第14回詩人バトル全作品・結果一覧

#題名作者
1哀楽の詩伊藤 彰貞
2蜃気楼尾二源昇
38:00イグチユウイチ
4ワタシ色ネイルリッテ
5春を祝う狭宮良 祇簾
6繰り言インクリボン
7シュプレヒコール・アンド・スーサイドベニヤナヲヤ
8眠り蒼司
9a cainkurusu
10しあわせカウント中ビオラ
11ひとりごとbactelia
12埋まっているものみぽ
13潤うひとときちゃら
14フィナーレいさらい鉄平
15パッシングワードとし
16めぐりあい蓮の花。
17ねこ
18目を閉じて羽田恭
19まゆげ温泉K,@,マーホ
20Lapis
21love idealisticSeaLion
22Sound of Sirence山田せばすちゃん
23妄想コロチャートアイリスneo
24my only dearest綿島睦実
25夜空をミアゲテ未来
26堀内 みやび
27明日アクエリアス
28イエローsamia
29楽園へのたび知憂
30ないしょ空条 遥
31古語辞典佐賀 優子
32魂の言葉伊東春日
33SEX有機機械
34kanashimino piano麻貴香音
35花束を買いに菟野くうぴい
36花弁那智
37君は、しらない楽太郎
38『もう一度』橘内 潤
39みかんとおばあさんリリィ
40世界腐敗否定論斉藤久美子
41ほころび椎名愛
42言葉 〜躍動的に〜爆睡王子
43えむら
44雑草ユキコモモ
45ウォー・クライあおぞら
46無題TETO
47僕の君さわお
48アロマあおむし
49琴線葉月 涙
50サボテン魁秘 渉
51ID深sachi
52舞乙女てこ
53染みえみりぃ
54お帰りだけで埋まっていくいとう
55壁の中の女橋本 聡
56可哀相な人、麗しい人、私purema_means_love
57別れリノス
58flowあや
59体内時計まほろば
60たんぽぽ三冬月 琢斗
61霧の中山本未来
62『ネスト』岡部健吉
63落書きの虹芽萌里
64雨の昼マッドビースト
65キスの横顔沙汰
66壮大な無駄・・・だよねぇ(^^;A春九千
67ピンクのエナメルのタイトのミニぶるぶる☆どっぐちゃん

↑TOP

Entry1

哀楽の詩

枯れ葉の上を歩くと
悲しそうに嘆いていた
これから真っ白な空が落ちてきて
自分達の居る場所を
暗く寂しい世界にしてしまう
外側では優雅に着飾れるのに
内側では全く逆の世界が
同時に生まれる

まるで世の中を
鏡で写すように

路頭に迷う落ち葉が語る
欠けた自分の存在
その有り方を知るため
嬉しそうで悲しそうな
空に囁く哀楽の詩

間近に見えた新しさを
一つの点から広げるように
導く調べの片隅で
辛さが消える哀楽の詩


↑TOP

Entry2

蜃気楼

砂漠を歩いていた
何も
何もない場所を
 
涙さえすぐかれる
落としてもすぐかれる
そんな広い砂漠を
 
ふと見えるはオアシス
喜びにうちふるえ
走り寄ったが
 
それは蜃気楼だった
砂漠を歩いていた
淡い光をたたえる
蜃気楼だった


↑TOP

Entry3

8:00

追いかけても、
追いかけても、
遠くなっていった。

もつれた舌で、
上ずる声で、
叫んでもみた。

微粒子の浮かぶ朝に、
排気のスモークに消えた言葉。
気付くのが遅かった。
そう、遅かった。

立ち尽くして、
未遂の重みを噛み締めるのにも慣れてきたようで、
こんなものを抱えてまた引き返すこの背は
もはや丸くなってはいないが、
それでも沁みるようなこの痛みの先に
駈けて叫ぶあの僕がいるのだろうか。

やがて巡ってくるその朝に、
果たして僕は繋がっているか。
駈けずとも叫ばずとも、
このゴミ袋を回収してもらえるだろうか。


↑TOP

Entry4

ワタシ色ネイル

白くなりかけた爪に
今日は色をつけた。
気分が晴れない時につける色。
無意識のうちに手が動く。
ネイルのツーンとくるにおいは
情けないくらい涙を誘った。
「生きていくことは哀しい」
まるで何百年生きてきたかのように
私は何度もこころの中で繰り返した。
まだ何も埋め尽くしていないのに
全てやり遂げてきた気になっていた。
これからもきっとこんなふうに
どうしようもないくらい
何度も下を見てしまう日が続くだろう。
涙を流しっぱなしにしながら
爪に色をつけ続けるだろう。
恥ずかしいけどそんな未来だけは
今、ちゃんと見えている。
だから私は色を絶やさない。
終わりなんかにはさせない。
たとえ1ミクロンの可能性しか
残っていなくても
力ずくでどん底から引っぱってみせる。
自分の未来にだって
私だけの鮮やかな色をつけてやるんだ。


↑TOP

Entry5

春を祝う

さくらの降るとき
その木々のもとを潜るとき
はじまりの匂いがする
水の昇ってゆく匂いがする


時計の螺子を一杯に巻いて
それを右手に握ったまま
川沿いの土手に座っている
新しい緑を靴底に踏んで
季節を肺に満たしている

何故また暖かくなるのだろう
何故また芽が開くのだろう
どれだけ繰り返したとしても
同じ春は戻らないのに

五年目の鞄を空っぽにして
それを左手に提げたまま
笑う親子連れを眺めている
一日先の予測も付かずに
訳なく季節を喜んでいる

どれだけ繰り返したとしても
同じように浮き足立つもの


さくらの降るとき
その木々のもとを潜るとき
また一年 歳をとったと思う

そしてはじまりの匂いがする
水の昇ってゆく匂いが
訳のない期待がくしゃみを誘って
誰かの倖せを祝いたいと思う


↑TOP

Entry6

繰り言

遠くの山々を蒼く染める光は
心を閉ざすかのように
陽の光がさすのを拒み続ける

あの日、見た陽炎は幻だったのか
それとも希望のあらわれだったのか

そして、また、一日がはじまる


↑TOP

Entry7

シュプレヒコール・アンド・スーサイド

あなたたちは!

どうせ死ぬのなら!

植物人間になって死にたくはないか!

植物なのに肌色で!

何にも出来やしないけど!

お国のために!

