第15回詩人バトル Entry28
木枯らしが雪を連れて
ホームはがらんとした白の彫像
汽車を待つ人は
立ち食い蕎麦の湯気にまみれて
凍えた指に命を吹き込む
静かに手をつないだぼくたちに
風がいつか白のカーテンを運んだ
君のぬくもりだけが
ただ確かな鐵路の傍で
ぼくは君を
そっと抱きしめ
白雪の幕が尽きぬ間に
ぼくは君に
くちづけをかわした
あの街へ向かう
黒々とした塊の汽車が
煙と湯気を捲きながら滑り込む
余韻というには余りにも
刹那すぎる温もりなのに
何時果てるとも知れぬほど
この胸は燃ゆるように熱いまま
君の瞳が砂時計のように
来る時間を報せて
ほろほろ零れる
その銀の軌跡は
まるでこの汽車が往く
鐵路にも似て果てしない
必ず迎えに来るからと
交わした言葉は
今もあの駅に
しがみついているだろうか
通勤電車を待つホームの
鉄路を眺めてふと
君の涙を
胸に顧みた
時は 決して
止みは
しないものだと