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第110回詩人バトル

エントリ作品作者文字数
1拝啓、とある浮気現場より桐生遥歌336
2探偵541
3ロマンティック待子あかね288
4春の雪有機機械119
5春の日植木111
6白雪姫石川順一286




 


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詩人バトル読書会
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エントリ1  拝啓、とある浮気現場より    桐生遥歌


胸の鼓動を聞いた。
視界は回るけれど常に同じ位置に帰着していた。
思考は必死で別の居場所を探す。
何かを必死で支えるための両手がもつれ合い、互いに食い込む。爪の白さにぎょっとする。
いまだ動揺せざるを得ない物分かりの悪い頭は眠りに入るまどろみのような姿で何かを耳打ちする。

明断を、静寂を、安穏を。
混沌の中に平和を。


「人は愛のために死ねるのか」
そんな質問に少し考えるふりをして模範解答を答えるような日々よ。


同時進行できるだけの器量があると思いこむ彼にぴったりの思考だと割り切って、少しうつむいて健気な姿を演出すれば少しぐらいのわがままでも許されることは知っているけれど、結局何が欲しくて何が欲しくないのかがわからない私は結局どうすることもできずにだらしなく投げ出した足で円を描いた。





エントリ2  探偵    百


謎解きを依頼されて飛び乗った夜汽車にはコンパートメントのドアが並ぶ。

洗面台に隠れるようにしてドアの方を伺うと、ちょうどコンパートメントのメイド(見事な長い黒髪)がそのひとつのドアを開けるところだった。

ドアについている鏡に映った彼(疲れきった様子の初老の男)こそ被害者。

私は彼の存在を確認した。

そう、彼がこれから連れ込まれる空き家へと先回りしなくてはならない。

今回の被害者はどのような経歴の男なのだろうか?

私は若干後ろめたさを感じつつ、その小さな空き家に土足で上がりこんだ。

家の中は湿気が充満し、古いカーテンを通して西日が容赦なく差し込んでいる。

そして、気づいた。

ここは幼い頃、私が住んでいた家ではないか。

土足の罪悪感を強烈に感じて、思わず靴を脱いでしまった。

玄関に戻るとそこにはドアを開けたメイドが立っていた。

「私ではない、彼だ!」

私は自分の声に驚きつつ、指差すべき彼がここに存在しないことに気づく。

彼とは?

私の声はすべてを悟ってしまっていた。

私は、過去を、自分を忘れて、生きていた私の存在を突きつけられる。

鏡に映った男は私なのか。

コンパートメントのメイドが無表情でドアを閉める。

ここは夜汽車の中なのか、懐かしい家の中なのか、夢の中なのか、それとも死んでいるのか……。

思い出せない。









エントリ3  ロマンティック    待子あかね


あの日に みた景色をもう一度
同じ季節 同じ時間 同じ部屋
バルコニーからみえる景色をきみにみせてあげたい

あなたは いつでもロマンティック
出逢ったときも
デートをするときも
メールのやりとりや 電話のときも

別れのときも ロマンティック
はじめに切り出したのは あたしの方だったかしら
また逢おう
何度も あなたはくりかえした

あのバルコニーからはすてきな景色がみえたわけではなく
あの日が特別な日で
ふたりとも舞いおどっていた


あの景色のことは何も想い出したくはないわ
あの日限りのことと知っていたのだから

あの景色をみたいなんて思わないけれど
ふたりで ただ 語って
ゆめを みているのは ロマンテックね





エントリ4  春の雪    有機機械


この春先に

まるで冬のはじまりのように

静かに柔らかく雪が降る



まるで僕を誘っているかのように



この

全知全能になりたいと願い

全てを手に入れたいと欲し

誰からも愛されたいと望み

破綻してしまった僕にすら

優しく語りかけてくれるように



静かに柔らかく雪が降る






エントリ5  春の日    植木


開け放たれた
窓辺に
並べられた
詩の切れっ端

春の花びらは
風に運ばれながら
何処へ行くのか

往来を行く人々は
楽しげに行過ぎて

一瞬という時代を
心に写し取るのだ

君の
隙だらけの寝顔は
雪解けの故郷に似て

僕は
困った挙句に
部屋を抜け出すしかない





エントリ6  白雪姫    石川順一


ゴリラは白雪姫しか担保が無かった
百万円で売れるよとゴリラの自慢であった
ところがである。猿の見積もりによると
毒林檎を食べた後の白雪姫は
百億円で売れるよ
との事だった
何ですと!!
万と億漢字間違って無い?
ところがまだこの先があった
さらに毒林檎を食べて死んだ後復活した白雪姫は、ま い つ き
百億円の定期給付金になるとの猿の見積もりであった
[ぼきゃぶらりー!!!!!]
ゴリラは死ぬほど驚くと[ぼきゃぶらりー]と叫ぶのが
ノーベル動物学賞を受賞したカイテル博士の実験で
実証済みだったので
ゴリラが死ぬほど驚いて居るのは確実であった
白雪姫はそんなうぶなゴリラを十分手なずけて
毎日退屈せずに済んだとさ