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第20回詩人バトル Entry34

時のスピード

過ぎ去りし、日々は過去となり果てて…

時が走らないことを知っていますか?
時が歩む音を、知っていますか?

幼い頃は時など感じることもなく、
子供の時分は時の遅さに歯がみするばかりで、
けれど大人の今、感じる時は速すぎて、

だから願うのでしょう。
時よ止まれ、と。

陽(ひ)と月が、駆け足で空を巡ります。
目を戻せばめくれているカレンダー。
目を落とせば指間をすり抜けて消える無くし物の記憶。
目を返せば、別れを告げる濡れた、瞳…

時の歩みがもっと遅かったなら。
せめてあの日を留めてくれたなら。
他に何もいらなかったと、思えるのに。

それでも時は流れてゆきます。
止まることなく歩み続けてゆきます。
誰のためでなく、
何のためでもなく、

ただただ、進む時の速度を思うのは、

何かを無くしてしまったとき。
何かを忘れてしまったとき。
そして誰かとの別離のとき…

そんな時、きっと人は泣くのでしょう。
そしてまた、笑うのでしょう。

もう、時の流れにさらわれまいと。
もう、手にした宝を奪われまいと。
もう…大切な人の、記憶を落とすまいと。

重なり続く時という粉雪。
降り積もるそれを踏みしめ人は歩むのでしょう。

時の速度に歩みを合わせ。
時の雪道に足跡を刻んで。

過ぎ去りし、今を過去とし置きながら…

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