第3回詩人バトル
poem19
またそんな見え透いた嘘をつくのか。 窓にもたれて、風鈴を揺らして、視線を上手く逸らすのか。 胸が、しくりとする。 青い魚眼を見上げる、この日陰の部屋で こんな風に、輪郭だけ向き合う事で 分かり合える気がしていた。 ただ、それだけ。 ゆるい時間の流れに、体が火照る。 真綿のような空気が張りつき、 細かい虫のように汗が這う。 ちゃちな電車の音が、消えてゆく。 今はこの身が脈打つのを、やりすごすだけ。 不意に、 小さく笑い飛ばして、 今日の爪の色が似合うか、だなんて。 言葉を返したら、負けだ。 それでも、負けを選ぶのさ。 お前、本当にずるい女だ。 小さく歌を口ずさんで、 ふらりと腕を絡めに来る。 いつも通りだ。 いつからか。 触れた肌の隙間に、 じわりと熱が溜まってゆく。 どうにも突き上げるこの重みは、 どうしてか。 お前は分かっているのだろう。 いけ好かない。 カナリヤは歌を歌う。 いけ好かない。
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