植物人間になりたくはないか!

どうせ死ぬなら!

家族に囲まれて!

やさしい流れの中で満足して死ぬより!

お国のために植物人間になって死にたくはないか!

 

そして突然の雨。

彼らの叫びは御茶ノ水の雨にかき消され、残ったのはあせってスピーカーを片付ける中年。

平和とはこういうものかもしれない。

みじめでなさけなくてかき消されてしまうものなのだろう。

ただボクらはげらげらと笑ってそれを見ていて。

中年は一生懸命かたづけて。

電車は走って。

雨はやんで。

きみは植物人間になって。


↑TOP

Entry8

眠り

出口はあるのだろうか

悲しみも

苦しみも

其処では忘れることが出来る

でも

この眠りから醒めれば

頬に涙の痕があるのだろう


↑TOP

Entry9

a cain

教えてあげる
怖がって耳を塞いで頑なに首を振る君
その指先を掴んで囁いてあげる
君が好きだよ
愛しくて恋しくて喰い殺したいくらい
憎むくらい嫉妬して赦せるくらい焦がれてる
君の茶色の目薄い口尖った爪のひとひらまで
奪って守り抜いて死んでゆきたいくらいに
その背と手の内に在る痕の全ても
やがて色を失って褪めてゆくほどに
君をひとりにしたりしないし何時でも想わせてあげるから
白い部屋でオルゴールを聴く暇もないくらい
愛が欲しいと云うのならそれも与えてあげるから
君が自分を寂しがってふとした弾みに墜ちないように
鎖をひとつ
出来るだけ深く柔らかいところに繋がせて欲しい

目を瞑った瞬間に解る種類の痛みで
ずっと君の中に在り続けてみせるから。


↑TOP

Entry10

しあわせカウント中


カップラーメンを待つ3分間

バスを待つ3分間

答えを待つ3分間

友達を待つ3分間

恋人を待つ3分間

どれも同じに等速で秒針は時を刻むけれど

どれも違う3分間。


↑TOP

Entry11

ひとりごと

これは俺の心のつぶやき

お前のこと大好きだけど

口が裂けても好きって言えない

お前といるとドキドキするけど

いつでも俺はそっけない態度

だって気恥ずかしいんだもん

ほんとは好きだと伝えたいけど

いつもお前をからかってしまう

もっと甘えて欲しいけど

いつも俺が甘えっぱなし

やっぱ俺ってお子様なのかな


↑TOP

Entry12

埋まっているもの

億劫に膝下を塗り固められ
片隅にある夢はおぼろげなまま

貴方の生活をフィクションに思いたいのは
日記に書くまでもない毎日に私がいるから

でもお腹が空くし
そろそろ何回目の春が来る

混沌に身をゆだねる事ほど楽な事はないけれど
何も感じない
何も得られない

そう気が付いたときには腰まで泥濘に嵌まっていたけど
幸い手は動かせる

この二本で何か掴めるだろう
手探りだって何だって時間をかけたっていいんだ


この危惧を心地よく感じている自分が
血が通っているのだと安心した


↑TOP

Entry13

潤うひととき

恋をしても酒を飲んでも
私の心は潤わない
心潤わせてくれるのは
おおらかさ
明るい空の下も闇の中も
力強く澄み渡る
そんな、限りないおおらかさ


↑TOP

Entry14

フィナーレ

新しい記憶は
もうこんなに遠い

今まで何故走っていたの こんなに速く
時間は沢山あるようで
掌に掬い取った 一粒だけだった

いくつもの塀を乗り越えて
またすぐに別の塀を乗り越える
用意された休息に目もくれず
僕等は走っていた こんなに速く

時には 小石が邪魔だった時もあっただろう
時には 砂が足に絡む時もあっただろう
水の替わりに 涙を飲んだ時もあっただろう

どのくらい走った? 僕等は こんなに速く

いつでも 新しい地平線を追い求め 水平線を追い求め
記憶の道程 もうこんなに遠くなっていた

どのくらい走ったのか 知らない僕等
時間の道標に 問い質す

それでも 僕等にも見えてきた 一つのゴール

水の替わりに 涙を飲んだ時もあっただろう
それはきっと これからも変わらないのだろう
けれど 一つの終わりは一つの始まり
またすぐに 1つのスタートに着かなきゃならない

また走らなきゃならない でも
探しに行こう 僕等のフィナーレ


↑TOP

Entry15

パッシングワード

光ディスクに打ち込まれた君への愛は
2拍3連のジャングルの中で
行き場を失って泣いている
厚顔無恥なネットの波乗りたちは
デジタル・パイレーツ気取りで
モニタの向こうでサングラスをはずす
いきなりスポットライトを浴びた
純粋培養のオタクたちは鼻高々で
やり手のスポンサーは行き先を告げずに
彼らを闇の中へ売り飛ばした
幸せになりたくてあなたを信じたはずなのに
歩いてきた道も続く道もイバラの道ばかり
悪趣味な指輪をはめた厚い手で顔をはさまれ
優しく「試練だ」と言われても
「嘘だろ」と呟くのは私の心の悪魔のせい?
新しい靴をおろした日はとてもいい気分だけど
なんの意味もないことは誰だって知ってる
振られた帰り道にカツアゲされて泣く日もあるさ
イヤなことはヤ!の一言で振り切って
カッコよくイサギよく生きているつもりが
なぜか近所の評判は悪くて、こんな世の中もうヤ!
スーパーバーゲン上下のスウェットで
コンビニにベンツで乗りつける
誰が金持ちなのか貧しいのかわかんない世の中で
自分の未来を棒切れ投げて占っている間に
信号は赤に変わっていた 笑うぜ
パッシングされて置いてかれた真紅のカウンタックに
でかいイタ公のゴキブリ野郎と捨てゼリフ
羨望の眼差しは希少価値となり
いつかギャグにまでコペ転した 見事だ
鋭利で怜悧なあなたは裏切るのも平気だけど
僕は友達じゃないからへっちゃらだ
あの人の顔にはだんぜん弾丸が似合うね
でもウージーも持てない体力だから
気の弱いテロリストは今日も沈黙したままだ
電車のドアが開くと真っ先に
シルバーシートに堂々と座るお嬢ちゃん
どーでもいいけど自慢の足まで組んじゃバカだろ
車椅子マークの駐車スペースにポーカーフェイスで乗りいれる人達
心が不自由なのは見ていて憐れみを忘れるほど悲しすぎるぜ
あなたは1日に心の中で何回人を殴りますかという問いに
そんなこと思ったことはないと答える人は要注意だ
僕は応援なんてしてほしくない
だって応援されるようなことしてないもの
がんばったって未来は開けない わかってる?
耳ざわりのいいヒット曲が役にたたない日もあるさ
そんなときはいつもバカにしてる演歌が身に染みたりして
こんなときは日本酒だねなんて冷蔵庫を開けると
お洒落なカクテルバーしかなくてがっくりする
来年のことさえわからないのに
明日の予定はしっかり詰まっていて
流れに身をまかせてるまに動けなくなっていく
果てしなく頭にうずまく言葉の洪水に
いつか果てる人生の終わりに向かって
怒りも愚痴もねたみも愛情も
すべてをエネルギーにして 僕は生きてく
僕は生きてく 君のために


