第19回詩人バトル Entry9
地図にさえ載らない島があった。
涙がどよめいて、いったん静かになって、
たどりつきたくても
たどりつかない想いがあった。
沖に出れば黄色い魚たちが
陸に着けば黒い動物たちが
肺を濡らして待っている。
指で砂に描いても
心で空に描いても
<居場所も棲家も忘れたよ>
枝から枝へ伸びてきて
雲から雲へ
つなわたり
この島のあの赤い木は
いつまでも
赤い実付けて待っている。
小鳥たちのさえずりはさりげなく
それでも真剣に 時は
流れてく。