エントリ1
3月に思うこと 日向さち
Twitterに書き込まれているのを見て
また嫌なことがあったんだな、
いくつになっても子供じみてるな、と思う
それだけ
それだけで済む関係
想いのベクトルに変化はない
作品を観れば観るほど似ているところを発見するから
違う環境で育ったことが不思議なくらいで
でも 身内でさえ
こんなに似た考えを持った者はいない
舞台を観に行って、たまに終わりで話をすることもあり
その際はお互い ほとんどタメ口だけど
こっちは 客だし
彼は かけがえのない存在で
あの3月11日
私が美容室にいる時に地震が起きて
その後、バスターミナルへお菓子を買いに行って
売店のおばちゃんに、どこで地震があったんですか、と訊いた
帰宅してからパソコンを開き
Twitterで、彼が都内を歩いて劇場に向かっていると知った
まもなく彼が相方さんから公演中止のリプライを受けて
そこでツイートが途絶えて、数時間
私は待ち続けていた
夜になって書き込まれたのは
無事の帰宅と、
相方さんに電話したら飼い犬の声も聞こえた、という内容
あの美容室は引っ越しをした
バスターミナルも建て替えられ、売店は経営者ごと変わった
彼らも事務所を辞めて、あの日に向かっていた劇場での仕事は無くなったけれど
私が売店で買ったお菓子を差し入れた劇場では、今年、久しぶりに仕事を貰えるらしい
彼の創るものはジャンルも技法も多様化して
内容的にも大人になってきたけれど
幼稚な部分は剥き出しにして
作品の登場人物が言いたい放題に本音をぶちまける
私の真の姿が そこにある
ベクトルに変化はない
「お恥ずかしながら、未だに自分の生み出したもので世の中を変えられると思っています」
って事務所を辞める前に書いていたけれど
最近、ただの冗談では終わらないんじゃないかと思う
エントリ2
言えなかった 石川順一
スイスへ亡命すると
美しい秋に
傘が折れる
あるいは小粋な笠を
織って居たのかもしれない
夏至に降る雨
ガンズアンドローゼズを聴く
不意に訪れる南朝
ずうっと一緒だった
郁子の料理パターン
ティムが呆けだした災禍
ダイヤで出来た椅子に
難しいジェラシーを感じる
花を見た帰りにバーデンバーデンの密約
帰り着く直前と帰った後に
バーデンの密約を知らねーよとは
言えなかった
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