↑TOP

Entry16

めぐりあい

私はずっとあなたに会いたかった
けれども
願いが叶った瞬間
私はなぜだか腹が立った

どうしてこんなところで?
どうしてこんなときに?

私は神様を初めてうらみました

もう少し大人になったらきっと会おう
もっと成長したらきっと会おう


あなたに会えて本当によかった
私 もっと立派になるから
そしたらまた会いたいな


こんなに立派になって・・・
私には あなたが一番素敵にみえた

誰よりも


↑TOP

Entry17

ねこ

あたたかに
やわらかくまるくなって
ただそこにいる
たんじゅんに
やさしくかみついてみたりしながら
ただそばにいる
そんなふうに
あなたのそばでいきる
そんなゆめを
みた


↑TOP

Entry18

目を閉じて

目を閉じて光を見ると
赤黒い
まぶたの裏

固まった血の色
目の前はその色で塗りつぶされ
何も見えない

形も色も何も 人も物も何も
永遠の色 永久の色
それの色しか見えない時
それは死

赤子の時も見続けた色
赤黒いまぶたの裏

死ぬのは赤子になるとき
そのときにも見る
懐かしい恐怖の色
赤黒い色


↑TOP

Entry19

まゆげ温泉

雨にエコーが かかり
突然 空が カラオケを始めた
地面から ゆげ ゆげ
ゆらゆらと ゆげ ゆげ

あたり いちめん ゆげで見えない
そこに現れた 温泉
まゆげまで ゆげ ゆげ
すいよせる ゆげ ゆげ

はっ!と 立て看板に

効能は
喜怒哀楽
神経から来る 顔の表情を 
ゆたかにします

利用者は
動き出した まゆげ細胞で
顔の表情が ものを言います

利用者の喜びの声に
え〜 仕事で いつも
鉄棒に ぶらさがって
けんすいしてるんですが〜
なかなか 能率が 上がらなくて
この まゆげ温泉に入ってからは
けんすいしている顔が 強烈になりましてね
仕事はバリバリ
女の子からは モテモテですよ
ほらっ!(けんすいしてる顔の写真)

そこに現れた 温泉
まゆげまで ゆげ ゆげ
たちこめた ゆげ ゆげ
まゆげ温泉 ヴゅっしゅ〜(吹き出す ゆげ)
あっ(びっくりする まゆげ)


↑TOP

Entry20

 
 「助けて」と言えれば楽になれた
 
 すべてを放棄して誰にも会わないよりも
 
 すべてを放棄して死んでいくよりも


↑TOP

Entry21

love idealistic


それは呪縛か朽ち果てぬもの

針は進めど移ろわぬもの


或いは彼方を照らす光で

或いは夜を越え行く力で


時に世界をどうしようもなく輝かせ

時に世界は涙で曇り


どんなに僕をそれは蝕み

どれだけ僕はそれに安らぎ


生まれた日から望んでやまない

たとえ死すとも なおも強く


ずっと昔から見ていたかった

今この空間を満たすやさしさを

同じ明日がまた来ることを


きっと 僕は ただその為だけに


↑TOP

Entry22

Sound of Sirence

お願いだからどうか
どうか君の横で眠るその人を
起こさないように
声を立てないように

唇に指を当てて
僕は驚いた君を眼で制する
そのまま動かないで
なにもしゃべらないで

消し忘れたテレビの灯りに
映る君の顔を僕は二度と忘れない
だから
お願いだからどうか
声を立てないで
僕はこのまま出て行くから

駐車場に止まる見知らぬ車に
何故僕は気がつかなかったのか
玄関の暗がりで
大きな男物のスニーカーに
つまづいたときに
何故僕はそれを理解できなかったのか

いつものように合鍵を使って
いつものようにそのままあがりこんで
いつものように君を起こさないようにそっと
そっと引き戸を開けて

ベッドの上の君は
いつものパジャマ姿で
いつもの寝ぼけ顔で
たった一つだけ
君の横で眠る僕の知らない若い男
それだけがいつもどおりではなくて

それはありふれた結論かもしれない
いつだってどこでだって誰にだって
やってくる種類の結末だったかもしれない
だからどうか
おねがいだからどうか
このままにしてしまおう
終わってしまおう

唇に当てた指を
ゆっくり左右に振って
君に笑って見せようとして
唇が乾いてしまっている
僕は後ずさりしながら
そっと引き戸を閉めて
静かに靴を履いて
鉄のドアを音を立てないように
そっとそっと閉めて

鍵をかけてから
その合鍵を
ゆっくりと郵便受けに滑り込ませる
小さな音を立てて
それでこの恋はおしまいになった

駐車場から
4階の君の部屋を
もう一度だけ見上げて
車のエンジンをかける

ゆっくりと車を
車道に出してしまってから
僕はタバコに火をつけて
君に貸したままのCDをどうしようかと
なんとなくそんなことを考えて
それから
ほんの少しだけ泣く


↑TOP

Entry23

妄想コロチャート

歩きたくて歩いてた訳じゃない。
でもあの人が手を引いてくれた。
生まれたくて生まれたんじゃない。
でも助産婦に引っこ抜かれた。

全くひどい事を言うものだわ。


↑TOP

Entry24

my only dearest

どんな人が好きなの?

