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第204回詩人バトル

エントリ作品作者文字数
1浮影凛々椿154
2音楽大覚アキラ622
3No.204サヌキマオ414
4生きていれば日向さち292
5我慢とわがままとはなもとあお359
6赤い手待子あかね100
7モットロックを石川順一177




 


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詩人バトル読書会
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エントリ1  浮影    凛々椿


ニュースをタップする人差し指の向こうに
名も知らぬ人を見つけた
彼のつま先より直角
窓の向こうへとのびるものを
それははなやぐ川面
さざめく緑
滑翔
少年野球の
赤のユニフォーム

東京

ことんかたん
かたんことん
列車は揺られゆるり地下へと進む
彼は消え
呼吸音はふえる
手元に開いたままのニュースなんて
ほんとはどうでもいいことだった






エントリ2  音楽    大覚アキラ


140文字なんかじゃ語りきれない何かを
ありったけ全部ぶちこんで叩きつけてみろよ

からっぽのままで終わった
生乾きの青春みたいな10代も
何通りもの終わらせ方を
シミュレーションするだけの20代も
諦めてないふりをするのばっかり
上手になった30代も
諦めちゃったふりをして
生き延びる狡さを身につけた40代も

おいこら
そこのてめえ
BGMなんかつけてんじゃねえよ
借り物の音楽で自分の人生を演出して
140文字のくだらないつぶやきと
キラキラしたまがいもので飾った写真に封じ込めて
おとぎ話みたいに
よかったね
すてきでしょ
なんてさ
草生えるね文字どおり
一面の草原だ
どうよこのすげえキラキラ感

さあ
おとぎ話のはじまりです
物語にはBGMがなくっちゃね
そんなわけでバンドでも組んでみようか
なんてね
いいね
じゃあおれギターやるわ
あたしキーボードね
そんじゃぼくはベース
おれはドラムなんかやってみようかな
ボーカルがいないので募集することにしました
世界中に放つ140文字のメッセージ
いっしょに届けよう

ぼくたちの音楽を
ぼくたちのメッセージを
届け音楽
届けメッセージ
届け
届け

BGMにすらなり得ない
幾千万の干乾びた音楽たちが
誰もいない冷え切ったスタジオの中で
チューニングのやり方さえ知らないギターの弦の上で
嘘が上手なおまえたちの唇で
安っぽい白いイヤフォンの先っぽで
タイトルさえ思い出せないヒットチャートのてっぺんで
生まれもしないで
死にもしないで
ただ消えていく
生まれる前に消えていく

そこには
草すら生えない





エントリ3  No.204    サヌキマオ


半分とは思えないほどの夏が生まれ
日陰をはりはりと噛む音がする
こんな日に死ぬのは嫌だなぁと
春日通りで信号を待っている

車に撥ねられて
くちばしがひん曲がって
どくどくと血を流すカラスを見たことがある
あれもこの時期のことだった

あのまま夏にはりはりと食われるのはいやだ
食われる前に区役所が燃やしてくれるのもかなしい
こんな日に死ぬのは嫌だなぁと
思ったことを思い出した

去年の冬に住んでいるビルから死体が出まして
先日ようやく解体工事が入りました
運び出される何もかもに死肉のにおいがついている
死肉は運び出されながらエレベータの壁をはりはりとかじろうとする

貼ってあったグラビアのポスターを
前の家から持ってきた緑色のスリッパを
出入りの業者が無難にしつらえた壁紙を
死肉ははりはりと食らって成長を続けていたのだ

解体された、ビルの一室だけ
かつて住んでいたものの痕跡をすっかり
何事もなかったかのように
すみからすみまで

区役所が燃やしてくれる
もう半分の夏が生まれる





エントリ4  生きていれば    日向さち


夢中で観ていたアニメ
母親への八つ当たり
もう忘れてしまった数学の公式
遠くに聳え立つ山

あなたと出会えたのは
あなたと私が別々に経験したことの積み重ね

一度だけ立ち寄ったコンビニ
草木のにおいを運ぶ風
テレビをきっかけに興味を持った芸能人
奢ってもらって飲んだビール

それらの先で
お互いの存在を知ることになって
あの人おもしろいよね、とか
明後日も来るでしょ、とか
そんな言葉をもらって頷く

生きていれば形が変わるから
目標や希望を失っても自分に合う形は見つかるんだと
分かるようになるまでの時間は長い

あなたに圧倒されて創作ができなくなったけれど
今こうして書き綴っているのは
あなたのお蔭でもある

こんな人生もあるんだ





エントリ5  我慢とわがままと    はなもとあお


自分の気持ちを
素直に出すことに抵抗がある
他の女と話さないで、っていう、
嫉妬と独占欲とがまざりあった
あまりきれいじゃない感情とかは特に

好きな人とふたりだけで話すだけでは
社会で生きていけないことなどわかりきっていることなのに、
そして、
どんなに好きでも
ふたりだけでずっと居たら
傲慢や慣れで
これまた毎日の暮らしが苦しくなってしまうというのに

嫉妬や独占欲と
おおらかに許しを含んで
誰かと一緒でもわたしのところにちゃんと帰ってくるという自信をもつのに
相手の気持ちを確かめる行為以外に
何が必要だろう

魅力
惹きつけるもの
例えば、毎日の食事で胃袋をつかむとか
よく言いますね。。。
激情に負けずに自分を知ること
毎日お疲れさま、というような、
相手への気遣い、想い
丁寧に
見て伝えて考えてもらって確かめて

歩いていけるかな?





エントリ6  赤い手    待子あかね


赤い手が
首に巻きついて
手形がついた
鏡に映らない
手形がついている

赤い手が
足あとのように
目の前に
ぱたぱたぱた
手形がついている

首に巻きついて
離れない
首が絞まる
苦しくなる

首にしがみつく
きみの声
手が声が
赤くなる





エントリ7  モットロックを    石川順一


モットさんがロックして居る
モットモットモットロックを
モットダンスをモット船入れろ
ラシーヌは笑えないから戯曲を
書き続けるラシーヌの無駄口は
アーブ(ハーブ)だ雑草でもある
中指が計算を始めるとモットさんが
立ち上がるモットロックをモットロックを

もっともな理屈ここに廃れる
モットさんとロックさんが居るようだ
幻覚はあまねく信者をてらし
おおモットロックをと称名を唱えた