エントリ1
平凡 太田隆一
時々怖いことを思う
もし明日目が覚めて
そこが音のない世界だったら
そこが光のない世界だったら
そこが臭いの無い世界だったら
私は空恐ろしくなった
時々さらに怖いことを思う
もし明日目が覚めて
そこが家族のいない世界だったら
そこが友人のいない世界だったら
そこが誰もいない世界だったら
私はただそうならないよう祈った
それでも明日はやってきて
私は音があって光があって香りがあって
私は家族がいて友人がいてみんながいる
そんな世界に居ることに安心するのだ
ごくごく単純で当り前の
この世界に安心するのだ
また私は恐ろしく感じるだろう
そうしたならまた私は祈るだろう
ただ当り前の
このごく平凡な
そんな世界が
繰り返されることを
エントリ2
トライブ 石川順一
外来生物のアメリカシロヒトリが
ヨガリ族の主食であった
今日、主食の倉庫が
ヤリ族とスギ族とマシタ族の襲撃にあい
激減して仕舞った
カミ族のレポーターが取材に訪れた
ツキ族の取材班からもコメントを求められ
ヨガリ族の酋長は怒り狂った
こら、わしらのスーパーを取材するんじゃない
そこは関係無かろう
まあ落ち着きたまえ
勝手な取材記事は出鱈目を投げ返されるだけじゃ
アポは取ったかね、裁判所の許可はあるか?
興奮気味の酋長では話し合いは無理と分かり
ゼイ族とテイシュウ族とニュウ族の酋長に間に入って貰った
ところがたちまちボー族とナス族とヒン族とコン族の乱入と襲撃を受けた
借金のかたにと譲渡担保を設定されて居た車を炎上させて気勢をあげた
ヨガリ族の酋長よ借金返しなさい
話し合いはまずそれからじゃ、返済の後に話し合えます
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