そう訊かれて

零れ落ちる全ては

あなたの欠片でした


↑TOP

Entry25

夜空をミアゲテ

本当は、あなたに会いたい
本当は、あなたといっぱい話がしたい
でも 素直になれない私がいる

あなたと一緒に見た星は、どれかしら
星にしるしをつけられるといいのにな

星さん?
待ってても、きっとめぐりあえないよ
あのころの私達は もう帰ってこない

永遠に・・・


↑TOP

Entry26

それは春の日差しのようにあたたかく
夏の海のように心地良く
ときに秋の風のようにやっかいで
冬の氷のように凍てついたものであったり
カタチはそれぞれだけれど誰もが持っているもの

それは青空のように澄んだものであったり
曇り空のように濁ったものであったり
雨空のように悲しみに満ちたものであったり
思いはそれぞれだけれど誰もが受けるもの

だから、誰にも愛されていないなんて思わないで


↑TOP

Entry27

明日

また始まった!

そいつは何かというと今日を弁護しやがる。
「お前は間違ってないさ」  「だって仕方なかったんだ」
眠りにつこうとする今日にいつだって
ささやき、なだめ、その存在を主張しまくる。

そして
それだけが 今日の真実になる。

だからと云って自信が復活したわけじゃあない。
少しだけ明日に近づいてみただけ。

求めてみたら 違ってた。

離れてみたら 気付かされた。

自分の事のように思いやれない自分に腹を立て
他人事のように振る舞えない自分を戒めてみても
誰かに慰めてもらうのがきっと一番さ。

きっと今日の自分を笑い飛ばせたら、
明日を迎える勇気がでるかな。


↑TOP

Entry28

イエロー

同窓会とはいえ知らない顔も多い
卒業から何年も経っているのだ
なかでもまったく見たことのない
かわいらしい顔立ちの青年が
友人とわたしとの会話に楽しそうに耳を傾けていた
あなたはだれ?問いかけると青年はイエローと名乗った
それで納得した
彼はこのパーティ会場に生きているのだ
イエローはシャンデリアにぶら下がったり
ひとの輪に加わるともなく加わったり
同窓会を楽しんでいるようだった
そんなイエローにすっかり気を取られてしまった
ついつい彼を目で追っていた
イエローは隣にいるようになった
彼が横にいると
メリーゴーランドに向かって駆けているようで
ハンモックでうたたねをしているようだった

気がつくとイエローはちいさな赤ん坊だった
彼を抱いて同窓生たちの会話を聞くともなく聞いていた
出版社に勤めるAは仕事の苦労話をしていた
イエローが囁いた
出版社にいたことがあるけれどあそこは怖い
いつも怒ってるひとばかりだ
でもわたしのほうがもっと悪いことをしてる
大人のあなたと赤ん坊のあなた
両方と一緒にいるんだから
イエローは笑った
産毛に覆われた頭
ぷっくりとした白い頬
抱きしめると
ちいさな体でしっかりと抱き返してくれる

青年のイエローはビリヤードがしたいと言った


↑TOP

Entry29

楽園へのたび

綺麗なものばかり見ようとして
ホントのコトを見失ってたんだ


たくさんのウツクシイ人を見て

そんなことはできないと


でもそんな高いところに飛ぶことはできなくても

あるいてくことはできるだろう?
一歩一歩


大きな夢に憧れて
ソレがとてもキレイデ失ってたんだ
『探して見つけるものじゃないよね』

近道を知ってる事がいいことじゃないよね
僕は一歩ずつ確かめてあるいて行こう
走り抜けないで


僕は
空たかく飛べないし

飛べても太陽に焼かれてしまうから
歩いていこう
一歩ずつ
翼がなくても
小さな事一つ一つに悩んで
生きていけばいいでしょう?
そらたかくにあるとは限らないんだから
ゆっくり
ゆっくり
翼がなくても


↑TOP

Entry30

ないしょ

大嫌いも、絶望も、愛してるも、爆破も、自殺も。
ひらがなにしてしまえば、
案外、嘘みたく思えてしまう、あたし。
あなたなら、「意外と、怖い考えしてるんだね」って
言いかねないから、絶対ないしょ。

だいきらい。
ぜつぼう。
あいしてる。
ばくは。
じさつ。

いつもあたしの、机の上を、
散らかしていく弟に向かって
「むかつきマンモス」
って、言ってみたら、
余計むかついた事は、絶対絶対ないしょ。

返事の来ないと分かっているメールを送信して、
なんども、センター問い合わせ、をしているなんて、
悔しいから、絶対絶対絶対ないしょ。


↑TOP

Entry31

古語辞典

『あへない』  複合語:堪えられない・会えない

『懐かし』   形容詞:ここにずっとたいと思う気持ち・親しいままでいたい

『あなた』   名詞 :ずっと遠い場所


    意味を忘れた私たちに、言霊だけは
                   唯々  しづかにしみわたるんだ。


↑TOP

Entry32

魂の言葉

あなたのことばをいつも思う

春のある日に
あなたは言った
それはただのことばだけど、
魔法のかかった呪文だった

許される
そのときはいつかで、
今ではないとはっきりわかる

わたしはわたしのままで
他のなににもなれないよ
あなたは知っていたのでしょう?

そう、あのときの
魂の言葉を。


↑TOP

Entry33

SEX

君と暮らしはじめてどれくらい経つだろう。
僕はもう君を抱く時胸のときめきを感じることはできない。
だからって君のことを都合のいい欲望のはけ口にしてるわけでもない。
だって僕はもう君の身体に対して欲望を抱くことさえできないのだから。
そう、その行為は僕の義務。
それでも君への愛おしさは日に日に増すばかり。
それを恋と呼ばないのなら、僕と君は一緒に暮らす意味を失うだろうか。
それを愛と呼ばないのなら、僕はこの先何を信じて生きていけばいいのだろう。


↑TOP

Entry34

kanashimino piano

いつまでもいつまでも夢を見ていたかったのに
私がそれを拒否したのです
でも貴方だって否定も肯定もしていなかった
何も言わないでずるすぎる

こんな三角関係は無意味だと知っていたからこそ
悩んで悩んで悩み抜いて
離れて離れて近付いて.....
無駄な日々を費やして私は真剣に考えてた

貴方は簡単に考えすぎていたのに自分では気付きもしなかった

だから私は最後に言ったんでしょ?
「彼とは言わなくてもわかるけど貴方は言わなくちゃわからない」って

でもこの意味は通じていなかった...最後の手紙で貴方は
言わなくちゃわからない言葉があるから話すんじゃないかと言った...

