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詩人倶楽部

第2回詩人バトル
poem20

ブラックコーヒー

作者 : あすか
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いつからだったろう。
においがしただけでむせてたブラックコーヒー。
好きになったのは。
多分あなたのことを愛し始めてから。
そんな簡単なことに気が付いたのは、
あなたと二度と会うこともなくなってから。
あなたはいつもブラックコーヒーを飲みながら
故郷のこと、遠い昔に愛し合った恋人のこと
そして今現在同じ空間で生活を共にしている人のこと
まるで独り言のように話していた。
まるでそこに自分の存在がないように。
私はいつもあなたの心にタイムスリップしようとするけど
しようとすればするほどなぜかあなたが
途方もなく遠い人になってしまう。
そんなジレンマに私は泣いた。 
子供のように泣いた。
彼は、わたしを抱擁し、ただ遠くを見つめるような
目をしてキスをしていつものように私を抱いた。
抱かれていても私の心は虚脱感しか残らない。
彼は、けっして「愛してる」という言葉は発しなかった。
あえて、なぜ言ってくれないか聞かなかった。
聞けない、その一言を聞けば
私たちの関係はきっとがらがらと音を立てて崩れていく。
でも、終わった。
泣きながら「もう別れたいよ、つらいよ」
泣きながら言うのが精一杯の自分に
「わかった。いままでありがとう」
「ありがとう」たった2年の月日はやはり
たった一言で終わるのだろうか。
わたしは勝手に解釈した。
あれから5年後、無性に彼に会いたくて
彼の会社に電話した。
彼の遠くを見つめる目の答えが欲しかった。
事務的な乾いたメッセージが耳に染み込む。
彼の会社はもう存在しなかった。
あれから、10年。
今でも彼に抱っこされたい自分がいる。






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