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第14回詩人バトル Entry9

a cain

教えてあげる
怖がって耳を塞いで頑なに首を振る君
その指先を掴んで囁いてあげる
君が好きだよ
愛しくて恋しくて喰い殺したいくらい
憎むくらい嫉妬して赦せるくらい焦がれてる
君の茶色の目薄い口尖った爪のひとひらまで
奪って守り抜いて死んでゆきたいくらいに
その背と手の内に在る痕の全ても
やがて色を失って褪めてゆくほどに
君をひとりにしたりしないし何時でも想わせてあげるから
白い部屋でオルゴールを聴く暇もないくらい
愛が欲しいと云うのならそれも与えてあげるから
君が自分を寂しがってふとした弾みに墜ちないように
鎖をひとつ
出来るだけ深く柔らかいところに繋がせて欲しい

目を瞑った瞬間に解る種類の痛みで
ずっと君の中に在り続けてみせるから。

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