そうじゃない...そうじゃないのに...
何にもわかってない。
お互いに気持ちが通じているから私達は穏やかな距離を保つこともできるし好きと言わなくてもどこかでわかりあってる...微かな変化もつかみ取ることができる...

貴方じゃ...貴方とじゃ私も貴方もだめになるわ
だから私は彼と歩くことにするの
「喜んで別れてあげる」
なんてよくも失礼な言葉吐き出してくれたわね...腹立たしいわ

あたしの気持ちめちゃくちゃにしておいて...

あたしが愛しているのはどんなに移っても彼だけです。


↑TOP

Entry35

花束を買いに

 記念日です。
私は華を買いました。花屋で華を買いました。

 紅い薔薇の小さなブーケを注文していたのにも関わらず、店員さんはやや大きめの花束にしてくれました。
「リボンは何色にされますか?」
素早い手さばきで長い茎を折り、華やかな包装紙で包んでいくその手は
痛いほどに皮膚が剥け、指先は紅くなり、爪と皮膚の間は厚くなっています。
「白色を。」
丈夫で大きな銀色の鋏でしゃくしゃくキリトリ飾り付けていきます。


 値段は張りますが、
「記念日ですから。」
「そうなんですか。喜ばれるでしょうね。
 結婚式とかですか?」
「はぁ。」
会計を済ませ、
その大振りのブーケを両手に
芳しい赤がめくれていく美しさに
一時見とれて
「ありがとうございます。」
花屋を後にしました。




 2人はなかなか会えない日々を過ごし唯一の記念日に花束を送りあうのです。
不思議な人なのです。男性なのに華が凄く好きで、知識が通じていて。
 何度か行き来する部屋にも
観葉植物、花株が。
「アパートはベランダ付きじゃないと嫌だなぁ。」
 花びらが少し、しおれてきたような気がします。
冷たい乾いた風になぞらえて、私の歩みとは反比例に

花束は
次第に気力を失っていくようです。




 灰色の部屋にこもりっきりの貴方に会いに来ました。
貴方は今日も変わらずに、そこに座って微笑んで
 手向けられた花々の手入れに余念がないんでしょう。

「嗚呼。     貴方。」
今日は記念日。
荒れた部屋を指でなぞれば、貴方の顔が苦痛に歪む。
「貴方。」
胸ポケットから取り出した汚れた銀色の指輪を、貴方の目の前に置くわ。
「貴方。」
悲しい出来事は突然に。
貴方との別れは突然に。
痛いほど傷付けられて、貴方もきっと傷ついてる。
頬を伝う泪が薔薇をも泣かしてしまうでしょう。
「わ   わ  わたしね?」
立つことすらままならなくなりうずくまる。
 もう、左指には異なる愛のカタチがあり
私はその事実から免れたい一心で、その全てから変わりたい一心で



「結婚するの。」
 手向けた花は紅い薔薇。
私の情熱は、永遠に貴方の傍で。
 灰色に映える紅い薔薇。
最後まで、その長い指で大切にして頂戴。


「頑張ろうね。」
そのひとことが、また滴を招いてく。
あの部屋の 花達と同じにブーケは再び潤いを取り戻したのでしょうか。


↑TOP

Entry36

花弁

よろめきながらとは言え 
歩くのなら 

宝物ように何気ないように捨て置いたように
積もるもの  

抱えては行けず消しては行けず
振り返ればそこに
辛酸だとか哀慕とか

呼び切れない程ないまぜに
累々と

睡夢に似た反芻の滞留
振り返ればそこに
懐かしく果ては無く

ともすれば衝動も霞む引き金 
深々と

まだだ、と
振り切り振り返らず

歩いていると言えなくても
迷い引きずったその後に

降り積もるだろう?


↑TOP

Entry37

君は、しらない

今は南を枕にしたベッド
ビデオがBS内蔵になったこと
あの歌手のファンになったこと
 
カーテンは赤色になって
窓の景色に高いマンション
行きつけの店がなくなったこと
 
ストーブは石油に
携帯の番号も
よく使う駅がかわったこと
 
時計は昔のままだけど
飾っていた写真も
持っていたパソコンもかわったこと
 
空の水槽に金魚が1匹
壊れかけの洗濯機も
最新型に買い換えてしまったこと
 
好きだったマンガはいつか嫌いになって
あの駅に降りることもなく
約束していたはずの場所に
胸の中で封をしたこと
 
郵便受けに溜まる
宛て主のない手紙は
もうそのままゴミにしていること
 

君は、しらない

 
きみがとてもとても
大事にかわいがっていた
小さなハムスターは
 
きみより長く
今日も元気でいること


↑TOP

Entry38

『もう一度』

  もう一度 あの場所に帰れたら…
   もう一度 あの頃に戻れたら…
  もう一度 あの人と話せたら…
 もう一度 あの幸せな日々が来るのなら…


  もう一度 もう一度  もう一度……


↑TOP

Entry39

みかんとおばあさん

ある日僕は、
スーパーで、おばあさんを見たよ。
知らない人だけれど
おばあさんは、背中を丸めて
みかんを選んでいたんです。

ねぇ、おばあさんは
どれくらいの想い出を持ってる?
どれくらいの感情があって、
どれくらいの悲しみを抱いて、
どれくらいの人を憎んで、
どれくらいの人を愛して、
どれくらいの人に
愛されて、ここまできたの?

僕はたまに想うんだ。
人には人の、想いがあるって。
歴史があるって。
悲しみや憎しみや、
愛しい愛しい、人があるって。

そうやって人は、生きていくんだって。
そうやってこれからも、生きていくんだって。

そしてふと願った
おばあさんの選んだみかんが、
おいしいもので、ありますようにと。


↑TOP

Entry40

世界腐敗否定論

世界が腐っているなんて、
なんていうことを。

世界が腐っているんじゃない。
そう思う、
僕らの心が、腐ってるんだ。


↑TOP

Entry41

ほころび

   約束できるはずなんてない
   貴方だけはずっと変わらないでいて、なんて
   誰も約束できない
   
   
     変わりゆく人のココロ
     ずっと変わらない想い・・・

   
   時の流れには逆らえなかった
   埋められない空白の時間が2人には多すぎた
   いますぐ伝えたいことが沢山あったのに、伝えきれず、時は残酷

   
   
