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第244回詩人バトル


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エントリ作品作者文字数
1会話日向さち628




 


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エントリ1  会話    日向さち


耳が良くないくせに
台所にいる母が
机に向かっている父に話しかけるものだから
居間で挟まれる形になった私が
お互いの言葉を伝える羽目になったことがある
「明後日行くかって」とか
「一週間分まとめてにしようって言ってる」とか
夫婦だけに伝わる言葉たちが私を通り過ぎていって
これ何の話、と訊き、三人で笑った
内容を知ったところで私の得になるわけでもなく
それからは、同じような状況でも内容が気にならなくなった

二人でお茶を飲んでいたり
二人でクロスワードパズルを解いていたり
そこで生まれる会話に
聞き耳を立てている自分に気付く
昭和の時代から聞いてきた声と口調
関係性もきっと変わっていない
いつだったか、その会話を聞きながら
助かる、と兄が言っていた
穏やかなだけではないのだけど
数分もすれば元に戻ると知っているから
こちらは隣で黙々とネットニュースなんかを読んでいられる

二人のことをどこまで好きか
いつまで好きでいられるか
そういうことを考えたところで答えはなく
当たり前のように一緒に暮らしていたい
という気持ち
それが全てなのだと思う

父が塩分を気にするようになってから
料理は全て父に合わせて味付けをしていて
それがちょうど私好みの味になっている
母は、物足りないと感じつつ
カレー以外は全く同じものを食べていて
なのに、時々、父がソースカツを買ってきて
今度は私が、食べたいのに食べられない
そんなことにも慣れてしまって
二人が、あと一切れ食べていいよ、なんて話しているのを
焼き魚なんかを食べながら眺めるのだった