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第12回詩人バトル Entry71

ビューティフルピープル

例えばどうにもならない時
私たちは海を見に行きました

例えばとても悲しい時
私たちは口笛を吹きました

例えばひどく寒い夜
私たちは少しだけ抱き合いました

例えば私の子供が産まれた時
あなたは飢えを無くす為に麦を蒔き始めました

例えば太陽が陰る時
私たちは飼っていた豚を食べました

例えば戦争が終わった時
私たちは肩を抱き合って泣きました

(誰かが銃を取れと叫んでいる
戦争はもう良いと泣いている、あの老婆の脇で叫んでいる)
(人民の人民による人民の為の)
(ヒロシマが被爆しました。戦争は終わりました)
(「想像してごらん?戦争の無い世の中を」)

そんなふうな
そんなふうな色々の
愛とか憎しみとか
希望とか絶望とか
ベートーベンとかマリリン・マンソンとか
アイネクライネナハトムジークとか
勝手にしやがれとか
そんなものを積み上げて
私たちはバベルの塔を昇って行きます
全て等しく積み上げて
私たちはバベルの塔を昇って行きます
子供の身体の上にお父さんの身体を
孤独の上に優しさを
生の上に死を
夜の上に朝を
今日はひまわりの上にマリーゴールドを
積み上げて積み上げて
バベルの塔を空に向かって昇って行きます
一つ一つ罪を重ねて
真実に近づいていきます

神様
私たちは間違っているのでしょうか?
だけど他にどうする術も無く
バベルの塔は崩れ始めているけれど
だけど他にどうする術も無く

だから私たちは今日も
あなたを愛し
あなたを憎み
一歩一歩 一つ一つ
昇って行きます

頂上がちらりと光った気がしました
あれが真実なのでしょうか
それともソドムとゴモラの街なのでしょうか

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