    ねぇ、貴方の心で読みとってよ
    そして、大丈夫って私に言ってよ――――。


↑TOP

Entry42

言葉 〜躍動的に〜

サニーサイド
昇降する神の足跡
古めかしい視界黄色に染まり
太陽が暴発する


↑TOP

Entry43

いつ出会ったのだろう
覚えていない
どうして仲良くなったのだろう
忘れた
大切な記憶のはずなのに
どうしてだろう
思い出せない

一緒に走った時間は長く
一緒に走った時間短かった
記憶のドアを開けば
頭の中はすぐに一杯になる
一緒に走った記憶は
永久に忘れないでいるよ

今目の前には
たくさんの橋がかかっていて
それぞれの道を歩み出すけれど
自分の心の大木を
枯らさないで欲しい
今までよりももっと
明るく輝いて欲しい
夜空に光る星といわずに
青空に輝く太陽のように


↑TOP

Entry44

雑草

今 目の前にある雑草を抜こうとしている
ただ人間界で名前が知られていないばっかりに
もしくは 知られていても可愛げのないあり余る生命力のために

おまえ 残念だが 抜くよ
おまえ 何のために生きているの?
おまえ 何のために生きてきたの?
尋ねると いきなり私の目を見て
「あなたに抜かれるためにです」
と言ってきたらいやだろうな
そのまま自分自身への質問のような気がして

雑草やーい
名前を知ると抜けなくなるね

雑草やーい
以外とかわいい花 咲かせるんだよな

雑草やーい
もしホントに誰かに抜かれるために生まれたのならば
ニンゲンだけが生き残る特権は許されないだろう?
いずれ 誰かが誰かに抜かれるために
<出会うまで!>
生きることになる
文句は言えないけれど

出会ってしまった時
私だったら すなおに命ささげること出来るのかな?

出会って じゃんけんして
勝ったほうが生き残り 負けたほうは最初からヤリナオシ
単純なゲームを繰り返す
永遠に

おまえの分まで強く生きてやるからね!

今 目の前にある雑草を私は引き抜いた


↑TOP

Entry45

ウォー・クライ

人はなぜ争うの?
人はなぜ戦うの?
そのためなら何をしてもいいの?
そのためなら命もいらないの?

綺麗とうたわれた野原は
見る影もなく焼かれてしまって
明るくにぎわったこの町も
今はその面影すら残っていない
煙と火薬の混じる匂いが支配し
銃声と人の悲鳴が木霊している

それでも争っている それでも戦っている

飛び交う銃弾を交わしながら
打たれ散る仲間を構う事無く
走りつづける貴方
手の施しようのない負傷者を
次々に運ばれる人に揉まれながら
必死に介護する私

やがて銃弾を浴び
激しい痛みに荒れ狂う貴方
やがて敵に場所を知られ
爆撃に巻き込まれる私

それでも争ってる それでも戦っている

人はなぜ争うの?
人はなぜ戦うの?
戦い終えた後に残るのは
勝利でも敗北でも何でもない
荒れ果てた大地と数え切れない犠牲
そして 無限の絶望だけなんだよ


↑TOP

Entry46

無題

 
 大人になんてなりたくない

 僕らと同じ形をした大人達を
 僕らはとても怯えていた
 ある日二人は手をつないで
 ここから脱出したんだ

 なのに なのに
 ある日僕は君の手を離してしまった
 
 この背にあった羽も もう見えない
 君の心が わからない
 
 変わったのは僕だったんだね
 
 ネバーランドの思い出さえ
 もう見えないんだ
 
 だけど 今僕は
 君にとても会いたい..会いたいよ..


↑TOP

Entry47

僕の君

凍えた風に向けたしかめ面をビルの窓に映し
唇を引き伸ばして笑い直す
懐かしい街並みに溶け込むべくどんどん歩く君

じんわりと降りてきては圧倒的に世界を染める
僕らの夕暮れ
驚いているのは話すべきことのくだらなさとその多さ
君の語る夢は年々気ぜわしくなっていく
それでもつらい時にいつも呼ぶ名前

この声が届かなくなる前にあと一言だけ言えるとしたら
選ぶ困難に頭を抱えるだろう
ストンと落ちてきてはいつまでも途方にくれる
僕らの夜更け
何も見えない恐怖に足をすくませる時間は必ず訪れ
道標になるのはいつだって君の名前

先のことは何も分からないのだと言い切ったら
可能性の多岐に目眩を覚えるだろう
この日々は遠くまで繋がっていく
歪んだりひずんだり弾けたり輝いたりしながら

白く緩やかに立ち上がり、広がり続ける僕らの夜明け
しかめ面にも心地よい風が吹いてくる瞬間
日々はここに始まり遠くまで繋がっていく
コートの裾をひるがえし全速力で街を駆け抜けた後で
膝を折り赤い頬で笑え、僕の君よ


