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第19回詩人バトル Entry33

アリなんて居ませんよ夏

が通り過ぎていくその傍らで
アリが水を汲んでいる

もう良いのだ、そう言いたげな太陽の下で
アリが水を汲んでいる

それは良く見ると錯覚で
アリは既にひからびていた
他の蟻たちの行列がそれを運ぶその前に、冗談みたいな風が吹いて
高くそれを飛ばしていった

確かに君の言うとおりに
街は、ビルや駐車場やサクラダファミリアは
ひからびてしまった虫のようだ
きっともうすぐ風が吹いて
全部悪い冗談だった、と吹き飛ばされてしまうのだ

だから
だから風の行方へ私は問うてみた
虫はいつか蝶に成るのか
醜いアヒルは果たして白鳥なのか
そんなふうに問うてみた

風の中のアリを私は見失ってしまった
黒い小さな塊は、空中で開き、飛び去ったようにも見え
バラバラに砕けてしまったようにも見えた

私は公園で水を飲んだ

ぬるい水は私に余計に汗をかかせ
それでまた、涼しくなりもした

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