第12回詩人バトル Entry44
僕の体は水槽
ゆらゆら長い尾びれを持った
リュウグウノツカイが怠惰に泳いでいます
奴の目は魚眼レンズのように虚ろで
なんでもかんでも巨視してしまう
水深2000mの水圧が
僕の心臓を押し潰すとき
海豚が水面で飛び跳ねる
僕の体を切り刻んでみると
なんと赤い血ではなく
大量の潮が溢れてくる
一滴の涙は人間が創るもっとも小さい海です
とはいいますが
僕はその涙を集めて
水族館を造ってしまいました
そしてそこにいるのは
ただ一匹のリュウグウノツカイ
長い尾びれをゆらゆらさせて
二酸化炭素を吐き出しながら
虚偽に、無気力に、怠惰に泳いでいる
僕は一体、こいつをどうすればいいのでしょうか