を進む有機機械487




 


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詩人バトル読書会
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エントリ1  インカ帝国の様な日々    石川順一


紙の上に大量のふけを落としながら
地球温暖化は本を読み終えるとつぶやいた
「俺の時代は終わった」
海上の非戦闘員を沈めながら
地震はスクワットをやり終えると大地に話しかけた
「縄文時代はコアな時代だった」
ロッテルダムの都オランダで
原子撮影機の高速シャッターは2回きらめいた
「ドラえもんはパーマンに勝てない」
煙草が私を吹かしながら唸った
「全ては私がハゼを釣る時のゴカイだったのだ」
雪の上には大地が降って居た
私がシルクロードで卵を割る生業に従事して居ると次々と英詞が送られて来た
私の中の私が私に因縁をつけながら私への贈り物に私好みで私とは無関係な私を私宛てに届けてくれました
訳して見るとエスキモーが交易を求めて来た





エントリ2  ウェルカム・クリアハウス    まるこ



「誰も私の部屋に入ってきてくれない。

訪ねてはくるのに、
誰も、靴を脱いで、玄関へ上がって、
紅茶を飲んで、寛いで、
相談をして、私のだめな部分を叱ってくれたり、
泣いて、疲れて、眠って、一緒に笑ったり してくれない。

部屋の中の模様替えはしてきた。
少しずつだけど、綺麗に、かわいく。

ベトベトした汚れは綺麗に隠した。
なかなか取れないから、うまく隠した。

むき出しのコンクリートの壁にはクリーム色の壁紙を貼った。
あまりにも冷たくて、無機質すぎたから。

あとは適当に、皆の好きそうなものを選んで、並べた。

誰か入ってきてくれるように。
私の部屋に。


玄関の扉には固く鍵がかかっているけど、そんなの、
友情とか、愛情とか、そういうの持ち合わせていれば、
どうにでもなって、開くはずだもの。」


遠い昔、パステルカラーから段々ビビッドになる世界が恐ろしくなり、
唯一自分で持っていた鍵を粉々に砕いた。

ビビッドな世界でも平気で生きる友達の気持ちを理解できず、
自分が友達の部屋へ入ることもやめた。

実際に玄関の扉を強行突破しようとした者もいたが
彼女は常に言っていることとは正反対に、
防犯用の銃で訪問者を殺した。


本当はテーブルの上の引き出しの中の宝箱の中に、スペアキーがあることを
彼女は必死で忘れようとしていた。




ビビッドの中にも、パステルカラーは広がっていることを、
彼女はまだ知らない。







エントリ3  薄氷の上を進む    有機機械


暗く冷たい水面に浮かぶ薄氷

その上に今僕達は立っている


おそるおそるあなたの方へ近づいていき

最初はあなたのその手を握ることができるだけで満足なはずだった

そしてできることならば

あなたへの想いを口にすることができるだけで満足なはずだった

さらに奇蹟が起こるなら

あなたと私の想いが通じあっていたと知ることができるだけで満足なはずだった


でもそれが叶ったのに

僕はあなたの手をひいて前へ踏み出そうとする

この目的地の見えぬ氷原で

どちらに向かったらいいのかも分からぬまま

何のために前へ進むのかも分からぬまま

いつ割れるとも知れぬ薄氷の上を僕は前へ踏み出そうとする


次の一歩で僕はこの薄氷を踏み破ってしまうかも知れない

それでも一歩、また一歩、

あなたがどこまでついて来てくれるのか

不安に心を握り潰されそうになりながら

何度もあなたの方を振り返りながら進んで行く


本当にあなたのことを想うならば

あなたをこんな危険に晒すべきではないことは分かっているし

そのリスクに見合うだけの報いがないことも分かっているけれども

僕は前へ踏み出さずにはいられない


せめて暗く冷たい水の中へ落ちるのは

僕一人でありますようにと願いながら