第15回詩人バトル Entry63
わたしは お風呂場の舟
ぷかぷかと浮かんで壁に着いてみても
すぐに離れて
また向こう岸を目指す
何があるというわけでもないのに
見えない道をとおっている
(みえないみち わたしをみちびいて!)
それとも
これがみちびかれているレールの上なのか
線路を走る機関車は レールから逃げられない
(それはいやだ!)
けれどバスや飛行機だって
同じ道をとおっている
毎日 そのくりかえし
船だって……
わたしにはお風呂場の舟が合っているのかもしれない
きまぐれに流されて
たどり着き また離れて
岸に着いても待っているヒトがいないから
だから また流れていくことが出来る
また向こう岸を目指して
何があるというわけでもないけど
何かあるということ 密かに信じて