↑TOP

Entry48

アロマ

君が見つめる あの子の背中は花びらみたい
ふわふわと 心の淵をくすぐってせつない

君が嬉しい あの子の笑顔は綿菓子みたい
強く甘く 痛みを落として消えてしまう

私の胸にも小さく歯をたてて去っていく 春の嵐

すべてかき乱されて また後ろ向いて泣いていた
うとうと揺れる残り火をにらんで


君が耳澄ます あの子の声は鈴の音みたい
きらきらと降り注いで あまりにも優しい

目を閉じても突き刺さるの あまい歌になってここへ

払いのけようとして 逆にとらわれて迷い込んだ
酔うほどに香る その引力に惹かれて


時は鈍感に 私のまわりにも流れるけれど
欲しいものはもっと違うの
あの姿 あの声 あの匂い

沼から足が出て 上を向いたなら月の夜


↑TOP

Entry49

琴線

彼女は3000円で彼を買う


雨が降っていた

彼女の煙草のけむりが

柔らかな痛みを描いて

静かに消えてゆく

細い指の隙間から

零れてゆくのは




彼は3000円で彼女に買われる


瞳を閉じて

彼は雨音の中に

溶けている

微かな声を探した

ゆっくりと

沈んでゆくのは


↑TOP

Entry50

サボテン

サボテンのように  トゲを出して生きたい
心の中を探られぬように
探ろうとする者は  容赦なく痛めつける

大人には分からない苦しみが  子供にはある
大人も子供のときそうだったのに
同じことを 自分の子供にしてしまう

子供は自由じゃない
イスに座らされ  縄で  どこにも行けぬよう
縛りつけられている
大人は自由だ
イスに座らず  縄にも触れず
どこへいっても許される

だから子供は心を閉ざす
サボテンのよに心にトケを出し
心想を知られることを拒む

偽りの自分を作りあげ  表面だけ笑う
大人になったとき  同じことを子供にしてしまう

大人になると汚れる
子供のときの苦しみを忘れる
そしてその子供が大人になったとき
みんな刃を向け  話すことを拒む
心想を探られぬように

傷つきたくない子供は  トゲを出す
大人に傷つけられぬよう  身を守るために


↑TOP

Entry51

ID

近代的なカードに刻まれたエンボス
記号化された個人識別
私の名前も刻まれているが
機械は私を11桁の数字で呼ぶ

名前というアイデンティティーを
いつも持ち歩いているのだが
機械は私を記号化するので
外国の通貨同様に
財布の中に収まっている


↑TOP

Entry52

舞乙女

レェスのカァテン

白い雪

風ぬ煽らる

風見鶏

舞落つ木葉 

花びらに

目には見えざる

舞乙女


↑TOP

Entry53

染み

ささいで

くだらない欠点を

皆でバカにして

笑って

笑って

笑い転げて

起き上がってみたら

君はもう

いなくなってた



真っ赤な

憎しみという名の

染みを残して


↑TOP

Entry54

お帰りだけで埋まっていく




エレベーターに乗るとお線香の匂いがしておじいちゃんが帰って来たんだと思いました
10階にあるマンションのドアを開けるとおじさんやおばさんや知らない人がいっぱいいて
みんなでお寿司を食べていました
私は制服を脱いでこの前買ってもらった喪服に袖を通します
お母さんも喪服です
今日はお通夜です

病院にはあまり行かなかったけれど
行ってもチューブだらけで話ができなかったので面白くありませんでした
おじいちゃんはエレベーターがつらいようであまり外に出なかったけれど
倒れる前に一度だけ
「ここから棺桶を入れるのか」と
エレベーターの奥にあるフタを見つめていました

「夏は腐敗が激しいから」と
誰かが小声で話しています
おじいちゃんは棺の中で
なんだかよくわからない顔をしています
夜になってお父さんが戻ると
お線香の匂いが強くなったので
私はおじいちゃんのそばに行って
「すぐにいなくなっちゃうけど、今日はお帰りなさい」と
もう一度お線香をあげました
明日おじいちゃんはエレベーターに乗って
どこかで焼かれてしまいます
部屋中がお線香の匂いで埋まっていきました


↑TOP

Entry55

壁の中の女

白く冷たく切ない壁に耳をあて、
貴女の歌を聴く。
ぞっとするほど美しく懐かしい、
好きだったメロディ。
くすんだ頁をめくるたびに込上げる、
思い出の匂い。
神経質な文字が並んだ、
貴女の残した古いノート。

今も貴女は壁の中に、
あの日に望んだそのままに。
今も私は君を愛し、
またそっと壁に耳をあてる。


↑TOP

Entry56

可哀相な人、麗しい人、私

可哀相な人へ
同情と冷笑を

麗しい人へ
私の魂の全てを

可哀相な人
私の愛が貴方に届きますように
私の同情が慈しみに変わりますように
私の冷笑が微笑みに変わりますように

麗しい人
私の魂が貴方のそばにいれますように
私の愛が永遠に届きますように
私の微笑みが常に向けていられますように

私に
可哀相な人を愛する心を
麗しい人を大事に出来る心を
全ての人に向けられる微笑を
どうか与えてください

私の眼差しに慈愛を
私の触れるものに愛が伝わりますように
私の微笑で救われる人がいますように
そんな力が私にあればいいのに

この手を可哀相な人に差し伸べても
可哀相な人は気が付きもしない
この愛を可哀相な人に降り注いでも
可哀相な人は拒絶する

この微笑を可哀相な人に向けても
可哀相な人は眼を向けてもくれない

私は可哀相な人を救えない
私はただ自分を曝け出すだけ

私はこんな人間なの・・・・
私はこんな人間なの・・・・

私も可哀相な人なのかもしれない
私も麗しい人になりたい
誰かに愛されたい
誰かを愛したい

全ての人は可哀相な人
全ての人は麗しい人
神の愛を求めて彷徨う魂


↑TOP

Entry57

別れ

人間すべてが避けては通れない道
別れ

今まで共に過ごしてきた日々が
完全に思い出になる瞬間

楽しかったこと
辛かったこと
悲しかったこと
別れの時には
すべての出来事が
思い出される
一生会えなくなるわけじゃない
でも
毎日のように会っていた人が
自分の生活の一部だった人が
突然いなくなってしまう
この複雑な気持ちが
悲しみとなり
涙となる

別れは無意味ではない
人はそこから
強くなるものだと思うから…

この先
悲しみを背負って生きてもいい
思い出は無限に増やせばいい
新たな出会いを求め
歩き出せる明日があるのだから


↑TOP

Entry58

flow

川が流れる
時間がワタシの血が汗が涙が流れる
すべては流れる
もうあと戻りなんかできやしないさ
たとえば人間が作り出したあの恐ろしい
ワタシもアナタも家族恋人大切なトモダチも
みんなみんな一瞬にして飲み込んでしまう怪物が
この世界中の色をすべて失って
ただの黒と白の世界
いや黒も白も何もない世界にしたとしよう
それでもすべては前へ前へと流れていく
その流れつく場所はどこだろう
ワタシたちが辿り着くのは?
どんなに泣き叫んでも笑い転げても怒り狂っても悔やんでも
あの瞬間はもうやってくることはないんだ
だから後ろばかり見ていないで前を向いてごらん
胸を張れば今日の青に浮かぶ林檎の形をした白にだって
流れる時間を追って忙しく動く人間の足元に生きる小さな
命にだって気づくはずだ
だからもう後ろは気にしないで顔を上げて歌って踊ろう!
今を生きれば濁ったあの日だって生き返るんだ!


