エントリ1
夕立 日向さち
庭を眺めながら
蝶が嫌いだ、と思う
アゲハ蝶が予測不能にチラチラ飛んで
花に降りては吸い付いている
しかし
それが無いと花は種を実らせることができない
じっとしているだけで汗をかく
冷蔵庫内でかさばっていた西瓜に齧りつく
種は噛み砕く
山の上には入道雲が
太陽が下りてきて、風が吹き込んで
Tシャツが乾いてゆく
体温を吸い取られる
吸い取られているのに重くなる
体が沈んでいくのを
できる限り無視しようとする
雷鳴と土砂降りの音を聞く
いっそ雨に打たれたらいいと思いながら
踏み出そうという気分になれなくて
自然と浮き上がる時を待つことにする
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