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第12回詩人バトル Entry34

見えない影

気が付けば あなたの影が見えなくなった日から
帰るはずのないあなたの帰りを
永遠に待っている自分がいた。
気が付けば 昔読んでいた絵本も
読めなくなっていて
悲しかったけど
いつも冷たい月が
今日は触れると温かくてうれしかった
あたしは いまもあなたを待っている
目に見えないあなたを
影すら見えないあなたを
鏡にも映らないあなたを

この街の風は
私にだけなぜか冷たくて
私が一声鳴いたって
みんなミルクしかくれなくて
それでも誰にも見えない影
ずっとずっと待ってました

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