↑TOP

Entry59

体内時計

愛しい幼子を腕に抱き
至福と恍惚に包まれる
その生々しい感覚と感情が
目醒めと共に消え失せ
胸に焦燥が訪れた

時代が女を変えたのに
種族保持の本能は体内にあった
迷いを知り
揺さぶってくる
時が満ちている事を知らせる為に

チクタク チクタク


↑TOP

Entry60

たんぽぽ

頭上では桜がいっぱいに咲いて

あたりを薄桃色に染め上げている

道行く人々は上ばかりを眺めて 

誰もお前に気がつかないまま 

満足げに帰ってゆく

だけど 僕はお前に気がついてしまった

華やかに咲いている桜並木のはずれで

小さくても健気に 黄色い花を咲かしているのに 

一人ぼっちでさみしそうなお前に



桜は舞い散り 葉桜の緑があたりをみたすころ

お前は ひとりでがんばって綿毛を飛ばそうとしてる

それでも誰もお前に気がつかない

だけど 僕だけはお前に気がついてやる

いつだって どこに咲いていたって見つけてやる

お前を一人ぼっちにはしない

だから

安心して飛んでいけ


やがて 

お前はうなづくように風に揺れて

空に翔けだしていった


↑TOP

Entry61

霧の中

くる くる くる くる
茶こしですくう 黒い石
トゲトゲしてて 光ってる

砕けてまわる 青い月
沁みてきては 苦しめる

全部はがれて しまったら
私はもう 逃げるだけ

落ちたところは 四角い世界

くる くる くる
まだ死なない


↑TOP

Entry62

『ネスト』

ネストが深すぎる
条件が多すぎる
イマジネーション
切り替えなくては
インスピレーション

ネストが深すぎる
このままでは
無限ループに陥ってしまう
早く心変わりしなくては

何を以って最適化
バグは歪んだ組み合わせに発生する
インクリメントできない
排他処理がうまくいかない
メモリを開放できない

君は好きなときに僕を呼び出す
処理が終わればお払い箱
君の飼ってるポインター
いつも僕の所在をつきとめる

僕はライブラリに入れられた
心変わりをしなければ
戻り値はいつも

ゼロ


↑TOP

Entry63

落書きの虹

一人きりで淋しいとき
私は空に落書きする
モデルのいない似顔絵と
誰にも言えない気持ちをかいて
そして最後に虹をかく
向こう側から誰かが来てくれるよう
私が歩いてゆけるよう

虹の橋を渡ってく
まだ見ぬあなたを求めて
私の落書き
雲と風が消していく
空が夕焼けに染まってく


↑TOP

Entry64

雨の昼

 
 ああ、雨の昼。

 僕は傘がない、毛糸の帽子はもう水を吸っている。
 
 この冬初めての重たい霙雪は、
 今朝には雨に変わってしまった。
 
 化学繊維でできた上着さえも、もう。
 重たく湿っている。

 駅へ、歩く。

 
 雨の日は傘がいい。
 さすのではなくて、眺めているのだ。
 歩道橋の上、学童達の列を見下ろして。
 色とりどりのパラソルだ。
 星か、夢か考えては、
 帽子の毛糸は益々水を吸い続けていた。

 ホームの反対側には、君か。
 身知らぬ君よ。
 黒い服を着ている、君も傘がないのだろう。
 髪が濡れている、凍えて。震えないように、
 自分を抱くようにしているのだ、左腕で。
 しかし、その視線は、
 反対側、雨のこちらに居る僕の足元の方へ向いていた。
 或いは、昔このホームに君の恋人が身を投げたのかもしれないな。
 それで君は彼の遺骨でも探しているのか?
 と。

 黒いドレスが喪服のような悲しい顔の美人だった。


 落ちる透明な、冷たい様子の雨粒よ。
 赤錆びた、スチールのレールに当たり、
 砕け、雨粒よ。

 その一打ちごとに赤銅のレールは冷たさを増し、
 頑なになるのか。
 不動で在ることに満ちているかのように、
 口を利かぬ悲しげなレールよ。

 
 透き通る雨粒は、光を微かに放ち落ちてくる。
 それぞれの色を放つ億の粒が在る。
 透明の中に広がる色彩に、恍惚の眼差しの僕は
 顔を上げまた君と視線を交わすが、
 滑り込んだ鉄の塊に遮られた邂逅は、
 永遠の中断を向かえ、
 僕と君も、お互いの場所へと車両に乗り込んだ。
 
 無表情な美人だ。


 ああ、雨の昼。
 線路沿いの景色は流れて行く。
 雨に濡れる家屋。
 人。
 は灰色の今日だ。
 行過ぎた工事現場の若者は泥に汚れ、白い息を吐き
 強く光る目で僕を見つめていた。
 
 雨粒を砕き進む列車。
 打たれ車輪は啾啾と鳴き、蒸気を発する。
 灰色の今日を、
 踏みしめるように駆け抜く。オレンジの列車が。
 
 悲しく写る線路沿いの雨情。
 雨に染まれぬ悲しげな列車。
 水滴は、音をたてず。
 猛り走る列車の窓を這うて行く。
 窓に映る僕の顔の上を這うように。
 

 雨の昼が、過ぎるのだ。


↑TOP

Entry65

キスの横顔


キスをした後の 彼の顔を見るのは

ちょっとはずかしい

幸せの顔をしてるから

きっと わたしも そんな顔をしてるから


↑TOP

Entry66

壮大な無駄・・・だよねぇ(^^;A

花咲けど
実ることなき
桜かな


↑TOP

Entry67

ピンクのエナメルのタイトのミニ

何をしても何を見てもくだらない
「くだらない病」にかかってしまったようねあたし

「終わりの無い日常に生きる」あたし
あたしの棺桶は最初から決まってたってワケか

(くだらない病は死に至る病。くだらない病は詩に至る病)

ねえ見てよ。あの月の中の黒いカゲ
あれはウサぴょんちゃんじゃあ無いんだって
昔はそんなことで泣いてみたりもしたけど


どうせ全てがくだらないから
ピンクのエナメルのタイトのミニ
人工原色の輝きはいつも嘘ばかりついている

(くだらない病は治らないわ。だって
あたしの父さんと母さんもそれで死んだもの)

ねえ聞いてよ。1999年の大予言
あれは全部嘘。作りごとなんだって
昔はそんなことで泣いてみたりもしたけど

けど



原色の街。造花の街。光の街。
乱反射の今日。もうセピア色の昨日。
きっと全て大切で。とてもくだらないものがいっぱい
見上げればもう明日はそこまで来ている


「人間なんてギャグな生き物さ」
そう言うあなたの横顔はとても寂しげ。だから
あたしはあなたに何でもしてあげるの
昔はそんな風に人を愛してみたりもけど

「誰も解ってくれない」
二人でそんな風に泣いてみたりもしたけど

↑TOP

QBOOKS