エントリ1
木枯らし はなもとあお
風が止んで
あなたが寒さで凍えなければ
いいと思う
思い出の縁に憧れて
描かれたストーリーのように
地に足のついた
悲しい今日を歩いてる
いつも使う言葉とは違う
やさしさだけが
おなじ頬に
風を受けとめて
あたたかい灯りのともる窓を
カタカタ鳴らしている
明日も晴れるらしい
エントリ2
優劣 Tsu-Yo
お仕事は何ですか、と
聞かれたので
コピーライターです、と答えたら
あなたは不思議そうな顔をしました
そこで、コピー機の説明書を書く
仕事なんです、と付け加えると
ああ、と少し理解したような
それでいて少しがっかりしたような声を
あなたは出しました
夜、350mlの缶ビールを飲みながら
ひとり
コピー機の説明書を書く仕事について
考えてみました
ああ、と言った
あなたと同じ顔をして
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