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第12回詩人バトル Entry37

親愛なる君へ

春から、夏へ。

君と出逢った。春だった。
桜が、舞った。春だった。
君に恋した。春だった。

制服姿が、カッコいいと思った。夏だった。
水泳部の水しぶきを羨ましく思うように。暑い夏だった。
テストの前に、少し話せた。夏だった。
あたしの好みが、君の好みとかぶっている事に気が付いた。夏だった。

夏から、秋へ。

運動会の君の勇姿に感動して泣いた。秋だった。
そして、付き合い始めた。秋だった。
一番幸せだと思っていた。秋だった。
紅葉の紅葉なんて気が付かないぐらい夢中だった。そんな秋だった。

秋から冬へ。

初めてコートを着る日は一緒にねって言い合った。冬だった。
クリスマスなんて必要ないぐらい、毎日一緒に過ごした。冬だった。
カウント・ダウンは、もう始まっていた。冬だった。

冬から、春へ。

気が付かなかった。春だった。
もう春なんだ。春だった。
手を繋いでいた。春でした。

親愛なる君へ。あたしたちは、やっぱり子供でした。
親愛なる君へ。それでも、あたしは本気でした。
親愛なる君へ。  信愛されたいあたしより。

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