第16回詩人バトル Entry19
走っていた。
風を切って、
遠くを見つめて、
ひたすらに、
走っていた。
追い抜こうと、
追い抜かれまいと、
必死になって、
ただ、ただ、
走っていた。
踏み出す足が、
躓きかけても、
止まることなく、
追い抜かれぬよう。
ふと、
振り向いてみたんだ。
はじめて見た、
私の後。
気がつけば、
空虚があった。
私は、
一人ぼっちだった。
はるかに続く、
長い長い道の中で、
ただ一人、
走りすぎて、
疲れ果てて。
だけどもう、
止まる事は、
できないんだね。
そしてまた、
走り出した。
今度は、
だれかに、
追いつくために。