エントリ1
透過する点描 金河南
鳥かごからさしこむ
真昼の 手厚い光のもとでねむる
おちてきた
きみどり色をした空からの雫を
放射状に どこまでも置いた
クローバーのうえで
さわさわと
かぜを黄色の音にかえていく鈴を
いっぱいの枝にのばした
ポプラの木のしたで
まぶたから まどろみを
透過する きみの声
白いペンキを手に持ちながら夢を
歩く靴音
焼きたてのスコーンが
インコに オハヨウを言わせたの
甘いかおりに微笑む
午後が 雲をとおりすぎて届く
エントリ2
母 百
母になったら強くなれると思っていた
でも
喜びの中
常に我が子を失うことへの怖さと恐ろしさが存在していて
自分の弱さを痛いほど突きつけられる日々
(自分の子宮にいるのに生きているかどうかわからず
診察で心音を聞く度にほっとする)
(この世に生まれたばかりの命はとても弱々しく見え
夜中に何度も何度も呼吸を確かめる)
切り刻まれる時間の中で疲れ切った時
この子の母親は私ひとりしかいないのだという真実が
しーんと静かな大宇宙のようにあらわれてくる
(子どもは成長していく)
この子を守ろうと思えることだけが母の強さであり弱さでもあるのだろう
エントリ3
シニフィアンとシニフィエ はなもとあお
シニフィアン(意味するもの)とシニフィエ(意味されるもの)
シニフィアン(意味するもの)から
分解される言語の
かけらとかけらを組み合わせれば
無意識にアクセスする
シニフィエ(意味されるもの)があらわれる
あるいは、間接的に、ものをいう、とも言うのかもしれない
シニフィエ(意味されるもの)において
かけらであるパーツが
頭のなかで
全体を占めるものになってしまうこともあるかもしれない
気になっている
気にしている物事への
方向を決めるものとして
無意識のほしいままに
記号信仰
直接的なシニフィアン(意味するもの)
間接的なシニフィエ(意味されるもの)
考えること
相手が何を伝えようとしてくれているのか
時間をおいて
からだを経由することばに動かされる
わたしたちは
いつだって
明日をさがしている
あるべき姿の
エントリ4
修行 石川順一
おしょう是非俺の膝をその撞木で
ごんごんごん突いてくれ
と、俺は懇願した
ええのんか
ええのんかと
おしょうは何遍も
契約書のサインを
問いただした
私はええのんや
ええのんやと
それどころか
戸締りの時の
戸でも俺の膝を
叩いてくれと
契約にプラス条項を付けて
さらに何編も再契約し直した
うぉー24時51分だ頭に超音波だ
和だ戸だ語尾和だ語尾戸だ
私は2013年6月29日(土)24時50分頃
頭に超音波を食らって
語尾病になった
それでも契約だやれ契約だ
と合計何回契約し直しただろうか
5,6回?
私はダンサーなのだ
膝に撞木を当てて
膝に戸を当てて
修行して居る
一挙に戸締りの戸が
横にブチ切れる時
空気を横に切り裂いて
ブチ切れて当選する時
俺は「当選ザグレイトブチ切れて横浜を歌い出すんだ」
戸が横に動いている
縦で無い事だけは確かだ
シャッターは縦に戸は横に
動きからかして
ブチ切れて当選して居る
テレビ通販プレゼントだ
本当はみんな買って居るんだ
私は「ブチ切れて横浜当選は車の乗降口で車の天井に頭までぶつけて」
をダンスアンドシャウト(歌い)しながら
おしょうと6度目ぐらいの契約更新をした
ダンサー冥利に尽きます
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