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第16回詩人バトル Entry50

生々流転

陽射しの強くなるこの月
水木の花が咲き始める
天気雨に眼を上げて呼ぶ
さやかに六月が動き始める

なにか清々しいものの姿が
腐爛し崩れてゆく抽象
其処から息を吹く水の
青味をおびたあらわな手触り

そして見慣れた幾つかの具象
例えばそれは僕の皮膚を刺し
渦巻く線香に倒れもする
人の期待と違うことなく

さきがけの伴うのはいつも
そうした季節の曖昧さ
盛夏が近くなればなるほど
彼等の気配が近くなる
僕の輪郭は溶けようとする

陽傘をさして歩くこの月
柘榴の花が咲き始める
暑気に腕を広げて呼べば
たしかに六月が動き始める

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