第16回詩人バトル Entry52
月曜の朝。小雨のぱらつく中、僕は駅から会社への道を歩いていた。
予報の時間を外れて振り出した雨に、みな小走りに僕を追い抜いてゆく。
背負ったリュックの中には折り畳み傘が入っているが、僕はそれを出さなかった。
特に急ぎもせず、いつもの速さで歩く。
金曜に見たニュースでは、日曜の天気は渋い予報。
日曜はデートだった。それも、特別なデートになるはずだった。
土曜日の夜、僕は星のない夜空に向かって頼んだ。
どうか明日一日もってくれ、と。
日曜日。空は嘘のように晴れわたった。
デートは、特別なデートにはならなかった。でも、とても楽しかった。
昨日降るはずだった雨が、僕の髪を濡らしている。
静かに降る雨空を見上げて、僕は、ありがとう、とつぶやいた。
雨は、願いを聞いてくれた。
だから、こいつには僕を濡らす権利がある。