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第15回詩人バトル Entry10

The liberation

いってきのワクチンで全てが救われるなんて
善意が売り買いされる時代の中で、
広い知性の果てを遠く見つめて
救えることがこの世にあるなんて信じられない。

邪悪な鉄の鳥がお前をソナーで見据えている。
電波が伝える映像がおまえをけしてはなさない
興味が本意とくいちがいに笑っていた
死者の列が血の海を越えてやってくる。

神が平和を望まなくても俺は揺るがない
もっとたかいところへ、己を掘り下げていくのさ。
神が平和を望まなくても俺は揺るがない
人は目で果てを見ない、想像で銀河も超える。
神が平和を望まなくても俺は揺るがない
知性の外側で勝ち誇った顔で俺は笑っている。

安らぎを求めて戦火のなかを国境をこえてくる
故郷に魂を置き去りに西へ西へと向かっている。
何に対してけりをつけようと騒いでいるのか、
目の前でまた小さい命が消えていくのに。

静寂の中をミサイルは走りぬけていく。
何かを叫びながら凄まじい速さで闇の中へ消えていく。
揺らぐデモクラシーはどこへ行こうとしているのか
その罪にだれが罰を、だれが罰を下すのか。

神が平和を望まなくても俺は揺るがない
もっとたかいところへ、己を掘り下げていくのさ。
神が平和を望まなくても俺は揺るがない
人は目で果てを見ない、想像で銀河も超える。
神が平和を望まなくても俺は揺るがない
知性の外側で勝ち誇った顔で俺は笑っている。

何もしないで今までこれたと彼女は本当に思っているのか
その信仰が全て嘘だと分かったら彼女はどうするだろう。
フロンティアの勇者たちは守るために戦ってきたのに、
この地球で平和だった時代など一度もあったためしがなかったのに。

神が平和を望まなくても俺は揺るがない
もっとたかいところへ、己を掘り下げていくのさ。
神が平和を望まなくても俺は揺るがない
人は目で果てを見ない、想像で銀河も超える。
神が平和を望まなくても俺は揺るがない
知性の外側で勝ち誇った顔で俺は笑っている。

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